複数成り代わり主VS逆行メンバー






フロイドとジャミル

フロイド「おはよう、ジャミル」
ジャミル「ああ、おはよう、フロイド」
フロイド「ねぇねぇ、今から髪セットすんの?」
ジャミル「え? ああ、まぁ……」
フロイド「今日はオレにやらせて?」
ジャミル「えっ」
フロイド「駄目?」
ジャミル「……はぁ、仕方ないな。ふざけたりするなよ?」
フロイド「はぁい」

と言って、後頭部をゆるく編み込まれ、残った髪は頸で一つに結って肩に流す。
後頭部の編み込みに珊瑚やヒトデ、貝殻の髪飾りで装飾される。
色は青と白で統一されていた。
お前髪短いだろ、使わないだろ、俺の髪を飾るために用意したのか? ばかだろ。
色々突っ込みたかったが諦めた。

フロイド「出来たー」
ジャミル「…………凄いな?」
フロイド「でしょー? ジャミル、青とか白も似合うね〜」

スカラビアにいた頃は赤や黒が多かった。
真逆の色。思ったより悪くない。

フロイド「気に入ってくれた?」
ジャミル「……ああ、青もいいな。ありがとう、フロイド」



フロイドとジャミル
内心がうるさいアズールとフロイドが楽しそうで嬉しいジェイド

フロイド「ねぇねぇ、今日はこれ付けたい」
ジャミル「はっ?」
フロイド「飛行術無いし、思いっきり飾っちゃお」
ジャミル「いや、待て。俺は女じゃないし、飾りは要らない」
フロイド「今日はねぇ、ちっさいお星様いっぱい付けて、星空みたいにしてあげるね」
ジャミル「いや、聞けよ」
フロイド「色は白一色にしよー」
ジャミル「はぁ……」

ジェイド「ふふ。振り回されてますねぇ、ジャミルさん」
アズール「……そうですね。(ひぇぇ、フロジャミやばい……。てかフロイドのお星様って言い方かわいすぎか??? ジャミルさんも呆れつつも好きなようにさせてあげてるとか愛しかないな???)」
ジェイド「フロイドが楽しそうで何よりです」
アズール「楽しそうなのは良いですが、ジャミルさんにご迷惑をお掛けしない事が前提ですよ。(お星様で飾られたジャミルさん、控えめに言って女神。フロイドの見立て完璧か? 愛か?  愛だな。最高です、幸せになってください)」
ジェイド「おや、ああして付き合って下さるのですから、嫌がってはいないのでは?」
アズール「ジャミルさんはお優しいですからねぇ。(そうなんだよな〜〜〜! 毎日付き合ってくれてるんだよなぁ、ジャミルさん。聖母か??? はぁぁぁもう、好き!!!!!)」



フロイドとジャミル

フロイド「今日は紫ね。リボンと髪を一緒に編み込んでー、パンジーのバレッタで留めてー、完成〜」
ジャミル「……毎度のことながら、本当に器用だな」
フロイド「オレ、細かい作業は嫌いじゃないよ。あとねぇ、単純に綺麗な髪に触るのが好き」
ジャミル「ふぅん……。所で、何故パンジーなんだ? 紫の花なら、もっと色々ありそうだが」
フロイド「紫のパンジーの花言葉は"思慮深い"なんだって。ジャミルにぴったりじゃん」
ジャミル「へぇ、それはいいな。気に入ったよ、ありがとう、フロイド」
フロイド「んふふ、どういたしましてー」



ケイトを発見したフロイド
ジャミルの元へ

スマホを捨てようとしている無表情のケイトを発見したフロイドがジャミルの元に連れて行く。
ケイト「ちょちょちょ、どこ行くの!? てか、何で俺引っ張られてんの!?」
フロイド「休めるとこー」
ケイト「へっ……? な、何で……?」
フロイド「あんた、オレとおんなじだと思うんだよね。何となくだけど」

