前世あり成り代わり






探索者:いや~、拙者以外にも転生者がいるとは思いませんでしたわ
探索者:光属性に黒ギャルに陰キャの転生者って、属性盛りすぎでは?

ハンター:ふふ、同士に出会えて私は嬉しいよ

魔術師:俺も嬉しいです
魔術師:えっと、イデア先輩にルーク先輩、でよろしいんですよね?

探索者:そ、僕はイデア・シュラウド
探索者:イグニハイド寮2年ね
探索者:あ、ネット弁慶なんで、リアルオフ会は勘弁して欲しいでござる………

ハンター:私はルーク・ハント
ハンター:ポムフィオーレ寮所属の2年生さ

魔術師:俺はスカラビア寮所属、ジャミル・バイパーです
魔術師:よろしくお願いします
魔術師:ところで、お二人はどのような世界から転生してきたんですか?

探索者:あー………
探索者:クトゥルフ神話って知ってる?

ハンター:は

魔術師:え

探索者:その反応で察した
探索者:邪神降臨系のシナリオでね、世界ごと消滅したよね

魔術師:したよね、じゃないんですが?

ハンター:ああ、自室の君………!

探索者:ま、シナリオを知ったのは転生してからなんだけどね
探索者:不定の狂気に陥ってたし

ハンター:自室の君!!?!?

魔術師:あの、さっきから落とされる情報が無視できないものばかりなんですが?

探索者:あー、うん
探索者:まぁ、前世のことだし
探索者:不定の狂気に陥っちゃったことの弊害か、あんまり覚えてないし

ハンター:自室の君………!!!!!

探索者:さっきからルーク氏が「自室の君」しか言ってないの草

魔術師:不定の狂気にそんな効果ありましたか?

探索者:あったみたいだね

魔術師:そうですか

探索者:拙者のことは良いんで、次行こ、次
探索者:ルーク氏、次お願いできる?

ハンター:ああ、勿論だとも
ハンター:私はH×Hのハンターだったよ
ハンター:一応プロハンターで、念能力も持っていたよ
ハンター:ちなみにポックルみたいに弓に効果を付与するタイプのものさ
ハンター:今世で使えないのが残念でならないよ

探索者:君の前世もなかなかだね
探索者:H×Hって割と地獄じゃん
探索者:てか、ハンター試験合格したの? マジで? やば………

魔術師:あんな過酷な試験をクリアしたんですか………
魔術師:今世はちゃんと人間ですか?

ハンター:前世も今世も人間さ
ハンター:確かに、あちらの世界は身体能力が人の枠を超えている者が多かったけれど

探索者:今世も念能力使えるでしょ、“発“が使えないだけで
探索者:“絶”でも使わない限り、獣人の背後なんて取れないでしょ

ハンター:おや、バレてしまったか
ハンター:その通り、念能力の基礎は使えるよ

魔術師:ずるくないですか?
魔術師:俺、前世の能力使えないんですけど

探索者:拙者なんて一般人だったんですが???
探索者:為す術も無く消滅エンドだったんですが?????

ハンター:とは言っても、私は主人公のような実力があったとは言えないよ
ハンター:キメラアントに捕獲されてしまう程度さ

魔術師:は

探索者:は?
探索者:待って
探索者:キメラアントに捕獲って、

ハンター:そうだね
ハンター:女王の餌にされてしまって、私もキメラアントとして彼女の歩兵になってしまったのさ
ハンター:キメラアントになってからも自我があったから、討伐に来たハンターに殺して貰ったよ

魔術師:つまり、二度死んだって事ですか………?

ハンター:ウィ

探索者:ウィ、じゃねぇんだが!!???
探索者:何なの? H×H世界は地獄か???
探索者:モブにも厳しすぎない?????

ハンター:確かにあの時の恐怖は圧倒的だったよ
ハンター:しかし、あくまで前世のことだ
ハンター:今世と混同するつもりはないさ
ハンター:それより、私はジャミルくんの前世が気になるね
ハンター:魔術師、と名乗っていると言うことは、魔術が使えたのかい?

魔術師:俺をダシに話を逸らさないで欲しいんですが
魔術師:ええ、はい、そうです
魔術師:俺はFateシリーズの魔術師でした

探索者:ひ

ハンター:おあ

魔術師:アサシンのマスターとして聖杯戦争にも参加しましたよ

探索者:型月はアカン
探索者:っていうか、種類の違う地獄が揃っててヤバいんだが???

