致死量は口付け一回分
エース「…………えっ、ふ、フロイド先輩?」
フロイド「あれ、カニちゃん何でそんなでけぇの?」
エース「いやいやいや、あんたが縮んでるんスよ!!!」
フロイド「えー? ホントだ。稚魚になってんじゃん、うける~」
モブ1「いや、笑うところか???」
モブ2「そういや2年のとき、魔法薬の試飲の授業があったな」
エース「えっ、授業で作った魔法薬、飲むんスか」
モブ3「あったなー、そんな授業。どんな効果がいつ出るか分からなくてビクビクしてたわ」
フロイド「あー、そういや一限はそんな授業だったわ」
エース「いや、自分のことでしょ」
ジャミル「遅くなりました。……まだ練習始まってないんですか?」
モブ2「おー、バイパー」
モブ3「実はリーチが今日の授業で飲んだ魔法薬の効果が今出たところでな。練習どころじゃないかったんだ」
ジャミル「魔法薬……? ああ、試飲の授業ですね。俺のクラスも来週あります」
モブ1「んで、幼児化しちゃったんだよなー」
ジャミル「え? 幼児化?」
エース「これッス」
ジャミル「…………これ、中身はどうなってるんだ? まさか精神まで幼くなっているなんて事はないよな?」
エース「まさかぁ。中身は…………」
フロイド「きゅうん!」
ジャミル「えっ」
エース「えっ」
フロイド「ここどこー?」
ジャミル「…………お、幼くなっている、のか?」
モブ1「いやいやさっきまで――――――」
フロイド「きゅう……(訳:黙ってろや)」
ジャミル「どうした?」
モブ1「ナンデモナイデス」
ジャミル「と、とにかく、水を与えてやらないとな。俺のことは分かるか?」
フロイド「だれー?」
ジャミル「分からないよな……。抱っこしてもいいか? 水をあげる」
フロイド「んふふ、だっこすきだよー。だっこして?」
ジャミル「おいで。しっかり掴まってるんだぞ?」
フロイド「はぁい」
エース「フロイド先輩ェ……」
モブ2「“オレはこどもです“って顔してやがる……」
モブ1「バイパーに抱っこしてもらえることを計算して……? 好きな子の前では指定暴力団も形無しか???」
モブ3「所詮は17歳。下心には勝てんよ……」
エース「まぁ、好きな子に甘やかして貰えるようなビッグチャンスを逃すなんて出来ませんよね」
モブ2「そういや来週はバイパーのクラスが飲むんだっけ……」
モブ3「良くあるのは幼児化と女体化かな」
エース「ぜひ女体化でお願いしたいッスね」
モブ1「それな」
おまけ
ジャミル「え、ま、足が……」
モブ1「予想と違った」
モブ2「意表を突いて獣人化とかそこら辺かと思ってた」
エース「まさかの人魚化」
フロイド「 」
モブ3「リーチ大丈夫か、これ? ぴくりとも動かないんだが」
モブ2「うわ、すげぇ顔」
エース「人が恋に落ちる瞬間の顔ですね」
モブ1「もうすでに落ちてる相手に二度目の恋?」
モブ3「ロマンチックだな」
エース「やっぱ人魚だから人魚がストライクゾーンなんすかね」
ジャミル「いや、あの、俺のこと放置しないで貰えます???」
モブ3「あ、すまん」
フロイド「ウミヘビくん! 水のあるとこ行こ!! オレが連れてってあげるから!!」
ジャミル「いや、ホウキ持ってきてくれればそれで――――。ちょ、おい!?」
エース「あーあ、連れ去られちゃった」
モブ2「あれ多分、俺らに見られたくないって言うのと、抱っこしたかっただけだよな」
モブ3「それな。さりげなくお姫様抱っこだった」
エース「自分のテリトリーに連れ込みたかったって言うのもありそうっすけどね。あっちってオクタヴィネルでしょ?」
モブ1「あー……」
モブ2「スカラビアと全面戦争にならないことを祈ろう」
この後、今のジャミルを誰にも見せたくないフロイドVSジャミルのお世話したいカリムのガチバトルが展開された。