フロイド「ジャミルー。死にそうなハナダイくん拾ったー」
ケイト「へっ?」
ジャミル? ジャミルってジャミル・バイパー?
てかこの子、あだ名じゃなくて普通に名前で呼んでる……。
ジャミル「ハナダイくん……? って、ケイト先輩」
フロイド「死にそうな顔してたから連れてきたー」
ジャミル「そうか」
ケイト「一言で済ませちゃう事なんだ?」
ジャミル「フロイドが突拍子もないのはいつもの事なので」
ケイト「そ、そう……」
ジャミル「今、お茶を用意しますから、ゆっくりしていってください」



ケイトとジャミル

ジャミル「ケイト先輩、先輩は甘いのとしょっぱいの、どっちが良いですか?」
ケイト「えっ?」

甘いのは得意じゃないけど、キャラじゃ無いし、と思って甘いのを選択。
ジャミルはしょっぱいのを作る。
甘いのも美味しいけど、しょっぱいの美味しそう。

ジャミル「一口食べてみますか?」
ケイト「えっ? いいの?」
ジャミル「どうぞ」
ケイト「ありがと……。……! うっわ、うっま……」
ジャミル「そんなに気に入りました?」
ケイト「うん、めっちゃ美味しい。俺、これ好き」
ジャミル「なら交換しましょうか」
ケイト「えっ」
ジャミル「俺、食べ始めてからしょっぱいの違うなって思ってて。交換してくださるとありがたいです」
ケイト「……ありがと」
ジャミル「こちらこそ」



フロイドとジャミルとケイト

ケイト「やばい。ここに来ると先輩の威厳が無くなっていく……」
フロイド「威厳なんてあった〜?」
ケイト「………………無かったかもしれない」
フロイド「ならいいじゃん」
ケイト「そだね」
ジャミル「それでいいんですか、ケイト先輩……」
ケイト「いーのいーの。所で今日の髪型可愛いね。これウツボのヘアピン?」
フロイド「そうだよー。タコとか他のやつはすぐ見つかるんだけど、ウツボのやつが全然見つかんなくてウミウマくんとこで探してもらったー」
ジャミル「そこまでして手に入れたのか、これ。初耳なんだが?」
フロイド「言ってねぇもん」
ケイト「あそこホントなんでもあるよねー。あ、写真撮っていい? マジカメにはあげないから」
ジャミル「良いですけど……。俺の写真なんか撮って楽しいですか?」
ケイト「楽しい」
フロイド「分かる」
ジャミル「そうですか……。そして分かるのか、フロイド……」



フロイドとジャミルとケイト

ケイト「ねぇ、これでジャミルちゃんの髪を飾り付けられない? めっちゃ頑張って青と白バージョン見つけたからさ」
フロイド「トランプとトランプの柄の髪飾り? てか、よく見つけたね。ハートの女王の兵士って言えば赤と黒じゃん」
ケイト「うん。サムさんにも協力して貰った」
フロイド「やっぱウミウマくんってすげぇね」
ケイト「それな」
フロイド「うーん、青色綺麗だし、このダイヤはジャミルに似合いそうだから、明日はこれで飾ってあげるね」
ケイト「よっしゃ! ありがとー、フロイドくん」
フロイド「いいよぉ。オレもこれで飾ったジャミル見たいしね」
ジャミル「いや、待て。待ってください。もう鏡台の上が凄いことになってるんですが!?」
ケイト「えー? 今度薔薇モチーフとか探してこようと思ったのに」
フロイド「オレもいいの見つけたのに」
ジャミル「これ以上は勘弁してくれ。本当に、頼むから」



ラギーとジャミル

ラギー「今日も凄いっすねぇ。どうなってんスか、その髪型」
ジャミル「アイロンで軽く巻いて一つに束ねた髪に、花飾りを差し込んでいるらしい」
ラギー「それ、完全に女子の髪型……。いや、怖いくらいに似合ってるッスけど」
ジャミル「そうか?」
ラギー「ホントっすよ。人魚は髪を大事にする文化があるって聞きますけど、ホントなんスねぇ。こんな綺麗にされちゃってまぁ」
ジャミル「文化は分かるんだがな。男の髪にまでそれを当て嵌めなくてもいいだろうに。人魚の感性は分からんな……」
ラギー「……それ、本当に人魚の感性で済ませていいもんなんスかね?」
ジャミル「何か言ったか?」
ラギー「いーえ、何も! 今日も美人さんッスねって言っただけッス!」
ジャミル「そりゃどーも」



