心理テスト いたずら(烏野、白鳥沢)
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「○○ー。」
呼ばれたけれど、振り向きたくない。
どうせ、またあれだ。
無視しようかと思ったけど、何度も呼ばれると面倒くささのほうが勝つ。
だからわざと、呼ばれた方向とは逆側から振り向いた。
それでも。
つ、と頬に指が当たる。
「……」
「そろそろ違う左から振り返ると思ってたんだよね。合ってた。」
「そう……。良かったね。」
「もう少し反応してよ。」
拗ねた声。
でも表情は相変わらずほぼ無。
感情が読み取れない。
今日これで五回目。
一回目に普通に驚いたのがいけなかったのかもしれない。
でもそんなにこれ何度もするほど面白い??
私、別にリアクションいいほうじゃないと思うんだけど。
元々クラスメイトで、彼とはよく話す仲だった。
そして何故か二ヶ月前、急に告白された。
「なんで私?」って聞いたら、
「前から好きってアピールしてたけど、気づいてくれなかったから告った。」
そう言われて、余計に分からなくなった。
理由を聞いたはずなのに、はぐらかされた感じ。
嫌いじゃないけど、付き合うって何が変わるのか分からなくて。
でも、あまりに飄々と言うから、からかわれてるのかと思って。
「私でよければ」
そう返した瞬間、太一はその場にしゃがみこんで小さな声を出した。
「……良かった」
その一言が、ちょっとだけ可愛くて。
ちょっとだけ、きゅんとした。
……なのに。
付き合ってから変わったのは呼び方だけ。
苗字から名前になったくらい。
全国に行くレベルの部活をしている彼は忙しくて、デートもまだない。
本当に、付き合ってるのかな。
そう思い始めた頃の、この謎のいたずらラッシュ。
正直、うざい。
「○○。」
はい。六回目だよね。
振り向かずに言う。
「何?」
「こっち見てくれないの?」
……何なの、本当に。
「なんでそのイタズラばっかりするの?」
今度はちゃんと振り向く。
指を刺されないように少し警戒しながら。
目が合った太一は考えながも、少しだけ、ほんの少しだけはにかむ。
「天童さんに、とっさの反応とか返しを見切るのがバレーに繋がるって言われて。」
……天童さん。
一学年上の先輩。
付き合ってから何故か太一が紹介してきた、あの人。
『紹介してくれんの?太一の彼女なんだね。可愛いネ。太一はわかりやすいから楽しいでしょ?』
わかりやすくないけど、って心の中で全力ツッコミした。
太一は表情がわからないけど、
この人は表情豊かなのに何考えてるか分からない人。
あの人の入れ知恵なら、もう諦めるしかないのかもしれない。
「とっさの反応って、バレーのことでしょ?
バレーのためにこのイタズラやってるの?」
「……そんなんじゃないけど。」
歯切れが悪い。
余計に意味が分からない。
とっさの反応を見るなら、むしろ自分がされる側じゃない?
午後の授業終わり。
また呼ばれた。
今度は振り向きざまに、伸びてきた彼の指を掴む。
「何?」
ぴく、と彼が固まる。
動きが止まる。
お互い無言のまま、私が彼の指を握っている状況。
……………恥ずかしい。
「なんか言ってよ。
とっさの反応するんじゃないの?」
「うん。」
「返事じゃなくって……」
よく見ると。
口元を手で隠している。
でも、その奥、明らかに緩んでいる。
目も、少しだけ細い。
「……何笑ってるの。」
「別に。」
「絶対笑ってる。」
「うん。」
またこの返事だけ。
でも、今度は少しだけ声が柔らかい。
「やっと、こっち見てくれたから。」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
掴んだままの指に、力が入る。
「……それが目的?」
「うん。」
即答。
ああもう。
天童さんの入れ知恵とか言ってたけど、絶対それだけじゃない。
とっさの反応を見たいんじゃなくて。
私に、ちゃんと反応してほしかっただけなの?
