幸せの捜索願 番外編






自分の生き方というものを、人間は生きながらに見つけていく。
けれど、椿はすでに一度生まれ落ちてから死ぬまでの流れを終えているので、自分の生き方を知っている。
見応えがあることは認めるけれど、完璧なものより不完全なものの方が魅力的。
完成していると言うことは、それで終わりと言うことですから。
だからこそ、残るのは“本当の終わり”のみ。

呪術師は後悔の無い死を迎えることは出来ない。
“死”そのものが呪いになる可能性がある。その“死”に捕らわれたり、生者の重しになったり。
だからこそ、その瞬間に価値を感じてもらえることは大きな意味を持つ。
故に甚爾にとっては救いとなった。
誰にも看取られることのないはずの娘が、独りで死ぬことは無いと確約されましたからね。
まぁ、宿儺にそんな意図はないけれど。




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