フロイドとジャミルとケイト

ケイト「そう言えばジャミルくんって、解雇されて国を追われたんでしょ? それまでどうやって生きてきたの?」
ジャミル「ああ、それですか。パトロンを作って、その人の家に泊めて貰ったりしてました」
ケイト「待って」
フロイド「待って!? あのかわいい子が知らない人の家にお泊まりして何も無かったとか、ちょっと考えられないんだけど!!?!?」
ジャミル「何も無かったよ。きちんと人を選んでいたからな」
フロイド「……ホント?」
ジャミル「ああ」
ケイト「めっちゃ不穏だし、色々と突っ込みたいんだけど、とりあえず……かわいい子って?」
フロイド「稚魚ちゃんだった頃のジャミルのこと。見たら“うわっ、かわいい!“って絶対言うよ」
ケイト「何それめっちゃ見たい」
フロイド「念写出来るよ、オレ」
ケイト「見たい!!!」
フロイド「ちょっと待ってね。……はい、出来た」
ケイト「見せて見せて~。……うわっ、かわいい!」
フロイド「でしょ~!? オレ初めて見たとき女の子かと思ったもん!」
ケイト「いや、これはかわいいわ……。え、ホントに大丈夫だった……?」
ジャミル「ええ、もちろん。何らかの理由でお子さんが居ない人が、親切に拾ってくれたこともありますよ」
ケイト「そっか……。中身は大人だけど、見た目だけなら一人で彷徨ってる子供だもんね」
ジャミル「まぁ、中には少年しか愛せない人、というのもいましたよ。指一本触れさせはしませんでしたけど、自分の家に愛する少年がいる。それが彼らにとってどれだけ得難いことか」
ジャミル「そういった人たちに一時の夢を与える……。その見返りに少しばかりお小遣いを貰っていただけですよ」
フロイド「もしかしてこれが“慈悲”判定されたの? 闇の鏡の判定クソかよ」
ケイト「いや、今のカリムくんとかをスカラビアに入れてる時点でガバガバじゃん」
フロイド「それもそうだわ」
ジャミル「ちなみに、この間寮に食材を送ってくれたのがお子さんの居ない老夫婦で、タオルやらの消耗品を送ってくれたのが少年しか愛せない貴族様だ」
「「そのタオル今すぐ捨てろ!!!!!!!」」



フロイドとジャミル

ジャミル「アズールに“ファンサして”ってうちわ振られたから、ちょっと微笑んでやったらぶっ倒れたんだが」
フロイド「“推し”の過剰摂取ってやつでしょ。そっとしといてあげて」
ジャミル「それと最近“天使”とか“マリア”とか言ってるのを聞くんだが、こいつはヤバい宗教にでもハマったのか?」
フロイド「そう言うんじゃ無いと思うよ……」

フロイド「とりあえず、今回のアズールは頭よわよわの稚魚ちゃんだから、手加減してあげて」
ジャミル「頭よわよわの稚魚ちゃんは『契約書』なんてえげつないユニーク魔法を生み出したりしないだろ」
フロイド「……ジャミルって鈍い子だったんだね」
ジャミル「は?」



フロイドとジャミルとケイト

ケイト「そうだ。二人は卒業したらどうすんの?」
ジャミル「俺は国には帰れないので、また旅に出ようかと思っています。住みやすそうな国が見つかったら、そこに永住するのも良いかもしれません」
フロイド「ならオレと二人旅しようよ! 珊瑚の海も案内したげる!」
ケイト「永住するなら輝石の国がおすすめだよ! どうせならシェアハウスとかどう? 旅をしつつ、疲れたらいつでも帰ってこれるようにさ」
ジャミル「ふふ、良いですね。先輩となら楽しそうだ」
フロイド「え~! オレも混ぜてよ~!」
ケイト「もっちろん! オレ達性格バラバラだから喧嘩とかも多そうだけど」
フロイド「それはそれで飽きなくて良いんじゃない? 刺激のない毎日なんてつまんねーし」
ジャミル「今生も楽しくなりそうだな」




3/3ページ
スキ