牛島の片割れな姐さん






書きたかったけど上手くまとめられなくて諦めたネタ

街中で及川と岩泉に遭遇。
牛島と手を繋いで歩く椿を彼女と勘違いする話。

及川「げぇっ!? ウシワカ……!」
岩泉「マジだな。つか、もう一人いねぇ?」
及川「えぇ~? よく見えない……」
岩泉「手ぇ繋いでんな」
及川「はぁ!? まさか彼女!? 及川さんですら今彼女いないのに!?」
岩泉「振られたばっかだもんな」
及川「うるさいよ、岩ちゃん! くそ~! 彼女だったら振られろ、ウシワカ~!」
岩泉「僻むな、クソ川」

博物館に入っていく様子を見て、成り行きで尾行する形に。

及川「あいつ博物館なんて行くのかよ……」
岩泉「遊園地よりは行きそうだけどな」
及川「確かに……」

途中で尾行しているのが椿にバレる。
牛島に知り合いか確認して、撒くか声をかけるか尋ねる。
知り合いだと言われたので、一応声をかけることに。

牛島「及川、岩泉、何か用か」
及川「げぇっ!? 気付かれた!!」
椿「博物館から着いてきていただろう。動きが怪しすぎて、不審者かと思ったよ」
岩泉「す、すまん……」
及川「ご、ごめん……」
椿「それで、私達に何か?」
及川「えーっとぉ……」
岩泉「牛島が女子と一緒にいるのが珍しくて気になっちまったんだ。デートの邪魔して悪かったな」
牛島「? デートではない」
及川「はぁ!? おま、手ぇ繋いで歩いててそれはないだろ! 彼女じゃないなら何なのさ!!」
椿「いや、デートではない。彼女でもない」
及川「おん!? 違うの!?」
牛島「ああ。俺の片割れだ」
岩泉「かたわれ……?」
椿「私は空井椿。若利とは双子のキョウダイなんだ」
「「…………はぁ!!?!?」」



***



牛天が成立した未来での出来事。
牛天の仲を認めない的なことをモブが話しているのを聞いてしまった椿。

「分からないな。愛するものを大切にして何が悪い。好きな人を宝物のように扱うことの何が罪だ」
「理解できないな。愛するものがある尊さを、人を好きになれる心根の美しさを、どうして傷物にしようとするのか」
「私がお前を傷物にしてやろうか」



***



牛島の輝かしい未来を思って身を引こうとした天童と、それを認めたくない牛島。
二人を心の底から肯定する椿。

椿「周囲の評価? 知るか、そんなもの! 例え世界中から後ろ指指されようとも、私だけは君を認める! 君が、君こそが若利の隣に相応しいのだと!」
天童「つ、椿ちゃん……」
椿「そして若利! 君は天童の愛を知るべきだ! 何故彼が身を引こうとしたのか、それを正しく理解しろ!」
牛島「…………理解したくもない」
椿「いいや、それは傲慢だ。天童を愛しているのなら、彼の想いを知らなければならない。天童の君を想う心を知らないで、本当に彼を愛していると言えるのか。私にはそうは思えない」
牛島「………………」
椿「そも、若利は知りたくないのか? 天童がどれだけ君のことを考えているのか。彼が身を引こうとした理由を知れば、どれだけ彼に愛されているのかを知れるというのに」
牛島「…………知りたい」
椿「そうだろうとも。ならば、知ろう。分からないことは一緒に考えるから」
牛島「ああ、よろしく頼む」
天童「ま、待って、二人とも……!!!」

瀬見「もうこれ、天童に勝ち目ねぇだろ」
川西「全て実力でねじ伏せるチカラオブパワーの牛島さんと、愛するもののためなら世界だって敵に回せる空井さんのコンビに勝てるわけなくないですか?」
白布「勝つどころか戦う気すら起きないコンビだろ」
山形「往生際が悪いよなぁ、覚も」

牛島「…………つまり天童は、俺が誹謗中傷されることを恐れて身を引こうと?」
椿「ああ。誰だって、大切なものが謂われのない暴言を吐かれるなんて嫌だろう。その理由に自分が関わっているのなら、尚更」
牛島「その程度のことで、俺は天童を手放したくない」
椿「確かに、私達は周囲の評価より、己の心に従う生き物だ。しかし、自分たちと違うものを排斥しようとする人間は思ったよりも多いし、過激だ」
牛島「…………」
椿「君には縁の無いものかもしれないが、差別や迫害というのは恐ろしいものだ。ただ“そうである”というだけで、人はどこまでも残酷になれる」
牛島「…………」
椿「君は見たことがないだろう。肌の色が違うという理由で、銃を突きつけられる人間を。君は知らないだろう。自分と違うと言うだけで、どこへ行っても門前払いされる屈辱を」



***



なんやかんやあって、収まるところに収まった牛天。
椿に婚姻届を差し出され、二人が驚く。

椿「はい、これ」
牛島「……? ……っ!」
天童「……! つ、椿ちゃん、これ……」
椿「あとは二人で埋めると良い。どこに出すことも出来ないけれど、私達が証人だ」
牛島「椿……」
椿「幸せになってくれ、私の愛する片割れよ。そして、片割れの最愛よ」
牛島「もちろんだ。ありがとう、俺の大事な片割れよ」
天童「ありがとう、椿ちゃん……」

椿や鷲匠を筆頭に、バレー部一同が証人欄を埋めている。




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