幸せの捜索願






「お前が俺を神だというが、それを馬鹿正直に信じてはいまい。お前は俺を何だと思っている?」
「……そうだな。でも、宿儺は宿儺だ。神であれば良いなとは思うけれど、私達の敵にならなければ何でもいい」
「……俺は本来、お前のような人間共の敵だ。縛りがなければ、お前などとうの昔に殺している」
「そうか。なら、改めて人間の敵になったとき、私が責任を持って退治しよう」
「お前が? 何の冗談だ?」
「私が無理でも、きっと誰かの手が届く。人間はあなたが思うほど弱くないし、諦めが悪いよ」
「…………ふん。鬱陶しいことこの上ないな」
「あ、そうだ。一つ聞きたいことがあって」
「…………何だ」
「宿儺の本体が指一本だけだとは思えないんだが、もしかして複数あったりするのか?」
「今頃気付いたか。指が二十ある。それがどうかしたか?」
「…………いや、複数あるのかなって気になっただけなんだ。でも、あるならやっぱり集めた方が良いのか?」
「そうだな、多ければ多いほど強くなる」
「そうか……」




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