心理テスト いたずら(烏野と……まだ考え中)
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「苗字、おはよう」
「澤村も、おはよう」
それだけのやり取り。
いつも通りの挨拶のはずなのにドキドキする。
二年生と時、同じクラスになって、普通に話すようになって。
困ったときにさりげなく助けてくれたり、周りをよく見て行動していたりする彼をいつの間にか視線で追ってた。
気づいたら、もう好きだった。
二年生のバレンタイン。
三年になったらクラスが変わるかもしれないし、失敗しても春休みを挟めば気まずさも薄れる……。
そんな友達の言葉に背中を押されて告白した。
チョコを渡すと、少し驚いた顔で「ありがとう」と言われた。
「義理じゃなくて、好きだから」と伝えると、また「ありがとう」と。
返事が分からなくて、「お返しはいらないから」と言ったら、
「あ……付き合うとかじゃなくて、報告だったのか」なんて言われて。
二人で顔を見合わせて、なぜか笑ってしまって。
その流れで……付き合うことになった。
学校では今もクラスメートの距離感でいる。
付き合ってるってみんなには言うの恥ずかしいって伝えたら、
「わかった。公にはしない。でも、ちゃんと付き合ってるって分かっててほしい。」
そう言われた。
それだけで十分だった。
お昼休み。
別の友達と食べるって嘘をついて、人通りの少ない校庭の端のベンチに行く。
部活で忙しい彼と、こうして二人きりになれる数少ない時間。
澤村のお弁当箱には、大きなおにぎりときれいに詰められたおかず。
なかでも前から気になっていた卵焼きがある。
「前から思ってたんだけど、澤村の卵焼き、美味しそうだよね」
「普通のだよ。しょっぱいやつ。」
甘くないんだ、と心の中で覚える。
もし、いつか作ることがあったら。
「でもさ、形もきれいだし……なんか美味しそう」
「そうかな?」
少し考えるみたいに間を置いてから、卵焼きをこちらに差し出してきた。
「……こうかんこ、する?」
一瞬、言葉の意味を考えてしまう。
こうかんこ。
交換っこ?
「いいの?」と聞く前に、口を開けてしまって、周りを気にしながらそのまま食べようとした瞬間──
ぱくり。
澤村が、その卵焼きをそのまま自分で食べた。
「……っ!?」
思わず彼の胸を軽く叩くと、
「ごめん、ちょっと意地悪した」と笑いながら、
もう一つの卵焼きを私のお弁当箱にそっと置く。
なんだか悔しくて、でも照れくさくて。
無言で口を開けて見上げると、澤村は一瞬目を丸くしてから、私の頭を軽く撫でて、卵焼きを口に運んだ。
「こういうのは楽しいけど、まだなんか恥ずかしいな……。」
少しだけ照れた声で続ける。
「でも、暑くなる前にはさ。教室でも一緒に飯食える関係にはなりたい」
「……周知は恥ずかしいけど、善処します」
堅い言い方になってしまっても、澤村は笑って、
「少しずつでいいよ」
そう言ってくれた。
私の甘い卵焼きを食べて、
「……甘いんだな」
と小さく驚く彼。
私はいつも彼が食べている、少ししょっぱい卵焼きを食べた。
※※※※※※※※※
(澤村視点)
朝練後の部室で、菅原が何気なく言った言葉が、
ずっと頭から離れない。
『普段見せない表情を見たいって思う気持ち、男子なら分かるでしょ?』
……分かるけど。
いたずらなんて、好きな相手にして嫌われる可能性を考えないのか。
俺はそういうのは得意じゃない。
苗字はいつもハキハキしている。
クラス委員として率先して動いて周りをまとめて、
予定外のことが起きると少し慌てるけど、
それでも声を掛けて何とかしようとする。
頑張ってるなって思ってた。
だから支えたいと思った。
最初はそれだけだった。
それがいつの間にか友達じゃなくて、異性として意識するようになっていた。
二年のバレンタイン。
チョコを渡されて、みんなに配ってるものだと思って「ありがとう」って言ったら、好きだと告げられた。
動揺して、返事も変になって、
それでも結局付き合うことになった。
付き合ってみて分かったのは、苗字が思っていた以上に恥ずかしがり屋だってこと。
朝の挨拶だけでも少しぎこちない。
周りは気づいてそうなのに、本人は「まだバレてない」と思ってるところも可愛い。
だったら、俺が合わせればいい。
昼休み。
いつも一緒に食べてる友達に「今日は外で食うから」と言うと、察したように友人が苗字を見る。