魔術師:同じ系統の地獄だと思いますが

探索者:嘘でしょ?
探索者:何系統に分類されるの、この多種多様の地獄が

魔術師:絶望

探索者:おぁ

ハンター:君の過去に何があったんだい………?

魔術師:俺も魔術素養に嫉妬した両親による虐待ですかね

ハンター:おぅ

探索者:地獄じゃん!!!!!!!
探索者:っていうか親が実の子に嫉妬する程の魔術素養って何!!?!?

魔術師:虚数魔術の素養です
魔術師:バーチャル空間を通して精神干渉が行えたんです
魔術師:バーチャル空間の深層に潜ること、または精神干渉で深層に潜ることで根源への到達の可能性がありました
魔術師:けれど、両親には可能性すらないほどに才能が無くて
魔術師:家族に精神をぶっ壊されそうになって、現状から逃げ出したいと聖杯戦争に参加したんです
魔術師:まぁ、うやむやに終わってしまったんですけど

探索者:地獄じゃん………;;

ハンター:転生出来る者の条件に“地獄に住んでいた”とか、そういう項目があるのかい???

探索者:そんなん要らないんで、普通に生きて、普通に死なせてくだされ………
探索者:っていうか、虚数魔術の素養ってヤバくない???
探索者:バーチャル通して精神干渉って、スマホ見ただけで精神干渉されるってことじゃん
探索者:チート過ぎない???
探索者:今世で魔術使えないの、パワーバランス崩壊させちゃうからでは?

ハンター:あの、それって封印指定を受けたりしなかったのかい………?

魔術師:されましたね
魔術師:聖杯戦争で俺の魔術がバレちゃって、“次世代への継承が困難“という封印指定を受けました
魔術師:当時はまだ幼かったので、逃げる前に執行されましたよね

探索者:型月世界って、悉く希望を打ち砕いていくよね
探索者:なるほどこれは絶望だわふざけんな

ハンター:子供にも容赦が無いね、型月!!!

探索者:リアルはクソ
探索者:はっきりわかんだね
探索者:っていうか待って?
探索者:幼い子供に嫉妬して虐待したの、ご両親
探索者:人様の親御さんにこんなこと言いたくないけど、何その吐き気を催す邪悪的な家族は?????

魔術師:あの人達は根本的に魔術師としての素養が無かったんですよ
魔術師:精神を破壊しようとしたのがその証拠です

ハンター:非人道、という意味では魔術師らしいと思うけれど

探索者:Fateの魔術師って、“人間である前にまず魔術師たれ”的な理念なんだっけ?
探索者:めっちゃ魔術師の素養あると思うけど???

魔術師:あの人達、魔術師にしては人間らしすぎたんですよね
魔術師:あの人達に素養があったら、俺を利用して根源に至っていたと思います
魔術師:でもそれをせず、俺の精神を壊そうとした
魔術師:根源に到達したかったのなら、褒めて煽てて、利用すれば良かったのに

探索者:泣くからやめれ

魔術師:そんなことより、俺、アサシンを召喚したいんですよね

ハンター:そんなこと?????

探索者:君の精神どうなってるの?
探索者:親に精神コロコロされかけたことをそんなことで終わらせるとか何事???

魔術師:数十人の脂ぎったおっさんが列を為してレ○プの順番待ちしてるのを冷めた目で見れるくらいですかね

探索者:ひぃん………
探索者:虐待内容が思った以上にエグかった件について………

ハンター:何故私は念能力が使えないのだろうか………
ハンター:私の弓ならば、どこまでも獲物を追いかけて、必ず仕留められるのに………!

探索者:ルーク氏こわ………
探索者:でも分かる
探索者:拙者も今世なら社会的に殺せるのに………
探索者:っていうか、サーヴァント召喚って出来るのかな

ハンター:私が念能力を使えるわけだし、可能性はゼロではないと思うね
ハンター:試してみる価値はありそうだよ

探索者:そういや、そうだった
探索者:成功したらサーヴァントに会える???
探索者:え、めっちゃテンション上がるな
探索者:そう言えば、どんなサーヴァントを召喚してたの?
探索者:アサシンってことはハサンの誰か?

魔術師:はい、山の翁です

ハンター:!!?!?!?

探索者:冠位持ちじゃねーーーーーか!!!!!!!




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