永遠のハーモニー

舞台では華やかな旋律が鳴り響いていた。
だが舞台裏の闇では、別の旋律――鋭い足音と刃のぶつかり合う音が支配していた。

黒衣の影が手にした短剣を振りかざし、ランマルに迫る。
「チッ、往生際の悪ぃやつだ!」
ランマルは持ち前の俊敏さでかわし、逆に相手を壁際へ追い詰めた。

しかし次の瞬間、舞台の上部に吊るされた照明装置が揺れ、ギシギシと不穏な音を立てる。
仕掛けられた罠が今まさに解き放たれようとしていた。

「ランマル、危ない!」
レイジの声が響く。
振り向いた時には、巨大な照明が落下していた。

ドンッ――!

舞台裏に響き渡る轟音。
粉塵の中、レイジは迷わずランマルの元へ駆け寄った。

「……っ、大丈夫か!?」
瓦礫に押し倒されかけたランマルを、レイジが必死に抱き起こす。
銀髪が乱れ、赤い瞳がかすかに揺れていた。

「へっ……かすっただけだ。大したことねぇ」
強がる声に、レイジの眉が怒りに震える。
「ふざけるな!君がいなくなったら……ぼくは何を頼りに生きればいいんだ!」

その叫びは、探偵としての冷静さを完全に失った恋人の声だった。
ランマルは驚き、そして小さく笑った。
「……ったく、おまえがそんな顔すんの、反則だろ」

彼は立ち上がり再び短剣を構える。
「安心しろよ。おれはおまえの隣から離れねぇ」

レイジは深く息をつき、笑みを取り戻した。
「ふふ……そうこなくちゃね。じゃあ、ぼくらでフィナーレを奏でようか?」

舞台裏の闇で、ふたりは並び立つ。
表では音楽、裏では真実。
愛と旋律の狭間で探偵と助手――そして恋人の絆が輝きを増していた。
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