天文台にて目を覚ます
暗い、冷たい、寒い、苦しい。
ここは一体何処なのだろう。
何も見えない。そもそも目を開けているのかすら分からない。
立ち上がろうにも、指一本動かない。
そもそも、自分はいったい何者なのか?
……。
…………。
………………。
ああ、思い出した。
私は『 』
私の体は消滅し、0と1に返還された筈だ。
けれど、こうして自我がある。
魂だけの状態で彷徨っているのか。死とはこういうものなのか。それとも転生でも果たしたのだろうか?
ああ、いや。そんなことは些細なことだ。
それよりも、もっと大切なことがある。
私は、彼を呼ばなければならない。
共に旅をした相棒を、『 』を。
それにはまず、この状況をどうにかしなければならない。
だってここには、私にとって良くない物しかないのだから。