ジャミル・稚魚・バイパー






・マレウス幼子呼び

ジャミル「…………」
マレウス「どうした、人の子。僕に何か用か?」
ジャミル「あ、いえ。角が気になって……」
マレウス「角?」
ジャミル「はい。人には無いものだから、つい。すいません、不躾でした」
マレウス「…………まぁ、興味をそそられるのも分からなくはない。今日の僕は気分が良い。特に許そう」
ジャミル「えっと、ありがとうございます?」
マレウス「しかし、純粋な目を向けられるのは少しばかりくすぐったいぞ?」
ジャミル「だってかっこいいじゃないですか! 角ですよ、角! 見た目から強そう!」
マレウス「ふふ、この僕を恐れるでもなくかっこいい、とは。まるで無知な幼子だな」
ジャミル「? マレウス先輩は怖くないですよ? 次期王様で大変そうなのに成績も良くて、魔法も凄くて、尊敬こそすれ怖がる要素は無いですよね?」
マレウス「…………ほう?」
ジャミル「あれ? ここって怖がる所でした??? え、えっと、マレウス先輩が大っきくて怖いです!」
マレウス「ふ、ふふふ……!」
ジャミル「え? 俺はどうすればよかったんです???」
マレウス「は、ははは! その純真さ、気に入ったぞ、幼子よ」
ジャミル「あれっ? いつの間にか幼子呼びになっちゃった……」
マレウス「そんなに気になるなら触れてみるか?」
ジャミル「! いいんですか? やった!」





・原作軸に迷い込む
成り主は「稚魚」と表記します。

稚魚「そっちの俺ってアズールのこと嫌いなのか? あんまり仲良くないのか?」
アズール「そんな事ありません。とても仲良しですよ」
ジャミル「仲良くない」
稚魚「うん? 結局どっちなんだ?」
カリム「そっちは仲良いのか?」
稚魚「普通じゃないか? めちゃくちゃ心配とかしてくれるし、嫌われてはないと思う」
ジャミル「……信じられないな」
稚魚「ああでも、友達っぽいことはしたことある。1日転寮ごっことか」
アズール「1日転寮ごっこ……ですか?」
ジャミル「何だそれは」
稚魚「いや、アズールに転寮を薦められるんだが、転寮は無理だから、1日限定でオクタヴィネル寮生になったんだ」
フロイド「何それ面白そ〜!」
ジェイド「具体的には何をしたので?」
稚魚「特別なことはしてないぞ? 夜更かしして菓子パして、ちょっと遅く起きて、服選びっこして一緒に出掛けて、夜の忙しい時間帯だけラウンジの手伝いして帰った」
カリム「へぇ〜! 楽しそうだな! 楽しかったか?」
稚魚「楽しかった!」
アズール「ふっっっつーの友達じゃないですか!!!!! というか、1日とは言えジャミルさんがオクタヴィネルに来てるんですよ!? これを利用しない手はないじゃないか!!! そっちの僕は何をしてるんだ!!!!!」
フロイド「普通に遊んでるだけじゃんwww」
ジェイド「アズールともあろう人が浮かれてしまったんですかね?www」
稚魚「さぁ? そもそも俺、アズールからあんまり対価がどうとか言われた事ないしな」
アズール「はぁっ!?」
ジェイド「おやおや」
フロイド「アズールらしくね〜」
ジャミル「……もしや、信用を得てから対価を取るとか、そういう手口か?」
稚魚「信用さなすぎか???」
フロイド「じゃあ、手伝いとか頼むとき何て言われるの?」
稚魚「頼む前に手伝ってくれることが多いかな。あと、対価は?って聞くと、"稚魚から巻き上げるような外道ではありません"って言われる」
アズール「えっ……。それ本当に僕ですか??? 僕もそちらのジャミルさんのように性格が違うのか???」
稚魚「世界の相違ってのはあるかもな」
フロイド「そっちのアズール超見てぇ! 会えねぇの?」
ジェイド「僕もお会いしたいですねぇ」
カリム「並行世界の自分かぁ。確かに興味あるな!」
ジャミル「おい待て。稚魚って何だ、稚魚って」
稚魚「さぁ? フロイドのあだ名が移ったんじゃないか? あいつ、俺のこと"稚魚ちゃん"って呼ぶから」
フロイド「ふーん?」
ジェイド「"稚魚"、ですか」
稚魚「こっちのリーチ兄弟って、どっちもお兄ちゃんっぽいんだよな。面倒みがいいというか、心配症? それで背も高いから、二人からすると俺なんかは小魚がちょろちょろしてるように見えてるのかもな」
カリム「あははっ! たしかに二人ともデカイもんなぁ」
アズール「おっと、面白そうな気配。そちらの二人はどのような性格なのですか?」
稚魚「フロイドは一歩引いたとこで見守ってくれるタイプだな。基本的に自由にさせてくれるけど、危ないことしたら叱るし、困ったことがあったら助けてくれる」
アズール「ほう?」
ジェイド「おやおや」
フロイド「うへぇ、何そのオレ……」
稚魚「ジェイドは一人立ちさせるのが上手いタイプかな。基礎の部分はしっかり教えて、土台をしっかり作ってから手を離す感じがする」
アズール「そちらの双子は堅実なのですねぇ……」
フロイド「最早顔だけ同じな別人じゃん」
ジェイド「並べて違いを観察してみたいものです」
稚魚「気まぐれ、愉快犯的なとこはあるけど、普通にいい奴らなのにな。何であれで指定暴力団とかヤクザヴィネルとか言われてるんだろ? 迫力あるからか?」
ジャミル「…………ん?」
稚魚「でもアズールも含めて言われてるっぽいしな。そんな怖いかな」
ジェイド「おや?」
稚魚「それに寮生たちも、"オクタヴィネルには関わらない方が良い"って言ってくるし、何が駄目なんだ?」
「「「………………」」」
アズール「もしや、彼の前でだけ、猫を被っているということでしょうか」
ジャミル「寮生たちの反応から察するに、そういう事だろうな」
フロイド「何でそんな面倒なことしてんの〜? 別に普通にしてりゃ良いじゃんね?」
カリム「向こうのジャミルが怖がりだから、とかか?」
ジャミル「まさか。そんな訳ないだろ?」
稚魚「何の話だ?」
ジェイド「大した事ではないので、お気になさらず」
稚魚「ふぅん? ……あっ、マレウス先輩! こんにちは!」
「「「!!?!?!?」」」
マレウス「ん? バイパー、か?」
稚魚「バイパーです! よく分からないですけど、何か並行世界から来ちゃったみたいなんで、顔は一緒ですけど、初めましてになりますね!」
マレウス「ほう? しかし、僕はこちらのバイパーとはあまり関わりがない。そちらでは違うのだろうか?」
稚魚「そうなんです? マレウス先輩がどう思ってるのかは分からないですけど、俺はマレウス先輩と仲良いと思ってます! ガーゴイルの話とか教えてもらったし、角にも触らせて貰いました!」
マレウス「……ほう?」
稚魚「今度廃墟巡りに連れて行ってくれるって………」
アズール「お話中失礼します!!!」
ジャミル「すいません、マレウス先輩! 用事があるので失礼します!!!」
稚魚「え? 用事?」
ジャミル「そうだ、重大な用事だ、早く行くぞ!!!」
稚魚「分かった。あ、マレウス先輩、お話聞いて下さってありがとうございました!」

