ジャミル・稚魚・バイパー






クルーウェル「バイパー! 何だこのテストは! 何故白紙で出した!」
ジャミル「仕方ないじゃないですか、俺嘘つくの下手だから、わざと間違うのとか上手く出来ないんです」
クルーウェル「間違う必要が無いだろう」
ジャミル「文句ならアジーム家とバイパー家に言ってください。カリムより良い成績取ったら折檻されるんです」
クルーウェル「…………」
ジャミル「あ! なら、先生。実家に送る成績表だけ上手いことカリムより下になるように偽装してください。そうしてくれたらきちんとテスト受けます」
クルーウェル「……上に相談しよう」
ジャミル「学園長ならオッケーしてくれますよ! アジーム家からお金貰ってるんで!」
クルーウェル「バッボーイ!!! あの駄鴉!!!!!」
クルーウェル「バイパー、この件はどうにかしよう。お前はテストに全力で臨みなさい」
ジャミル「はーい! やったぁ!」



一年の時のプールの授業でジェイドたちが人魚に戻ったとき、ジェイドの背中に乗せて貰う。
結果振り落とされる。

ジャミル「あ、待って。滑る滑る滑る! 落ちそう!!」
ジェイド「おやおや。頑張ってください」
ジャミル「うん、頑張る! あ、ごめん、やっぱ無理かもああああああああああああああああああああ!?」
ジェイド「おやおや、落ちてしまいましたね」
ジャミル「人魚に掴まるのは難しいんだな……。でも楽しかった! 乗せてくれてありがとう!」
ジェイド「いえいえ、こちらこそ面白かったですよ」
ジャミル「んん? 何かニュアンスが……?」
ジェイド「何でもありませんよ。また遊びましょうね」
ジャミル「ああ!」
ジェイド「……なるほど、これは確かに“稚魚ちゃん”ですね」
ジャミル「ん?」
ジェイド「ふふ、独り言です。お気になさらず」



大変だ! スカラビアに虫が現れた! 燃やさなきゃ!!!

ジャミル「嫌だああああああああああああ! 虫が居る部屋になんて入りたくない! だからこまめに掃除をしろと言ったんだ! 掃除をサボった奴は大人しく出頭しろ! 俺が焼き尽くしてやる!!!」
カリム「焼き尽くすのは虫だけにしような、ジャミル!! でもサボりは良くないと思うぜ!!!」
寮生1「すいません! 同室の奴が体調不良で、代わりに保健室に薬もらいに行ってたらすっかり忘れてしまいました!!!」
カリム「なら仕方ないな!!」
ジャミル「そういうことなら許す! だが次からは当番を交代して貰うなどの処置を忘れないように!!」
寮生1「はい!!!」
ジャミル「それはそうと虫は燃やす!! さぁ寮生とカリムは後ろに下がっていろ!!!」
カリム「その火力で虫を燃やしたら寮が全焼しかねないから待ってくれ、ジャミル!!!!!」

ジャミル「うぎゃあああああああああああああああ!!! 飛んできた!! しかも俺に向かってくる!? やだやだこっち来るなばか!!!!!」
カリム「ジャミル、落ち着け! とりあえずこっちおいで!」
ジャミル「うええええええええええ! かりむううううううううううううううううううう!!!!!」
カリム「よしよし、怖かったなぁ。とりあえず虫は俺がどうにかするから、ジャミルはみんなと廊下で待っててくれ」
ジャミル「ひぐうぅぅぅぅぅ……。虫はやだ、虫きらい…………」
寮生2「ああ、副寮長。怖かったですね。寮長が退治してくださりますから、一緒に待ってましょうね」
寮生1「すいません、副寮長。俺が掃除を忘れたばっかりに……」
ジャミル「ぐすっ……、君は良い子だから、悪くない……」
寮生1「んぐぅ、ありがとうございます……」



抱っこで降ろして貰った。

フロイド「………………」
ジャミル「………………」
フロイド「稚魚ちゃん、それどういう状況?」
ジャミル「バスケゴールにぶら下がってる」
フロイド「オレが知りたいのは何でそうなってるかって事なんだよなぁ……」
ジャミル「フロイドがダンク決めてるのかっこ良かったから、真似してダンクしたらぶら下がってしまって、降りられなくなった。どうしよう」
フロイド「どうしようじゃねぇよ、普通に降りろよ。その高さなら飛び降りても怪我しねぇから」
ジャミル「………………」
フロイド「……まさか降りられねぇの?」
ジャミル「中途半端に高くて、飛び降りるのが怖い……」
フロイド「もおおおおおおお! これだから稚魚ちゃんは!!!」