顔が熱い。
指を離そうとしたら、今度は逆に手首を軽く掴まれる。
「逃げるの?」
「逃げてないし。」
「じゃあ、もう一回。」
「え?」
「○○。」
手首掴まれてるから逃げれない。
ただじっと見られるのが恥ずかしいけど目線はそらさないんだからって気持ちで太一を見る。
「……何。」
「やっぱり、こっち見てくれたほうがいい。」
それだけ言って、また少しだけ笑う。
分かりにくいくせに。
こういうところだけ、ずるい。
本当に好きなのか分からない、なんて思ってたのに。
今はもう。
分からないのは、私のほうかもしれない。
※※※※※※※※※※※※※※
(川西視点)
好きなタイプ?
髪は長すぎず短すぎず、肩くらい。
胸は別に大きくなくていいけど、あればちょっと嬉しい。
どちらかと言えば狸顔。狐っぽいより柔らかいほうがいい。
……って、前は思ってた。
でも、好きになるのって理屈じゃない。
気づいたら、○○を目で追ってた。
普通に会話してるだけで心臓がうるさくなるし、
もっと話したい、できれば付き合いたいって、
いつの間にか思ってた。
意識して会話してた。
少しでも距離を縮めようとした。
でも、縮まらなかった。
どうすればいいのか分からなくて。
恋の相談を同級生の賢二郎にするのは嫌だった。
絶対面倒くさそうな顔されるし。
そう思ってたら、なぜか天童さんに絡まれた。
流れで相談したら、からかわれるかと思いきや、
意外と真面目に聞いてくれて。
『太一は多分、はっきり言わないと相手に伝わらなそー。告白してみ〜』
背中を押されて告白した。
結果、付き合うことになった。
でも。
○○は俺のこと、ちゃんと好きなのか分からない。
流れでOKしただけなんじゃないかって、ずっとどこかで思ってる。
付き合って二ヶ月。
彼氏らしいこと、何もできてない。
唯一それっぽいのは、名前で呼んでること。
それすら、たまにしか言えてない。
そして今日。
天童さんが工にいたずらしてるのを見た。
頬をつついて、名前を呼んで、反応を楽しんでる。
そのとき思った。
(あ、これなら○○の名前呼べるし、触れる)
一回目。
ちゃんと驚いてくれた。
あんな反応、見たことなかった。
恥ずかしそうで、ちょっと怒ってて、でも可愛くて。
もっと見たいと思った。
二回目、三回目。
段々と困った顔に変わっていく。
これ、続けたらまた違う表情になるのかなって、
変化を見てみたくなった。
うざがられてるのは分かってた。
でも、一日にこんなに名前を呼んだこと、
今までなかった。
それが嬉しかった。
理由は後付けで天童さんのせいにした。
本当は、
名前を呼んで、こっちを向いてもらって、
目が合うのが嬉しいだけだった。
付き合ってる感じがするから。
彼女から指を掴まれたとき、思った。
(あっ…俺たち、今までほとんど触れてない。)
それに気づいた瞬間、もっと触れたいって思った。
見つめ合うだけで、○○が恥ずかしそうにする。
それって、ちゃんと俺を意識してるってことだよね。
掴んだ手首。
脈が早い。
俺のせいで──彼女の鼓動が早い。
それが、嬉しい。
『太一は表情に出にくいんだから、言葉で言うのが一番だョ〜』
天童さんの言葉を思い出す。
掴んでいた手首を、そっと離す。
代わりに、指先を絡めて、手を握る。
逃げられないくらい、でも強すぎないように。
「好きだよ。」
自分の声が少しだけ震えてる。
「態度で分かりにくいらしいから、これから何度も言うけど……。○○が好き。」
○○が固まる。
なんて返せばいいか分からなそうな顔。
だから、先に言う。
「付き合ってるからって、無理に好きって言わなくていいから。」
少し息を吸う。
「何度も言うから……。
だから、徐々に好きになって欲しいな…なんて…」
少し逃げた言い方で卑怯かもしれない。
でも、今はそれでいい。
○○は口ごもりながら、小さく言った。
「いっぱい言ってくれるのは……なんか、好きかも。」
その一言で、胸がぎゅっとなる。
好きって言うたびに、少しずつ本当に付き合ってるって形になればいい。
今日はもう、いたずらしない。
代わりに、名前を呼ぶ。
「○○。」
ちゃんと、手を握ったまま。
呼ばれたけれど、振り向きたくない。
どうせ、またあれだ。
無視しようかと思ったけど、何度も呼ばれると面倒くささのほうが勝つ。
だからわざと、呼ばれた方向とは逆側から振り向いた。
それでも。
つ、と頬に指が当たる。
「……」
「そろそろ違う左から振り返ると思ってたんだよね。合ってた。」
「そう……。良かったね。」
「もう少し反応してよ。」
拗ねた声。
でも表情は相変わらずほぼ無。
感情が読み取れない。
今日これで五回目。
一回目に普通に驚いたのがいけなかったのかもしれない。
でもそんなにこれ何度もするほど面白い??
