鬼
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「たーんじろっ!」
大好きな彼の後ろ姿を見つけると、ぴょんぴょんと上機嫌に近寄る。自分より少し高い位置にある首元に冷えきった自分の手をくっ付けた。
「いッ冷た!?あかねか!…早いな、どうしたんだ?」
「炭治郎いるかなーって思って」
驚いたあと眉を下げながら笑顔を見せてくれた炭治郎はあかねの彼氏。
向き合う形になるとあかねはそのまま腕を回し抱き着いた。声が聞けたこと、振り返ってくれたこと、こんな風に優しく抱き返してくれるところ、彼の言動の一つ一つが嬉しくてデレデレしてしまう。こんなんじゃ善逸の事、悪く言えない。
へへと笑っているだけのあかねに、少し困ったように笑う炭治郎。
「あかね、嬉しいんだけど、ここ教室だからさ。」
「でも誰もいないよ?」
「まだ朝早いから皆来てないだけだよ。」
炭治郎は普段でも充分早いが、日直の日は必ず誰よりも早く登校する。教師も驚く程。
先生に来られても困るので渋々離れる。
「外、寒かったろう?大丈夫だったか?」
心配そうな表情をしながら、あかねの頭を撫で冷えた手を握る。
「ん、寒かったー。」
握ってくれた彼の暖かい手を握り返す。自分の手とは違う固くてしっかりした手。可愛らしい顔をしているくせに、男らしい所を見つける度に惚れ直す。正直顔に関しては伊之助にも負けてないと思う。
「炭治郎、手、あったかい。」
「学校着いてからしばらく経ったからな。」
「手が冷たいのは心が暖かい証拠なんだよ。」
「え、じゃあ俺は、心が冷めてるのか…?」
少し動揺した彼に「そんなわけ!」と笑ってしまった。
炭治郎はいつだって優しい。一緒にいるとこっちまで優しくて暖かい気持ちになる。
面倒見が良い彼だからこそつい困らせたくなってしまう。でも一度だって怒られたことがない。怒られたい訳では無いけれど。
「炭治郎は優しすぎるくらいだよ。だから心配になる。」
「心配?」
「モテるでしょ。」
そう老若男女問わず、彼は皆からの信頼を寄せられている。そのおかげで彼を好きになる女性も決して少なくはない。
かくいうあかねもその1人である。
”彼女”という立ち位置を手に入れたとしても、どうしても周りには彼を狙う者が存在し、不安で潰されそうになるのだ。
「いてっ」
彼自慢の硬いおでこに軽くデコピンをした。
そしてわざとらしく片頬を膨らませて一言。
「浮気したら怒るからね。」
一瞬驚いた表情を見せると、
「する訳ないじゃないか。」
また眉を下げながら笑顔を見せてくれた彼は、デレデレとしていた。
───そんな調子でイチャイチャしていた2人が、クラスメイトに見つかりネタにされるまであと5分。
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「たーんじろっ!」
大好きな彼の後ろ姿を見つけると、ぴょんぴょんと上機嫌に近寄る。自分より少し高い位置にある首元に冷えきった自分の手をくっ付けた。
「いッ冷た!?あかねか!…早いな、どうしたんだ?」
「炭治郎いるかなーって思って」
驚いたあと眉を下げながら笑顔を見せてくれた炭治郎はあかねの彼氏。
向き合う形になるとあかねはそのまま腕を回し抱き着いた。声が聞けたこと、振り返ってくれたこと、こんな風に優しく抱き返してくれるところ、彼の言動の一つ一つが嬉しくてデレデレしてしまう。こんなんじゃ善逸の事、悪く言えない。
へへと笑っているだけのあかねに、少し困ったように笑う炭治郎。
「あかね、嬉しいんだけど、ここ教室だからさ。」
「でも誰もいないよ?」
「まだ朝早いから皆来てないだけだよ。」
炭治郎は普段でも充分早いが、日直の日は必ず誰よりも早く登校する。教師も驚く程。
先生に来られても困るので渋々離れる。
「外、寒かったろう?大丈夫だったか?」
心配そうな表情をしながら、あかねの頭を撫で冷えた手を握る。
「ん、寒かったー。」
握ってくれた彼の暖かい手を握り返す。自分の手とは違う固くてしっかりした手。可愛らしい顔をしているくせに、男らしい所を見つける度に惚れ直す。正直顔に関しては伊之助にも負けてないと思う。
「炭治郎、手、あったかい。」
「学校着いてからしばらく経ったからな。」
「手が冷たいのは心が暖かい証拠なんだよ。」
「え、じゃあ俺は、心が冷めてるのか…?」
少し動揺した彼に「そんなわけ!」と笑ってしまった。
炭治郎はいつだって優しい。一緒にいるとこっちまで優しくて暖かい気持ちになる。
面倒見が良い彼だからこそつい困らせたくなってしまう。でも一度だって怒られたことがない。怒られたい訳では無いけれど。
「炭治郎は優しすぎるくらいだよ。だから心配になる。」
「心配?」
「モテるでしょ。」
そう老若男女問わず、彼は皆からの信頼を寄せられている。そのおかげで彼を好きになる女性も決して少なくはない。
かくいうあかねもその1人である。
”彼女”という立ち位置を手に入れたとしても、どうしても周りには彼を狙う者が存在し、不安で潰されそうになるのだ。
「いてっ」
彼自慢の硬いおでこに軽くデコピンをした。
そしてわざとらしく片頬を膨らませて一言。
「浮気したら怒るからね。」
一瞬驚いた表情を見せると、
「する訳ないじゃないか。」
また眉を下げながら笑顔を見せてくれた彼は、デレデレとしていた。
───そんな調子でイチャイチャしていた2人が、クラスメイトに見つかりネタにされるまであと5分。
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