ジャミルが大蛇(蛇神)に好かれてる話
蛇神憑きなジャミル
ジャミルが蛇神憑き。
蛇神憑きによく見られる精神的な問題は無い。
しかし、見る人が見ると身体の一部が鱗に覆われているように見える。
ツイステッドワンダーランドでも、一部の地域では水神や龍神としても祀られているような存在。
水の気配が強く、龍の気配もする。
日本で言うところの大地母神の象徴と結び付けられるような存在。
人魚は濃厚な水の気配を感じる。海ではなく淡水系の気配。
獣人は巨大なものの気配を感じる。手を出してはいけないと本能で察している。
妖精族も同じく。
たまに人間族にも、その存在を認識できる存在はいる。
NRCで特に敏感なのがイデアとフロイドとデュース。
イデアはごく希に龍神の影が重なって見えるときがある。フロイドとデュースは鱗が見えるタイプ。
マレウスとリリアも当然のように見えているし、何ならジャミルの行く末まで知っていそうな雰囲気。
蛇神に憑かれたのは、昔カリムと一緒に誘拐されて、ジャミルだけ川に捨てられたとき。
溺死しそうになったときに全貌も分からないような大蛇に助けられた。
ジャミルにその自覚は無いが、その蛇に見初められてしまっている。
★
フロイド「ウミヘビくんってさぁ、人魚の血って入ってる?」
ジャミル「は?」
フロイド「なんかねぇ、水の気配がすんの」
ジャミル「水の気配?」
フロイド「うん。でも、海じゃなくって、川とか湖みたいな感じ」
ジャミル「川……?」
何となく心当たりがある。
ジャミル「もしかしたら、あのときの影響か……?」
フロイド「あのとき?」
ジャミル「ああ。昔、カリムと一緒に誘拐されたことがあるんだが、途中で川に捨てられて溺死しそうになったことがあるんだ」
フロイド「熱砂っていちいち闇を挟まなきゃ会話も出来ないの?」
ジャミル「アジーム家だけな。で、そのときに、とんでもなく大きな蛇が助けてくれたんだ」
フロイド「蛇?」
ジャミル「そう。全貌が掴めないほどに大きな蛇だよ」
フロイド「…………ふぅん」
ジャミル「……意外だな。嘘つき呼ばわりされると思っていたんだが」
フロイド「言わねぇよ。だって、そうじゃなきゃ説明がつかねぇもん」
ジャミル「何のだ?」
フロイド「その手足の鱗」
ジャミル「…………鱗?」
フロイド「海じゃ見かけねぇから川の奴かなって思ってたけど、蛇なら見たことねぇのも納得だわ」
ジャミル「は? 普通の手足だが? 君、一体何が見えているんだ?」
フロイド「やべぇ奴に好かれちゃった、可哀想な子の手足」
ジャミル「…………はぁ?」
フロイド「ま、ウミヘビくんに害はなさそうだし、大丈夫じゃね?」
ジャミル「ものすごく気になるんだが???」
*
デュース「バイパー先輩って、もしかして人魚ですか!?」
ジャミル「…………は?」
エース「何言ってんの、デュース? てか、何で突然そんなこと思ったわけ?」
デュース「だって、鱗があるじゃないか」
エース「はぁ?」
ジャミル「………………君も、見えるのか」
エース「え? ジャミル先輩? 何言っちゃってんの?」
ジャミル「たまに居るんだ。俺の手足に鱗が生えているように見える人が。しかも、信憑性が高い人に限って、だ」
エース「デュース以外にも居るんすか?」
ジャミル「イデア先輩とフロイド。マレウス先輩にリリア先輩だよ」
エース「うっわ………」
ジャミル「そもそも、デュースは嘘を付けないタイプだろう」
エース「あー………」
ジャミル「で、デュースの質問の答えだが、俺は人魚じゃないよ。これは蛇の鱗だ」
デュース「蛇! かっこいいッスね!」
ジャミル「ありがとう。………ま、良いものではないがな」
デュース「え?」
ジャミル「何でもないさ。それより、監督生はいいのか?」
エース「あ、やべ! 忘れてた!」
デュース「すいません、バイパー先輩! 失礼します!」
ジャミル「ああ。慌てて転ぶなよ」
「「転びません!!!」」
*
(年々、水の気配がするという者や、俺の手足に鱗が増えているような気がするな……)
(神に好かれた人間の末路なんて、どれもこれも呆気なくて悲惨なものだ)
(俺は、一体どんな“終わり”を迎えるんだろう………)