垣間見た闇を包む
おまけ
エース「カリム先輩に報告します?」
フロイド「うーん……。ラッコちゃんがどう動くかわかんねぇからやめとこ。絶対自分も関わりたいって言うだろうし」
エース「あー……そっすね。んじゃ、今日はスカラビアには帰さないようにしましょうか」
フロイド「ラッコちゃん、普段鈍いくせに変なとこで鋭いからね~」
エース「どうします? ハーツラビュルは……空いてる部屋ないんだっけ……」
フロイド「こっちで預かるよ。ラウンジのVIPルームとかもあるし、融通利くから」
エース「お願いします」
フロイド「ところでカニちゃん。さっきのスカラビアの奴ら、顔覚えてる?」
エース「もちろんッスよ。そういう先輩も覚えてるんでしょ?」
フロイド「覚える必要もないような雑魚共だけどね~」
エース「オレも一枚噛ませてくださいね」
フロイド「いいよ~。邪魔にならないならね」
エース「もっちろん! 任せてください! とりあえずカリム先輩は適当に誤魔化しときますね!」
フロイド「よろしく~」
フロイド「アズール~、ジェイド~。今日、ウミヘビくん泊めるね~」
アズール「…………は?」
ジェイド「おやおや」
アズール「え? は? 何でジャミルさん? しかも寝てます???」
エース「フロイド先輩、荷物どこに置けば良いです?」
フロイド「そこら辺に適当に置いといて~」
エース「は~い。……じゃあオレはこれで! ジャミル先輩のことお願いしま~す」
フロイド「おっけ~」
アズール「…………フロイド、説明しろ」
フロイド「う~ん、今日はスカラビアに帰しちゃ駄目かなぁって思ったから連れてきたぁ」
ジェイド「……なるほど。僕たちの部屋に泊めます?」
フロイド「うん。そうする~」
アズール「…………はぁ。まぁいいでしょう。“いつもの気まぐれ”ということにしておきます。きっちり片付けるんですよ?」
フロイド「もっちろ~ん」
ジャミル「………………え?」
フロイド「あ、ウミヘビくん起きた~?」
ジャミル「…………は?」
フロイド「ウミヘビくん、昨日の部活終わりに寝ちゃったんだよ~。覚えてなぁい?」
ジャミル「は? 俺が……? いや、待て。俺は確か…………」
フロイド「あ、ラッコちゃんにはカニちゃんが連絡してくれたから、大丈夫だよ~」
ジャミル「はっ!? というか、そうだ、カリム!!!」
フロイド「ジェイドがやってくれるって~。それよりオレお腹すいた~。ご飯食べよ~」
ジャミル「…………そうだな」
ジャミル(昨日、確かに何かあった気がしたんだが……)
ジャミル(昨日のことも思い出せないとは、自覚がないだけでそれほど疲れているんだろうか……)
ジャミル「…………あれ?」
カリム「ん? どうした、ジャミル?」
ジャミル(いつも嫌がらせをしてきた3年生がいない……?)
カリム「ジャミル?」
ジャミル「あ、ああ、いや……。寮生が少ない気がしてな……」
カリム「そうか? いつも通りだと思うけどな!」