ジャミル・稚魚・バイパー 3
フロイド「稚魚ちゃんが行方不明!!?!?」
エース「どういうことッスか、カリム先輩!!?」
カリム「いつもジャミルと一緒に部活に行くんだけど、今日はいつまで経っても教室に来なくて………。その上、いくら電話しても出ないんだ! C組の奴にも連絡したんだけど、ジャミルはとっくに教室を出たって………!」
フロイド「それでオレらのとこに来たの? 部活にも来てねぇよ?」
カリム「寮で何かあってそっちに向かったのかと思って寮生にも聞いてみたんだけど、寮生達も心当たりはないって言うんだ。それで、ジャミルが行きそうな所を探して回ってるんだけど………」
エース「誰もジャミル先輩の行方を知らないし、どこにもいない、と」
カリム「そうなんだ! こんなこと、オレの代わりにジャミルが誘拐されたときか変態に襲われかけた時以来で………」
エース「待って」
フロイド「サラッと闇をぶち込むのやめない? っていうか、聞き捨てならない言葉が聞こえてきたんだけど???」
カリム「ほら、ジャミルって見た目は美人だけど、中身はかわいいっていうか、ギャップがあるだろ? それで“本当のジャミルを知っているのはオレだけ”とか“オレが守ってあげなくちゃ”とか、変な勘違いする奴が一定数いるんだ」
エース「い、いる~! そういう奴いる~!」
フロイド「やべぇ……。その現場を見たことないはずなのに、すっげぇ目に浮かぶ………」
エース「え、もしかして、ジャミル先輩の行方が分からないのって………」
フロイド「NRCが治安最悪なのは分かってたけど、そこまで落ちてるとは思わないじゃん???」
カリム「………いや、ジャミルって、出掛け先でも変な奴を引っ掛けるときがあってさ。昔、“この子は私の子よ”って泣き叫ぶ女の人に誘拐されそうになった事があるんだ。何でも、ジャミルを一目見て“この子を産みたい。いや、私が産んだんだ”って思い込んだらしい。だから、誰が犯人なのか、特定が難しいんだ……」
フロイド「外部犯の可能性もあるってことぉ………?」
エース「スカラビアって平和に過ごせないんですか???」
フロイド「とりあえずアズールに連絡するわ。同じクラスだし、何か知ってるかも」
エース「オレも寮長に連絡してみます」
カリム「すまん、頼む! ジャミルと入れ違いになってる可能性もあるし、オレは軽音部に行ってみる!」
アズール「は? ジャミルさんが行方不明???」
イデア「え、どういうこと?」
フロイド『ラッコちゃんが稚魚ちゃんの迎えがないって色んな奴に連絡したんだけど、誰も稚魚ちゃんの行方を知らないんだよね。アズールも知らねぇ?』
アズール「いえ、僕も教室で別れたきりです。確かにカリムさんのクラスに向かうのを見ました」
イデア「マ? 教室から教室に向かう僅かな間に行方が分からなくなるとかあり得る???」
フロイド『オレも信じらんねぇけどぉ、それが起こったみたいだから、こうして連絡してんの。何か、外部犯の可能性もあるみたい』
アズール「は?????」
フロイド『何か、稚魚ちゃんって変態ホイホイらしくて、出先で変態をホイホイしちゃったこともあるらしいよ。まだそうと決まった訳じゃねぇみたいだけど、稚魚ちゃんと連絡付かない時って、そういうのに巻き込まれてることが多いみたい』
アズール「は???????」
イデア「アズール氏、さっきから“は?”しか言ってないんだが? とりあえず、拙者は学園内の防犯システムハッキングするんで、フロイド氏は防犯システムの死角を当たってくだされ」
フロイド『おっけ~。てかホタルイカ先輩、めっちゃやる気じゃん』
イデア「変態に誘拐された可能性のあるちびちゃんを放置しておくほど終わってないんで。いまマップ送ったから、マーキングしてあるとこの探索よろ」
フロイド『さっすがホタルイカ先輩。まっかせて~』
リドル「ジャミルが行方不明だって!!?!?」
トレイ「一体何があったんだ?」
