鬼滅 義勇さん
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「動けます。……隠の業務が残っていますから」
痛む手を押さえながらそう言うと、彼は低く、しかし強い声音で返した。
「止血をして休め。……無理をするな」
首を振る。
「休む暇なんてありません。それは……柱であるあなたも同じでしょう?」
口にした瞬間、彼は小さく言葉を詰まらせた。 「……俺は、柱では……」
その先は聞き取れないほど小さく、彼は目を逸らした。
気づかないふりをして、笑みを浮かべる。
「水柱のあなたに教えていただいた太刀で……二人の子供を救えました」
そう告げると、なぜか彼は苦しげに目を伏せた。
「……身を呈すな。お前の命も、子供たちの命も……同等だ」
その真剣な声に、胸が熱くなる。こんなふうに気遣われるとは思わなかった。
「……水柱に、そんな言葉をかけていただけるなんて。ありがとうございます」
すると彼は、ほんの僅かに顔を上げ、こちらを真っ直ぐに見た。
「……水柱じゃない。……名前で呼べ」
一瞬、息が止まる。
「……冨岡義勇さん」
思わずそう呼ぶと、彼は眉をわずかに寄せた。 「……冨岡、でいい」
頬が熱くなるのを感じながら言い直す。
「……冨岡さん」
すると彼は小さく「どちらでもいい」と呟き、血で汚れた布の中から、切り落とされた二本の指を差し出した。
「……間に合わず、すまない」
その声音は、今まででいちばん弱かった。
責めるようにではなく、自分を責める響きだった。
「……気にしてないと言ったら嘘になります。でも……命を助けてもらった感謝の方が大きいです」
そう伝えても、彼は俯いたまま黙り込んでいる。 その横顔は苦しげで、どうしようもなく切なく見えた。
思わず、そっと微笑んだ。
「冨岡さん……あなたがいてくれて、よかったです」
その言葉に、彼の肩がわずかに震えた。 そして顔を上げたとき、いつもの無表情の奥に、柔らかな色が滲んでいた。
「……お前は、強いな」
掠れるような声。だが次に続いた言葉は、不意を突くほど温かかった。
「……だから、もう少し……俺を頼ってほしい」
耳の奥で、鼓動が早くなる。
無骨で、優しい。
今までのどんな安堵よりも、確かなものが胸に灯った
痛む手を押さえながらそう言うと、彼は低く、しかし強い声音で返した。
「止血をして休め。……無理をするな」
首を振る。
「休む暇なんてありません。それは……柱であるあなたも同じでしょう?」
口にした瞬間、彼は小さく言葉を詰まらせた。 「……俺は、柱では……」
その先は聞き取れないほど小さく、彼は目を逸らした。
気づかないふりをして、笑みを浮かべる。
「水柱のあなたに教えていただいた太刀で……二人の子供を救えました」
そう告げると、なぜか彼は苦しげに目を伏せた。
「……身を呈すな。お前の命も、子供たちの命も……同等だ」
その真剣な声に、胸が熱くなる。こんなふうに気遣われるとは思わなかった。
「……水柱に、そんな言葉をかけていただけるなんて。ありがとうございます」
すると彼は、ほんの僅かに顔を上げ、こちらを真っ直ぐに見た。
「……水柱じゃない。……名前で呼べ」
一瞬、息が止まる。
「……冨岡義勇さん」
思わずそう呼ぶと、彼は眉をわずかに寄せた。 「……冨岡、でいい」
頬が熱くなるのを感じながら言い直す。
「……冨岡さん」
すると彼は小さく「どちらでもいい」と呟き、血で汚れた布の中から、切り落とされた二本の指を差し出した。
「……間に合わず、すまない」
その声音は、今まででいちばん弱かった。
責めるようにではなく、自分を責める響きだった。
「……気にしてないと言ったら嘘になります。でも……命を助けてもらった感謝の方が大きいです」
そう伝えても、彼は俯いたまま黙り込んでいる。 その横顔は苦しげで、どうしようもなく切なく見えた。
思わず、そっと微笑んだ。
「冨岡さん……あなたがいてくれて、よかったです」
その言葉に、彼の肩がわずかに震えた。 そして顔を上げたとき、いつもの無表情の奥に、柔らかな色が滲んでいた。
「……お前は、強いな」
掠れるような声。だが次に続いた言葉は、不意を突くほど温かかった。
「……だから、もう少し……俺を頼ってほしい」
耳の奥で、鼓動が早くなる。
無骨で、優しい。
今までのどんな安堵よりも、確かなものが胸に灯った