幸せの捜索願






「ねぇ、お姉ちゃん。かみさまは何が好きかな?」
「お姉ちゃん、宿儺の好きなもの、知ってる?」
「ふふ、お礼がしたいのか? 彼は美味しいものが好きだよ」
「じゃあ、ご飯作る!」
「俺も手伝う……!」

「…………おい、何かあったのか? 特に津美紀は見えてねぇだろ。何であんなに懐いてんだ」
「ああ、父さん。実は恵が自分の影の中に落ちてしまいそうになって、それを宿儺が助けてくれたんだよ」
「はぁ!?」
「どうやら術式を発動したみたいなんだけど、上手く扱えなかったようなんだ」
「あいつの術式はそんなんじゃねぇだろ! つか、あいつ、術式使えるようになったのか!?」
「玉犬という犬を二匹顕現したよ。後で褒めてあげて欲しい。あと、宿儺にお礼も」
「…………宿儺には酒でもやっとく。恵にも声は掛けとくが、褒めるって言われてもなぁ……」
「すごいねとか、頑張ったねとか、そういうので良いんだ。それだけでも十分、嬉しいものだから」
「…………おう」




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