エース『何があったのか誰も分からないから問題なんスよ! ジャミル先輩って授業が終わったらカリム先輩を迎えに行くらしいんスけど、カリム先輩曰く、いくら待っても迎えに来ないし、電話も繋がらないって言ってて………!』
リドル「あのジャミルが………? 彼は確かに少し幼いところはあるけれど、基本的にはしっかりしているし、責任感を持った優秀な生徒だ。自分の仕事を放棄したりはしないはずだよ」
トレイ「何かに巻き込まれた可能性は?」
エース『カリム先輩が言うには、ジャミル先輩と連絡が付かないときは変な勘違い野郎とかに絡まれてることが多いらしくて………。今回もそれなんじゃないかって………』
トレイ「変な勘違い野郎?」
リドル「それは一体どんな相手なんだい?」
エース『“オレが守ってあげないと”って迷惑な勘違い野郎とか、“この子は私の子!”って妄想拗らせたヤバい人に誘拐されかけたことがあるらしいです』
リドル「ゆ、誘拐!!?!?」
トレイ「なんでそんなヤバい相手ばかり………」
エース『もう、そういう星の下に生まれたとしか………。とにかく! オレは他の奴にもジャミル先輩を見てないか聞いて回るんで、寮長達も何か分かったら報せてください!』
トレイ「分かった。オレもルーク達に声をかけよう」
リドル「僕も馬術部に声をかけてみよう。シルバーやセベクなら学園内の巡回を行っているし、何か変わったことがなかったか聞いてみるよ」
エース『あざす! オレも一年に声かけてみます!!』
カリム「ジャミル!!!」
ケイト「おわぁ!? カリムくん!?」
リリア「どうしたんじゃ、カリム。そんなに慌てて」
カリム「なぁ、ジャミル来てないか!? ジャミルと連絡が取れなくて………!」
ケイト「いや、見てないなぁ」
リリア「わしも見ておらんな。電話はしてみたのか?」
カリム「ああ。でも、何回かけても繋がらなくて。寮生やフロイド達にも聞いてみたんだけど、誰もジャミルを見てないって言うんだ」
ケイト「ジャミルちゃんがカリムくんを放置ってあり得なくない? しかも連絡繋がらないってヤバいんじゃ……?」
カリム「そうなんだ! ジャミルと連絡が付かない時って、大体ジャミルが危ない目に遭ってるときで……。前に連絡が付かなかったときは、ジャミルのストーカーに監禁されそうになってた時なんだ………!」
ケイト「予想以上にヤバいじゃん!!!」
リリア「何という事じゃ………! 幼子に何かあってからでは遅い。わしも手伝おう!」
ケイト「オレくん達も協力するよ! ジャミルちゃんには差し入れとかよく貰ってるし、こういうときにお礼しないとね!」
カリム「ありがとう、二人とも!!」
フロイド「ああ、くそっ! 全然見つかんねぇ!!!」
ジェイド「おや、フロイド。今日は部活に行くと言っていたのでは?」
フロイド「ジェイド! 丁度いいところに! 稚魚ちゃん見なかった!?」
ジェイド「おや、ジャミルさんがどうかしたのですか?」
フロイド「稚魚ちゃんが見つかんねぇの! ラッコちゃんとかホタルイカ先輩とかも探してんだけど、どこにもいねぇんだよ!!」
ジェイド「………おやおや。カリムさんはともかく、イデアさんの捜索網に引っかからないとは」
フロイド「監視カメラの死角をオレが担当してんだけど、全然見つかんねぇの! あ゛~~~もう! 稚魚が一匹でふらふらしてんなよなぁ!!!」
ジェイド「何か人為的なものが絡んでいる可能性は?」
フロイド「ラッコちゃん曰く、誘拐とか変態に襲われてる可能性があるって!!」
ジェイド「…………なるほど?」
フロイド「見つけたら巣穴に連れ帰んねぇと……! 一匹にしたらぜってぇ死ぬ………!」
ジェイド「僕も賛成です。あの子を野放しにしていてはあっという間に食べられてしまう。僕たちが面倒を見てあげないと……」
フロイド「ジェイドならそういうと思ってたぁ♡ さっさと見つけてぇ、横取りされねぇように囲っちゃおっかぁ♡」