ジャミル「ありがとう、フロイド! 怖かったぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
フロイド「何で一人の時にやっちゃうかなぁ、もう! 誰か人が居るときにやって!!!」
ジャミル「だって真似っことか子供みたいで恥ずかしいだろ」
フロイド「降りられなくなる方が恥ずかしいでしょ、普通」
ジャミル「世の中には高所恐怖症というものがあってだな」
フロイド「稚魚ちゃんは違うでしょ。飛行術でとんでもない高さ飛んでるの知ってんだからね」
ジャミル「んむぅ……」
フロイド「かわいい顔しても誤魔化されねぇから。とりあえず一人でダンクするの禁止ね」
ジャミル「ええええええええ!? 俺もダンクしたい!」
フロイド「一人でって言ったでしょ。俺とか、他の奴がいるときは良いよ」
ジャミル「! やった!」



ジャミル「ふふふ、流石俺。料理の味も見た目も完璧だな!」
カリム「おお! 今日も美味そうだな! いつもありがとな、ジャミル!」
ジャミル「当然だ! 俺は優秀だからな!」
カリム「そうだな、ジャミルは凄い奴だ!」
ジャミル「そうだろうそうだろう! もっと褒めろ!」
寮生1(副寮長かわい~! 寮長に褒められてめっちゃ嬉しそう)
寮生2(自慢げなお顔も美しい……)
寮生3(見た目きつめえちえち美人なのに中身幼女とか性癖歪む~~~!)
寮生4(俺らが褒めると真っ赤になって黙っちゃうのもよき……)



アズール「さすがですね、ジャミルさん!」
ジャミル「………………」
アズール「おや? 頬を抑えて、どうしました?」
ジャミル「…………てる……」
アズール「え?」
ジャミル「頬が緩むから、抑えてる……」←顔真っ赤
アズール「(顔を覆って天を仰ぐ)」



エース「ジャミル先輩! さっきのシュート凄かったッスね!」
ジャミル「んぇ?」
フロイド「さっきのスリーポイント~。センターラインからだったじゃん。よく入ったね~」
ジャミル「…………すごかった?」
エース「めっちゃ凄かったッスよ! めっちゃ囲まれてたし!」
フロイド「そーそー。凄かったよ~」
ジャミル「…………そっかぁ。んへへ……」←ふにゃふにゃの笑み
エース「え……なに……? かわ……」
フロイド「……稚魚じゃん。守らなきゃ……」



監督生とハグ。
監督生の性別は「監督生」です。

監督生「あ~~~疲れた! この学園の人、みんな人使い荒すぎ!!!」
ジャミル「お疲れ様だな、監督生」
監督生「ジャミル先輩~~~~~! 癒やしキタコレ~~~!」
ジャミル「いやし?」
監督生「首コテンってするの可愛すぎますありがとうございます。はぁぁぁ存在が癒やし」
ジャミル「よく分からんが、元気出たのか?」
監督生「はい!!!!!」
ジャミル「でも疲れは取れていないんだろ?」
監督生「う゛っ……。で、でもジャミル先輩と一緒に居るだけで癒やされるので全然大丈夫です!!!」
ジャミル「大丈夫じゃないな。どうしたらもっと癒やされる?」
監督生「えっ。じ、じゃあ、お嫌でなければ、ぎゅってさせて貰っても良いですか? 自分の世界ではハグはストレス軽減に効果があると言われているんです!」
ジャミル「いいぞ。ほら、ぎゅーってしような」
監督生「はわわわわ……。めっちゃいいにおい…………」
ジャミル「よしよし、頑張ったなー、監督生。いい子いい子」
監督生「ま、ママァ……」

ジャミル「ハグはストレスに効果がある、か……。そう言えば、何かの本で読んだな……」
ジャミル「…………よし、試してみるか」

フロイド「稚魚ちゃん。ちょっと話があるんだけど」
ジャミル「ん? どうした、フロイド。顔怖いぞ」
フロイド「オレちょっと怒ってるからね」
ラギー「オレもッスよ。場合によってはガチで切れるから」
ジャミル「えっ、ラギーも???」
オルト「僕も話が聞きたいな」
ジャミル「オルトまで!? え、心当たりない……」
カリム「本当にないのか?」
ジャミル「カリム!? えっ、何で? 俺何も悪いことしてない…………」
オルト「最近、ジャミル・バイパーさんが色んな人と抱き合ってるのを目撃している人が後を絶たないんだ」
ラギー「ジャックくんも見たって言ってたッスよ」
フロイド「ジェイドも見たって~」
ジャミル「あ、あれか」
カリム「覚えがあるのか!!?!?」
ジャミル「監督生がハグはストレス軽減に効果があるって教えてくれたんだ。それで、俺の所に悩み相談に来た奴とかにハグしてたんだ。それを見られたんじゃないか?」
フロイド「小エビちゃんは稚魚ちゃんに何を教えてんの!!?!?」
オルト「それで誰彼構わずハグしてたの!?」
カリム「やってることは咎められるようなことじゃないけど、誰とでもハグするのはどうかと思うぜ!!!」
ラギー「そんな子に育てた覚えはないッスよ!!!」
ジャミル「育てられた覚えがない……」

