幸せの捜索願






 ―――――私は、ここに居て良いのだろうか。
 それは自我が生まれてからずっと抱えていた疑問だった。前世の記憶があるからか、全く別の世界から来た異邦人が、『伏黒家』という家庭に入り込んでしまうのは本当に正しいことなのかと。そんな引っかかりが、胸の裡に存在したのだ。
 ふとしたときに、自分という存在が完璧な世界を汚す不純物のように感じてしまって、たまらない気持ちになるのだ。
 恵が呪術師という道に辿り着いてしまったのも、私の存在のせいなのではないだろうか。

 ―――――私がここに居るのは、もしかして……。




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