耐毒訓練のせいで体が蝕まれていたジャミルがバスケ部と原作軸に迷い込む話
モブの転移魔法が失敗して原作軸に迷い込んだバスケ部(ご都合主義)
エース「え、今の何?」
フロイド「転移魔法が失敗っぽいね。あの雑魚は見つけたら締める」
ジャミル「まぁ、学園内で良かったな」
エース「それは確かに。ジャミル先輩が海に落ちたら風邪拗らせて死にそうだし」
ジャミル「悪かったな、貧弱で」
パラレルワールド出身のジャミルたちをAnotherの頭文字をとって、「ジャミA」のように表記します。
アズール「そちらのジャミルさんは身体が弱いのですか?」
ジャミA「それ、こっちのアズールにも聞かれたな。俺のこれは後天的なものだよ」
フロイド「後天的に身体って弱くなるもんなの?」
ジャミA「カリムの食事役の毒見役に選ばれて、対毒訓練をしていたんだが、耐性がつく前に毒を投与され続けてな」
アズール「あっ、これ予想外に重いエピソードですね」
ジャミA「そんなときに毒見をした料理に致死量に至る毒が混入されていて、それがトドメとなって身体が壊れてしまったんだ」
イデア「ぴえん」
フロイド「熱砂の国は地獄か何か???」
ジャミA「今ではこうして出歩ける方が稀だよ。今日はむしろかなり調子が良い」
フロA「と言いつついきなり吐血するから、覚悟しておいた方がいいよ。マジでビビるから」
エーA「オレ、最初に吐血シーンに遭遇した時、うっかり気絶しかけました」
フロイド「吐血すんの!!?!?」
イデア「それでよくこの学園に来れましたな!!?!?」
ジャミA「半ば誘拐だったんで」
「「「誘拐!!?!?」」」
ジャミA「俺、学園から入学通知届いた時、高熱で死にかけてたんです。それで、誰も通知のことを気にしている余裕が無くて、断りの連絡を入れ忘れていたみたいで」
アズール「それで迎えに来た馬車に乗せられてしまったと?」
ジャミA「ああ。俺も意識が朦朧としていたから、馬車に乗せられたことすら認識していなくてな」
フロA「それでそのまま学園に来ちゃって、棺の中で死にかけてたんだよね〜」
エーA「マジすか。それオレ知らないッス」
フロA「何か血の匂いがすんなーって棺開けてみたら、血塗れのウミヘビくんが真っ青な顔でぐったりしてて……。おぇっ……」
イデア「ちょ、大丈夫……?」
フロA「大丈夫……。あの時は流石に悲鳴上げたけど、今は見慣れてきたから」
フロイド「見慣れちゃダメでしょ、それ」
エーA「嫌でも慣れます。慣れさせられるんです」
フロイド「えぇ……カニちゃん、真顔じゃん……」
アズール「どんだけ吐血してるんですか……」
ジャミA「授業に参加するのに条件を付けられるくらいには」
アズール「ひぇ」
イデア「…………ちなみに条件って?」
ジャミA「一週間吐血しないこと、です」
イデア「お゛ぁぁ…………」
フロA「ちなみに一日吐血しなかったらイシダイ先生からグッボーイされるレベル」
フロイド「よく死なねぇな、ウミヘビくん!?!??」
フロA「ホントにね、命って儚くて尊いね……」
イデア「フロイド氏のSAN値やば……。アイデア成功してない???」
ジャミA「むしろ、こうして生き永らえているんだから、しぶといと思うんだけどな」
アズール「ジャミルさん、ちょっと黙っていましょうか」
フロイド「てか、よくそんな身体で学園長が入学を許可したね? 絶対嫌がりそうなのに」
ジャミA「それなんだが、"俺のような虚弱な生徒でも無事に卒業させられるくらいに手厚い準備が為されている学園"という評判が欲しいらしい」
アズール「…………実際のところはどうなんです?」
ジャミA「教師間で情報の共有が為されておらず、体力育成で吐血。自分のミスで生徒が死にかけたという不祥事を外に漏らしたくなくて、学園内での処置。カリムのご機嫌取りのために多忙な副寮長に任命。あとは……」
アズール「もういいです」
イデア「学園長ェ……」
ジャミA「今は流石にそこまで酷いことは無いが、たまに俺が虚弱なことを忘れているような反応をされるな」
フロA「ちょっとそれ詳しく」
エーA「学園長のお願いとか無視すれば良いんで。とりあえず無茶ぶり発言を録音して、誰か人を呼んでください」
フロA「検討しますって言って逃げていいから。んで、すぐに先生に報告して。先生が捕まんなかったらオレらでもいいから」
フロイド「過保護か?」
エーA「いや、ついこの前生死の境を彷徨ってたばかりなんで……」
フロA「外部から医者呼んで治療して貰ってたよ。途中で呼吸止まってたらしくて、ラッコちゃんがガチ泣きしてた」
フロイド「ひぇ」
イデア「嘘でしょ!?」
アズール「ガチで死にかけてるじゃないですか!!!!!」
ジャミA「そう言えばそのとき、イデアさんみたいな髪の男性を見ましたよ」
イデア「それ、冥府の王では!!?!?」
アズール「もうやだぁ……」
「「「それはこっちのセリフだわ」」」