ジェイド「ふふ、では一番初めに見つけないといけませんね。僕は外部犯を想定して、逃走ルートになりそうな場所を探してみます」
フロイド「オッケー、ジェイド。また後でね」
ジェイド「ええ、また後で」
セベク「ジャミル先輩が行方不明!!?!?」
シルバー「穏やかじゃないな。一体何があったんだ?」
リドル「実は、カリムの迎えに現れるはずのジャミルがいつまで経っても現れないという話だ。連絡も取れないと言うことで、エースを通して僕にも話が回ってきたんだ。君達は学園の巡回をしているだろう? 最近、何か変わったことはなかったかい?」
シルバー「いや、特に変わったことはなかったと思うが………」
セベク「僕も変わったことはなかったかと思います! しかし、何故そのようなことを?」
リドル「実は、ジャミルは不審者に目を付けられやすいらしくて、幼い頃には誘拐未遂にも遭っているようなんだ。今回もその可能性がゼロじゃないらしい」
シルバー「何だって?」
セベク「それはつまり、不審者によってジャミル先輩が浚われたと言うことか………?」
リドル「あくまで可能性だけどね。主人であるカリムの背景を考えると、ジャミルを人質にすることだって考えられる」
セベク「ジャミル先輩は幼さの目立つ人だが、従者として尊敬できる先輩だ! ジャミル先輩の危機とあらば僕も協力しよう!!!!!」
シルバー「オレも協力しよう。ジャミルは大切な友人だ。それに、ジャミルはマレウス様も気に入っている。ツノを褒められたと大変喜んでおられた。ジャミルの身に何かあれば、マレウス様も悲しまれよう」
リドル「学園内を熟知している君達が手伝ってくれるなら心強いね」
セベク「任せてください! 僕が必ずジャミル先輩を見つけ出して見せよう!!!」
ルーク「ムシュー・アンジェロが行方不明だって? それは本当かい?」
トレイ「ああ。カリムからうちの寮生に話が回ってきてな。どうやらジャミルは不審者に好かれやすいらしくて、誘拐されそうになったこともあるらしい。それで酷く心配しているようだから、ジャミルを見掛けたという奴を探しているんだ」
ルーク「ああ、何と言うことだ………! 彼の愛らしさを独り占めしたくなる気持ちは理解できるけれど、あの花のような笑みを曇らせるようなことをする輩がいるなんて………!」
トレイ「まだ本当に誘拐されたと決まったわけじゃないぞ?」
ルーク「分かっているとも。しかし、彼の周囲に目を向けてみたまえ。彼の幼気さを愛し、守らんとする騎士たちを!」
トレイ「……ああ、確かにカリムや寮生たちに囲まれているイメージがあるな。リドルやほかの2年生たちとも仲がよさそうだし、一人でいる印象はないな」
ルーク「ふふ、彼はとても魅力的だからね。けれど、そんな微笑ましい光景を疎ましく見つめる視線の多さに気付いているかな?」
トレイ「……それは、」
ルーク「彼に触れたくてたまらないと唇を噛み締める者。魅力的でたくさんの騎士達に愛されるムシュー・アンジェロを妬む者。彼を害そうとする者は、存外多いのさ」
トレイ「………ジャミル自身が隠れているだけ、と言う可能性は?」
ルーク「幼気な言動から誤解されがちだけれど、ムシュー・アンジェロはとても優秀な魔法士だ。隠れようと思えば私たちの目を搔い潜って一人になることも可能だろう。けれど、彼にそんなことをする必要性はない。そもそも仕事を投げ出すような無責任なことはしない子だ。それは君も理解していることだろう?」
トレイ「………ああ、知っているよ。つまり、自分の意志で身を隠している可能性は限りなく低いって事か………」
ルーク「黄金の君に連絡一つ寄越さないのは彼の立場上、どう考えても可笑しい。例え誘拐でなくとも、意図しないことに巻き込まれた可能性が高いだろうね。………ああ、ムシュー・アンジェロが心配だ! こうしては居られない、私は学園を出入りした者の痕跡を探そう」
トレイ「分かった。俺は万が一の可能性を考えて先生達に報告しておこう」