私、別にリアクションいいほうじゃないと思うんだけど。
元々クラスメイトで、彼とはよく話す仲だった。
そして何故か二ヶ月前、急に告白された。
「なんで私?」って聞いたら、
「前から好きってアピールしてたけど、気づいてくれなかったから告った。」
そう言われて、余計に分からなくなった。
理由を聞いたはずなのに、はぐらかされた感じ。
嫌いじゃないけど、付き合うって何が変わるのか分からなくて。
でも、あまりに飄々と言うから、からかわれてるのかと思って。
「私でよければ」
そう返した瞬間、太一はその場にしゃがみこんで小さな声を出した。
「……良かった」
その一言が、ちょっとだけ可愛くて。
ちょっとだけ、きゅんとした。
……なのに。
付き合ってから変わったのは呼び方だけ。
苗字から名前になったくらい。
全国に行くレベルの部活をしている彼は忙しくて、デートもまだない。
本当に、付き合ってるのかな。
そう思い始めた頃の、この謎のいたずらラッシュ。
正直、うざい。
「○○。」
はい。六回目だよね。
振り向かずに言う。
「何?」
「こっち見てくれないの?」
……何なの、本当に。
「なんでそのイタズラばっかりするの?」
今度はちゃんと振り向く。
指を刺されないように少し警戒しながら。
目が合った太一は考えながも、少しだけ、ほんの少しだけはにかむ。
「天童さんに、とっさの反応とか返しを見切るのがバレーに繋がるって言われて。」
……天童さん。
一学年上の先輩。
付き合ってから何故か太一が紹介してきた、あの人。
『紹介してくれんの?太一の彼女なんだね。可愛いネ。太一はわかりやすいから楽しいでしょ?』
わかりやすくないけど、って心の中で全力ツッコミした。
太一は表情がわからないけど、
この人は表情豊かなのに何考えてるか分からない人。
あの人の入れ知恵なら、もう諦めるしかないのかもしれない。
「とっさの反応って、バレーのことでしょ?
バレーのためにこのイタズラやってるの?」
「……そんなんじゃないけど。」
歯切れが悪い。
余計に意味が分からない。
とっさの反応を見るなら、むしろ自分がされる側じゃない?
午後の授業終わり。
また呼ばれた。
今度は振り向きざまに、伸びてきた彼の指を掴む。
「何?」
ぴく、と彼が固まる。
動きが止まる。
お互い無言のまま、私が彼の指を握っている状況。
……………恥ずかしい。
「なんか言ってよ。
とっさの反応するんじゃないの?」
「うん。」
「返事じゃなくって……」
よく見ると。
口元を手で隠している。
でも、その奥、明らかに緩んでいる。
目も、少しだけ細い。
「……何笑ってるの。」
「別に。」
「絶対笑ってる。」
「うん。」
またこの返事だけ。
でも、今度は少しだけ声が柔らかい。
「やっと、こっち見てくれたから。」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
掴んだままの指に、力が入る。
「……それが目的?」
「うん。」
即答。
ああもう。
天童さんの入れ知恵とか言ってたけど、絶対それだけじゃない。
とっさの反応を見たいんじゃなくて。
私に、ちゃんと反応してほしかっただけなの?
