地獄
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今日は金曜日の、時刻は午後8時過ぎ。
こんな時間だが駅前にはたくさんの人が歩いている。
待ち合わせの時間を少し過ぎてしまったが、約束の場所にたどり着き周りをキョロキョロと見回す。
「あ」
大好きな彼を見つけると、逸る気持ちを抑えきれず全速力で駆け寄り飛び付いた。
「鳴介!!!!」
「ぬわあっ!?」
油断していた彼は相当驚いたようだが、それでもしっかりと抱きとめた。
懐かしい香りに涙が出そうな程心がときめく。
「あかね、久しぶりだな……!」
「ほんとだよっ!」
彼に会うのは半年ぶりくらい。俗に言う遠距離恋愛中なのだ。
離れてしまうのは私の仕事のせいなのだが。
自分より少し上にある彼の顔を見ると鼻先と頬が赤くなっていた。
嬉しそうな愛おしそうな顔で見つめてくるから、恥ずかしくなり照れ隠しで彼の両頬に手を添えた。ひんやりと冷えている。
「ごめんね、待たせちゃった」
「いやいやいやいや!ぜっ……全然!!」
みるみるうちに顔全体が真っ赤に染まっていく。それが面白くて可愛くて笑ってしまったのだが、少し拗ねてしまったので適当に謝っておいた。
手を繋いで歩く。向かう先は彼のアパート。
「他の男とか作ってないだろうな!?」
「ないない。鳴介のが心配だよ!」
「神に誓って無い!」
「ほんと?リツコ先生?がとか言ってなかったっけ」
「えっ!?いや、ほんとに無いって……!」
前にチラッと聞いた覚えのある女の人の名前。同じ学年の先生だとか。
女好きなのはわかってるけど、だからって嫌じゃないわけがない。
わざとらしくむすくれてやると途端にあわあわしだした。
にやけてしまいそうになる顔を必死に堪える。
「私、鳴介に会えるのずっと楽しみにしてたんだよ」
「お、俺もだ!なんなら四六時中何しててもずっとあかねの事考えてたし……」
「え〜?」
もじもじしながら恥ずかしげにごにょごにょ喋る様子が可笑しくて、堪えきれず吹き出してしまった。
「何で笑うんだよ!」と顔を真っ赤にしながら怒られるがちっとも怖くない。地獄先生なんて呼ばれてるくせに。
「着いた!鍵開けて〜!」
「ハイハイハイちょっと待ってね」
アパートに到着。彼は半泣きのまま鍵を乱暴に開けて、私に先に入るように促す。綺麗とは言えないアパートの一室。でもこの感じが懐かしくて心地良い。
靴を脱いで上がれば慣れた手付きで電気を付けて居間へ。
「ただいま〜」
「おかえり」
コートを脱ぐと帰ってきたばかりの部屋は少し肌寒く感じたが、直後に後ろから抱きしめられ先程までとは違う暖かさが。
彼の腕を抱き返すように自分の手を重ねる。嬉しいのに照れくさくてにやけてしまう。正面じゃなくて良かった。
「懐かしー。部屋変わってないね」
「そうだな」
「っ……ちょっ…と、くすぐったい」
「ん?」
首元に何度も軽いキスをされ、時々漏れる吐息に身体が跳ねる。
さっきまでぐずっていた男はどこに行ったのか。
そんなこと考える暇もなく敷きっぱなしの布団に押し倒される。
「んっ……ふ…」
「………」
お互いを求めるような深い口付け。
服の中に彼の手が入って来た時に、我に返り慌てて止める。
「っ!……ね、待って、シャワー浴びたい」
「風呂場がいいのか?」
「えぇっ!?」
「なら先に言え」
そう言うと勢い良く起き上がり私も強引に腕を引かれると、ノリノリで浴室まで連れて行かれた。
あれよあれよという間に気付けば2人ともすっぽんぽんだ。
「……ひ、響くから…お風呂出てからね…」
「しょうがないなあ。任せろ、何回でも付き合うぜ」
「…………ん?」
「ほれ!遠慮せず入れ入れ!」
……────結局浴室でも布団の上でも仲良くよろしくしたのでした。
───
アニメ新情報が嬉しくて嬉しくて勢いだけで書きました。
すみません。
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