オルト「ジャミル・バイパーさんの考えは素晴らしいと思うよ。けれど、優しさと好意を勘違いしてしまう人もいるって兄さんが言ってたよ。勘違いした人がジャミル・バイパーさんに危害を加えるかもって」
ジャミル「イデアさんが……」
オルト「だから、好意と勘違いされてしまいそうな優しさを振りまいてはいけないよ。ジャミル・バイパーさんが傷付くようなことになったら、僕も兄さんも凄く悲しいから」
ジャミル「分かったよ、オルト。心配してくれてありがとう。イデアさんにもお礼を伝えてくれ」
オルト「分かってくれて嬉しいよ!」



熱でぶっ倒れる。
前世と記憶が混同してしまい、周囲のSAN値を削る。

ジャミル「だって、がんばれって。だからがんばらないと」
ジャミル「がんばらないと、おれいらない子になっちゃう」
カリム「ジャミルはいらない子なんかじゃない!!!」
カリム「と言うか誰だ、そんなこと言った奴!!!」

愛されてなかったわけじゃない。
でも、家族の「疲れた」の声が聞こえるんだ。
だから頑張らないと「頑張れ」の一言すら貰えなくなってしまう。



If~監督生がテンプレ悪女だったら~
愛され稚魚ジャミルVS逆ハー狙い悪女監督生。

監督生「きゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
ジャミル「ひぇっ!?」

フロイド「稚魚ちゃん!!!!!」
ジェイド「ジャミルさん!!!!!」

ジャミル「うわ、びっくりした。誰かと思えばフロイドにジェイドか」

フロイド「何かあった!? 大丈夫!!? 怪我とかしてない!!?!?」
ジェイド「この世のものとは思えない悲鳴が聞こえましたが、ご無事ですか!!?!?」
ジャミル「ああ、うん。俺は大丈夫。でも、監督生が…………」
フロイド「小エビちゃんがどうしたの?」
ジャミル「何か、いきなり服破いて叫び出した」
フロイド「は? 頭おかしくなったの???」
ジェイド「何かに取り憑かれたのでは?」
監督生「違います! ジャミル先輩に襲われたんです!!!」

アズール「ジャミルさん!!!」
イデア「ジャミル氏無事!!?」

ジャミル「あ、アズールにイデアさんだ」
アズール「おぞましい声が聞こえてきたものですから、居ても立っても居られずに駆け付けましたよ、全く。それでお怪我は?」
ジャミル「ないぞ!」
イデア「はぁーーーーー、よかった〜! また何かあったのかと思って心配したでござる。ま、無事で何よりッスわ」
ジャミル「ありがとうございます。でも心配は俺じゃなくて監督生に……」

監督生「アズール先輩! イデア先輩!」
イデア「ヒィッ!? 監督生氏!!?!?」
アズール「おや、監督生さん」
フロイド「何かこいつ、稚魚ちゃんに襲われたとか言ってんだけどー」
ジェイド「ジャミルさんは監督生さんご自身で服を破いて悲鳴をあげたと証言しています」
アズール「…………監督生さん、病院に行きましょう」
イデア「あ、あの、お節介かもしれないけど、腕のいい祓い屋紹介しようか……?」
監督生「どっちも要りません! 私は! ジャミル先輩に襲われたんです!!!」

ラギー「ジャミルくん!!!」
レオナ「おいちび、何があった!!?」

ジャミル「今度はラギーとレオナさんだ」
フロイド「一気に来いよ」
ジェイド「説明が面倒ですねぇ」

カリム「ジャミル!!!!!!!」
「「「副寮長!!! ご無事ですか!!?!?」」」

ジャミル「カリムとスカラビア生まで来ちゃった……」
イデア「愛されてんね、ジャミル氏」

監督生「何で誰も私の心配をしてくれないの!!?!?」

アズール「そう言えば、ここまで誰一人として監督生さんの心配をしていませんね」
カリム「何があったか分からないけど、友達の心配をするのは当然だろ?」
ラギー「監督生くんより、ジャミルくんのが付き合い長いし……」
フロイド「だって稚魚ちゃんだし。ちゃんと見てねぇと海流に流されちゃうじゃん」
ジェイド「ええ、フロイドの言う通りです」
レオナ「このちびを一人にすると何を仕出かすか分からねぇからな」
イデア「ほんとそれ。この子はきちんと見てないと」
ジャミル「うーん、清々しいほどの幼児扱い。俺、そんなに危なっかしいですか?」
「「「めちゃくちゃ危なっかしい」」」

この後監督生は学園長にドナドナされた。




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