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いきなりですが、私には気になって気になってしょうがない奴がいます。
そいつの席は私の席から少々離れていて、前方2時の方向に座っており、どうやら親友君とお話しているようです。
……お話しているというか、そいつはぼけーっとしてて、親友君が一方的に喋ってる、ようにも…
「──…ぃ…ぉーい!ねぇ!」
「ッは、え!?」
私も親友に声をかけられ我に返り、視線を彼女へと移す。
「まーた見惚れてるんですか」
「…あ、いや、まぁ…へへ」
「いい加減見てるだけなのやめたらー?」
うう…それが出来たら苦労しないんですわ…。
親友の言葉がグサリと刺さるが、そーっとまた彼に視線を戻す。
見てるだけなのにも理由があります。
彼は誰がどう見てもかっこいいし可愛いとこもあるんです。
実際女の子からの告白現場を目撃したという情報も多数あり、モテモテだ。
そんな訳で気軽に声をかけられる訳もなく、毎日眺めて終わるだけ。
だけど見ていて気付いた点、告白された噂を良く聞くが、親しげな女友達はいないのではないかということ。
決まっていつも1人でぼーっとしているか、元気いっぱいの親友君と二人か。
もしや彼女がいるからこその、あの女っ気の無さなのか…。
───…………
「なぁ拓海ぃ…あの子またお前の事見てるぜ〜?」
「…お前それいつも言うけど、だから何なんだよ」
「何なんだよってお前さ〜ッ!」
やっぱりこいつ、ボケーッとしてホンットに何も考えてないんだな!
女の子が自分の事見てたら、そりゃ普通こっちも意識しちまうだろうが!
…あ、それって俺がモテないからこそそういう風に思っちまうのかな、あれ、そういうこと?
「せっかくの高校生活、どうせなら思いっきり青春してぇよ…」
「すればいいんじゃないか?」
「そう簡単に出来るわけねーだろ!このバカ拓海!」
「バカって言うなよ。」
俺がコイツだったらもっと楽しく高校生活過ごせてると思う。
なんて、たられば話してたって何にも変わらないんだけど。
───…………
帰りのホームルームが終わり、部活にいく子、帰宅の準備をする子とがやがやし始め、次第に教室からは人が少なくなっていった。
教室が寂しくなってから帰るのが何となく好きで、少しの間椅子に座ったまま教室を見渡す。
そのついでにあいつもしっかり視界に入れて。
あいつも席に座ってぼーっとしてる。親友君がまた元気に喋ってるみたいだけど。
お気に入りのリュックを持ち上げ、席を立つ。教室の出入口に向かいながら背負い、私は親友と一緒に教室を出る。
何となくあいつも動き出しそうだったから、合わせてるのは内緒。
数メートル先を歩く。
後ろから2人分の足音が聞こえてくる。
「あ、倉科、」
「ッ!?」
あいつの声で私を呼ぶ声がして、ビックリして振り返ると、私のもも辺りを指さして。
「スカート、めくれてるぞ。」
一瞬思考が停止した。
我に返って慌ててスカートを見ると、下着こそ見えていないが、かなり際どいところまでめくれていた。どうやらリュックを背負った時に一緒にめくりあげてしまったようだ。
「…ッありがと!」
手早く直して一言、もう恥ずかしくて逃げるようにして走り去った。
親友の呼ぶ声が聞こえるけど、…ごめん、今はちょっと無理だ。
……
「珍しいな、そういうお節介するなんて」
「…他の奴らに見て見ぬふりされるかもしれないだろ」
「……ん?他の奴らに?……ふ〜〜ん????」
「な、なんだよ」
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