成り代わりジャミルはドラコニア姓を名乗る
おまけ
「ジャミル! 色々と言いたいことが山ほどあるのだけれど、王族である以上、事情があることは察するけれどね。あんなにあっさりとバラすのなら、と、友達である僕にくらい言ってくれてもよかったと思うのだけれど!? 返答次第では首を刎ねてしまうよ!」
「すまない、リドル。君にはもっと早く言いたかったんだが、俺に勇気が無くて言えなかったんだ」
「………? どういう意味だい?」
「ほら、俺と兄さんって似てないだろう? どう見ても、血の繋がりがあるとは思えないくらいに」
「………っ!」
「あまり重く考えないで欲しいんだが、俺は養子なんだ。だからドラコニア姓を名乗っているけれど、王位継承権はないし、何の権限も持っていない」
「う、うん………」
「でも、そんな事情を知らない人は俺を利用しようとしてくるし、そもそも俺をドラコニア家の養子だなんて信じない人もいる。別に、利用しようとしてくるのは構わないんだ。どうとでも対処できるから。でも、俺が兄さんの弟であることを信じて貰えなかったり、否定されるのが辛くて、言い出しにくかったんだ。黙ってて悪かったな」
「………………僕はさっきの頭を撫でるやり取りで、君がマレウス先輩の弟だと分かったんだよ」
「!」
「二人の様子が先輩と後輩ではなくて、兄と弟の情景だと、そう感じられたから」
「リドル………」
「君達のことを否定するような輩は、ただ見る目がないだけだよ。見る人が見れば、君達は兄弟にしか見えない。だから、そんな輩の言葉に耳を傾けるのはお止め。君達に血の繋がりはなくとも、確かなもので繋がった兄弟なのだから」
「………ありがとう、リドル」
「お礼を言われるようなことではないよ。でも、この僕を見る目のない輩と同列視したことだけは許せないね」
「!」
「だから、その……ば、罰として、次の『何でもない日のパーティ』に出席すること! 来なければ………お分かりだね?」
「………それで許してくれるなら安いものだな。是非参加させて欲しい」
「も、もちろんだよ。楽しみにしていてね」
「ああ。楽しみにしているよ」