顔が熱い。
指を離そうとしたら、今度は逆に手首を軽く掴まれる。
「逃げるの?」
「逃げてないし。」
「じゃあ、もう一回。」
「え?」
「○○。」
手首掴まれてるから逃げれない。
ただじっと見られるのが恥ずかしいけど目線はそらさないんだからって気持ちで太一を見る。
「……何。」
「やっぱり、こっち見てくれたほうがいい。」
それだけ言って、また少しだけ笑う。
分かりにくいくせに。
こういうところだけ、ずるい。
本当に好きなのか分からない、なんて思ってたのに。
今はもう。
分からないのは、私のほうかもしれない。
※※※※※※※※※※※※※※
(川西視点)
好きなタイプ?
髪は長すぎず短すぎず、肩くらい。
胸は別に大きくなくていいけど、あればちょっと嬉しい。
どちらかと言えば狸顔。狐っぽいより柔らかいほうがいい。
……って、前は思ってた。
でも、好きになるのって理屈じゃない。
気づいたら、○○を目で追ってた。
普通に会話してるだけで心臓がうるさくなるし、
もっと話したい、できれば付き合いたいって、
いつの間にか思ってた。
意識して会話してた。
少しでも距離を縮めようとした。
でも、縮まらなかった。
どうすればいいのか分からなくて。
恋の相談を同級生の賢二郎にするのは嫌だった。
絶対面倒くさそうな顔されるし。
そう思ってたら、なぜか天童さんに絡まれた。
流れで相談したら、からかわれるかと思いきや、
意外と真面目に聞いてくれて。
『太一は多分、はっきり言わないと相手に伝わらなそー。告白してみ〜』
背中を押されて告白した。
結果、付き合うことになった。
でも。
○○は俺のこと、ちゃんと好きなのか分からない。
流れでOKしただけなんじゃないかって、ずっとどこかで思ってる。
付き合って二ヶ月。
彼氏らしいこと、何もできてない。
唯一それっぽいのは、名前で呼んでること。
それすら、たまにしか言えてない。
そして今日。
天童さんが工にいたずらしてるのを見た。
頬をつついて、名前を呼んで、反応を楽しんでる。
そのとき思った。
(あ、これなら○○の名前呼べるし、触れる)
一回目。
ちゃんと驚いてくれた。
あんな反応、見たことなかった。
恥ずかしそうで、ちょっと怒ってて、でも可愛くて。
もっと見たいと思った。
二回目、三回目。
段々と困った顔に変わっていく。
これ、続けたらまた違う表情になるのかなって、
変化を見てみたくなった。
うざがられてるのは分かってた。
でも、一日にこんなに名前を呼んだこと、
今までなかった。
それが嬉しかった。
理由は後付けで天童さんのせいにした。
本当は、
名前を呼んで、こっちを向いてもらって、
目が合うのが嬉しいだけだった。
付き合ってる感じがするから。
彼女から指を掴まれたとき、思った。
(あっ…俺たち、今までほとんど触れてない。)
それに気づいた瞬間、もっと触れたいって思った。
見つめ合うだけで、○○が恥ずかしそうにする。
それって、ちゃんと俺を意識してるってことだよね。
掴んだ手首。
脈が早い。
俺のせいで──彼女の鼓動が早い。
それが、嬉しい。
『太一は表情に出にくいんだから、言葉で言うのが一番だョ〜』
天童さんの言葉を思い出す。
掴んでいた手首を、そっと離す。
代わりに、指先を絡めて、手を握る。
逃げられないくらい、でも強すぎないように。
「好きだよ。」
自分の声が少しだけ震えてる。
「態度で分かりにくいらしいから、これから何度も言うけど……。○○が好き。」
○○が固まる。
なんて返せばいいか分からなそうな顔。
だから、先に言う。
「付き合ってるからって、無理に好きって言わなくていいから。」
少し息を吸う。
「何度も言うから……。
だから、徐々に好きになって欲しいな…なんて…」
少し逃げた言い方で卑怯かもしれない。
でも、今はそれでいい。
○○は口ごもりながら、小さく言った。
「いっぱい言ってくれるのは……なんか、好きかも。」
その一言で、胸がぎゅっとなる。
好きって言うたびに、少しずつ本当に付き合ってるって形になればいい。
今日はもう、いたずらしない。
代わりに、名前を呼ぶ。
「○○。」
ちゃんと、手を握ったまま。