ルーク「それがいいだろうね。では失礼するよ」
トレイ「そっちは頼むぞ!」
ルーク「ウィ! 任せてくれたまえ!」
オルト「フロイド・リーチさん、ジェイド・リーチさん! ジャミル・バイパーさんの捜索のお手伝いに来たよ!」
ジェイド「おや、オルトくん。助かります」
フロイド「やっほー、クリオネちゃん。クリオネちゃんなら空からも探せるし、頼もしいね」
オルト「任せて! ジャミル・バイパーさんは兄さんのお友達だし、僕とも仲良くしてくれるから、絶対に見つけたいんだ!」
フロイド「ラッコちゃんも色んな奴に声かけてみたいだし、こんだけ居たら流石に見つかるよねぇ」
ジェイド「ええ、そうですね。むしろこれだけ居て見つからないのなら、学園内には居ないと言うことでしょう。そうなれば、本格的に事件に巻き込まれたという線を疑わねばなりません」
オルト「まだそうと決まった訳じゃないけど、危ない目に遭っていないと良いなぁ」
フロイド「稚魚ちゃんは虫にびびって泣いちゃうくらい弱々だから、早く見つけてあげないとねぇ」
オルト「うん、そうだね! 僕は上空から学園全体を順番にスキャンしてみるね! スキャンできないところとか、怪しいなって思った場所を順次報告するから、二人はそこを捜してくれる?」
フロイド「オッケー、任せて」
ジェイド「畏まりました、お任せください」
エース「デュース! グリム! 監督生!」
監督生「エース?」
デュース「どうしたんだ? そんなに慌てて………」
グリム「ふな? 今日は部活じゃなかったんだゾ?」
エース「ジャミル先輩が居なくなったんだよ!!!」
デュース「は?」
グリム「ふな? ジャミルが?」
監督生「エース、詳しく聞かせて」
エース「え、あ、ああ……。実は、カリム先輩からいつもならジャミル先輩の迎えが来るのになかなか来ないから心配になって連絡したんだけど、いくら電話しても繋がらないって。ジャミル先輩を見てないかってバスケ部まで探しに来たんだよ。でも部活には来てなかったし、オレらも電話してみたんだけど、繋がらなくてさぁ……」
グリム「カリムの世話が面倒になって逃げたんじゃねぇか? あいつ、いつも忙しそうなんだゾ」
監督生「グリムじゃないんだから……」
デュース「確かに心配だが……。ちょっと連絡が取れないくらいで大袈裟すぎないか?」
エース「いや、まぁ、オレもそう思ったんだけどさ……。あの人もなかなかトラブルメーカーじゃん? しかも、こんな風に連絡が取れないときは、大体変態に襲われてるか誘拐されたときだってカリム先輩が言うからさ……」
監督生「何その嫌すぎる二択」
デュース「いや、でも、何故だか目に浮かぶな……?」
グリム「あいつならあり得るんだゾ……」
「「「………………」」」
監督生「さ、探せぇ! 学園中をくまなく! 草の根を分けてでも!!!」
デュース「いや、学外も探すべきじゃないか!? ちょっとイグニハイドに行ってマジカルホイールを借りてくる!!」
監督生「なら、獣人にも声を掛けよう。彼らなら匂いを辿ることも出来るだろうし。自分はマジフト部に行ってくるよ!」
グリム「マジフト部ならエペルもいるんだゾ! あいつなら手伝ってくれんじゃねぇか?」
デュース「確かにエペルなら手伝ってくれそうだな。よし、僕はイグニハイドに行く前にジャックに声を掛けてくる!」
エース「オッケー。オレはバスケ部に戻って、ジャミル先輩の捜索に向かうから、ちょっとでも情報が入ったら連絡しろよ!」
レオナ「あぁ? あのちびが行方不明だぁ?」
エペル「ジャミルサンが?」
グリム「そうなんだゾ! 変態に襲われてるかもしれないって、みんなで探してるんだゾ!」
ラギー「は? どういうことッスか???」
監督生「ラギー先輩、瞳孔開いてて怖いです」
グリム「どうもこうもないんだゾ! カリムの奴が、ジャミルと連絡取れないときは大体そう言う奴に絡まれてるときだって探し回ってんだ。全く、世話の焼ける奴なんだゾ」