稚魚「で、用事って?」
ジャミル「んなもんあるか!」
フロイド「嘘に決まってんじゃん」
稚魚「そうなのか?」
アズール「この目が離せない感じ、正しく稚魚です……!」
フロイド「オレのあだ名、的確過ぎない???」
ジェイド「ええ、本当に。しかもこの子はウミヘビではなくマグロか何かですよ。止まったら死ぬタイプです……」
ジャミル「もしかして、俺とカリムの性格が入れ替わっていたりするのか……?」
カリム「えっ!? オレ、あんな感じか!?」
稚魚「カリムは今のところ性格に違いは見られないが?」
ジャミル「救いはなかった」
カリム「ジャミル、酷くないか!?」
アズール「スカラビアは陽キャの聖地か???」
ジェイド「イデアさんが死ぬやつですね」
稚魚「えっ、俺別に陽キャじゃないんだが……? イデアさんに避けられたりしてないし……」
フロイド「ねぇ、稚魚ちゃん。ホタルイカ先輩とも仲良いの?」
稚魚「え、うん」
フロイド「どんな感じ?」
稚魚「えっと、俺ゲームとかした事ないから、イデアさんに教えて貰ってて、よく部屋に遊びに行くかな」
カリム「仲良いんだな!」
稚魚「まぁな! あとは、よく駄菓子を貰ったりするな」
ジャミル「他には?」
稚魚「えっと、頭は撫でるとセット崩れるからってほっぺたムニムニされたり? 足の間に座って一緒に映画見たりもするな! あとは頑張ったら褒めてくれる!」
アズール「完全に扱いがオルトさんと同じなんですが、それは」
ジェイド「あの警戒心の塊のようなイデアさんを手懐けるだなんて……」
フロイド「何か一周回って凄い子なんじゃないかって思えてきた」
カリム「なぁなぁ、他には誰と仲良いんだ?」
ジャミル「おい、やめろ。嫌な予感しかしないから……!」
稚魚「他? 他には、トレイ先輩にケイト先輩にリドルにエース、レオナさんにラギー、ヴィル先輩にルーク先輩、オルト、リリア先輩にシルバーにセベクだな! もちろん、他の奴とも話したりするけど、各寮で関わりが多いのはこのメンツかな」
フロイド「待って???」
アズール「いや、メンツ」
カリム「そっちのジャミルは友達が多いんだな!」
稚魚「リドルとは一緒に勉強会する仲だし、トレイ先輩は副寮長繋がりでよく話すし、一緒にお菓子作ったりする。エースはバスケ部の後輩だし、フロイドと3人で出掛けたりするぞ」
稚魚「レオナさんにはレオナさんの蔵書とか貸してもらったりしてるし、ラギーと一緒に作った夜食食べたりするかな」
稚魚「ヴィル先輩には化粧の練習台にされたり髪のアレンジの練習台にされる。ルーク先輩には罠の仕掛け方とか教えてもらってる。オルトはイデアさんと仲良いから必然的に」
稚魚「ケイト先輩とリリア先輩とシルバーはカリム繋がりで。セベクは入学式の後からちょくちょく話すようになったんだ」
稚魚「あと、監督生とも話したりするかな。監督者の世界のこととか教えてもらったり」
フロイド「そこにオレらも含まれるんでしょ? どんな交友関係だよ」
ジェイド「稚魚さんの世界、とても気になりますね」
稚魚「あれ、稚魚呼びになった……」
ジャミル「稚魚だろ」
アズール「間違いなく」




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