監督生「ほら、あの人、結構トラブルを引き寄せやすいじゃないですか。それに付随して、変な人ホイホイでもあるみたいで……」
レオナ「ああ………」
ラギー「そういや校外学習とか行ったとき、変な輩に絡まれてたッスね……」
エペル「変な輩……?」
ラギー「オナってるとこ見てくれって、路地裏に引きずり込まれそうになったんスよ。そんときはオレとジェイドくんが近くに居たから、オレらで対処したから問題なかったッスけど」
監督生「ひぇっ」
エペル「き、きっっっもちわる!!!」
グリム「オナって何だゾ?」
監督生「知らなくて良いことだよ、グリム」
ラギー「オレ、ちょっと探して来ます。ジャミルくんの変態吸引率、マジでやばいんで」
レオナ「…………チッ、仕方ねぇな」
ラギー「レオナさんも手伝ってくださいよ! 片目売ってくれとか、足を売ってくれとか言い出すヤバい奴も集めちゃうんで、下手すりゃ心身欠損状態で見つかる可能性もあるッスよ!!!」
レオナ「あいつは傾国か何かかよ」
グリム「予想以上にやべぇ奴ホイホイだったんだぞ……」
エペル「ぼ、僕も手伝うから、変態に何かされる前に見つけよう!」
監督生「うん、ありがとう、エペル!」
デュース「ジャック―――――!!!」
ジャック「デュース?」
ヴィル「そんなに慌ててどうしたのよ」
デュース「し、シェーンハイト先輩!? どうしてここに?」
ヴィル「今日は映画研究会はお休み。アタシは日課のジョギングをしていたの」
ジャック「俺は自主トレ中だ。その途中でヴィルさんと鉢合わせてな。それより、なんか用があるんじゃないのか?」
デュース「あ、ああ、そうだった! バイパー先輩を見なかったか!?」
ジャック「ジャミル先輩? 見てねぇが……」
ヴィル「アタシも見てないわね。ジャミルがどうかしたの?」
デュース「じ、実はバイパー先輩が行方不明なんです! みんなで探しても見つからないらしくて、それで人手を増やそうと思って……」
ヴィル「はぁ? ジャミルが?」
ジャック「学園内でか? 何だってそんなことに……」
デュース「く、詳しいことは分からないんだが、アジーム先輩が連絡取れないって探してるって。それで、連絡取れないときは大抵変質者に襲われてるときだっていう話で……!」
ジャック「変質者!? 学園内でか!?」
ヴィル「…………有り得るわね」
ジャック「あるんスか!?」
ヴィル「去年の話なんだけど、街中でジャミルを見かけて一目惚れしたという男性が、ジャミルを追いかけてNRCに不法侵入しようとしたことがあるの。何でも、ジャミルの見た目が理想そのもので、標本かホルマリン漬けにして一生愛でたかったんですって」
デュース「ひぇっ」
ジャック「なんでそんな危ねぇ奴にピンポイントで見つかっちまうんだ、ジャミル先輩は……」
ヴィル「世の中には色んな人間がいるのよ。そういうことなら放っておけない。私も捜索に協力するわ」
デュース「ありがとうございます!」
ジャック「…………しょうがねぇ。乗りかかった船だ。俺も協力する」
デュース「ジャックもありがとう! 僕はイグニハイドに行ってから捜索に加わるから、先に探しててくれ!」
ジャック「おう!」
マレウス「人の子」
監督生「ツノ太郎!」
マレウス「何やら学園内が騒がしいようだが、何かあったのか?」
グリム「ジャミルの奴が居なくなっちまったんだゾ! ツノ太郎も何か知らねぇか?」
マレウス「……何? あの幼子が?」
監督生「うん、みんなで探してるんだけど、まだ見つからないんだ。ツノ太郎、心当たりはない?」
マレウス「………いや、思い付かないな。しかし、学園内で迷子とは……」
監督生「迷子ならいいんだけど、不審者に連れ去られたとかだったらどうしようって、みんな不安なんだ」
グリム「ツノ太郎も暇なら手伝うんだゾ!」
マレウス「……そうだな。僕も協力しよう。見つけたらすぐにでも加護を与えなければな」
監督生「そ、それは本人の意思を確認してからにしようね……」