「内緒な」と笑って校庭へ向かう。
少し時間をずらしたせいか、苗字は慌てた様子でベンチにやってきた。
弁当箱を広げながら、覗き込むように俺の中身を見る。
唐揚げ、昨日の夕飯の残りの生姜焼き、ほうれん草のおひたし、卵焼き。
別で大きなおにぎりが三つ。
普通だと思うんだけど。
「前から思ってたけど、澤村の卵焼き美味しそうだよね」
そう言われて、少し考える。
普通の卵焼きだ。
でも苗字の卵焼きと何か違うのかと気になった。
「……交換こ、する?」
卵焼きを箸でつまんで、彼女の前に差し出す。
その瞬間、菅原の言葉を思い出した。
付き合って何ヶ月も経つのに、まだ俺を苗字で呼ぶ苗字。
関係を隠して、距離を保とうとする彼女。
ほんの少しだけ困らせたくなった。
周りを気にしながら口を開ける苗字。
その瞬間、自分で卵焼きを食べた。
一瞬、固まる彼女。
『なんで?』って顔。
拍子抜けしたような、
恥ずかしそうな、
その表情に思わず喉が鳴る。
胸を軽く叩かれて、
俺の邪な考えを悟られたかと彼女を見る。
……バレてないよな。
笑って誤魔化して、もう一つの卵焼きを彼女の弁当箱に置く。
すると今度は、食べさせてほしいみたいに苗字は口を開けた。
その口に卵焼きを運ぶと満足そうに食べる。
妹にするみたいに、つい頭を撫でてしまう。
可愛い。
でも……
そんな仕草がもどかしい。
俺に向けられてるその「好き」が、
ちゃんと異性としてなのか不安になる。
「……そのうち、教室でも一緒に食べたいな」
思わず口にした言葉に、苗字は少し悩んでから「……善処します」
なんて真面目に返してきた。
焦らなくていい。
そう思うのにもっと近づきたくもなる。
彼女の卵焼きは甘くて、正直俺の好みとは違う。
でも、それが今の俺たちの関係みたいで悪くないと思った。
バラしたい気持ちと、バレたくない気持ち。
両方あるのも、案外楽しい。
予鈴が鳴るギリギリまで、一緒にベンチに座っていた。
これだけ一緒にいれば、もうバレてもおかしくないのに。
それでも、時間を忘れるくらいこの昼休みの時間が居心地がよかった。
「澤村も、おはよう」
それだけのやり取り。
いつも通りの挨拶のはずなのにドキドキする。
二年生と時、同じクラスになって、普通に話すようになって。
困ったときにさりげなく助けてくれたり、周りをよく見て行動していたりする彼をいつの間にか視線で追ってた。
気づいたら、もう好きだった。
二年生のバレンタイン。
三年になったらクラスが変わるかもしれないし、失敗しても春休みを挟めば気まずさも薄れる……。
そんな友達の言葉に背中を押されて告白した。
チョコを渡すと、少し驚いた顔で「ありがとう」と言われた。
「義理じゃなくて、好きだから」と伝えると、また「ありがとう」と。
返事が分からなくて、「お返しはいらないから」と言ったら、
「あ……付き合うとかじゃなくて、報告だったのか」なんて言われて。
二人で顔を見合わせて、なぜか笑ってしまって。
その流れで……付き合うことになった。
学校では今もクラスメートの距離感でいる。
付き合ってるってみんなには言うの恥ずかしいって伝えたら、
「わかった。公にはしない。でも、ちゃんと付き合ってるって分かっててほしい。」
そう言われた。
それだけで十分だった。
お昼休み。
別の友達と食べるって嘘をついて、人通りの少ない校庭の端のベンチに行く。
部活で忙しい彼と、こうして二人きりになれる数少ない時間。
澤村のお弁当箱には、大きなおにぎりときれいに詰められたおかず。
なかでも前から気になっていた卵焼きがある。
「前から思ってたんだけど、澤村の卵焼き、美味しそうだよね」
「普通のだよ。しょっぱいやつ。」
甘くないんだ、と心の中で覚える。
もし、いつか作ることがあったら。
「でもさ、形もきれいだし……なんか美味しそう」
「そうかな?」
少し考えるみたいに間を置いてから、卵焼きをこちらに差し出してきた。
「……こうかんこ、する?」
一瞬、言葉の意味を考えてしまう。
こうかんこ。
交換っこ?
「いいの?」と聞く前に、口を開けてしまって、周りを気にしながらそのまま食べようとした瞬間──
ぱくり。
澤村が、その卵焼きをそのまま自分で食べた。
「……っ!?」
思わず彼の胸を軽く叩くと、
「ごめん、ちょっと意地悪した」と笑いながら、
もう一つの卵焼きを私のお弁当箱にそっと置く。
なんだか悔しくて、でも照れくさくて。
無言で口を開けて見上げると、澤村は一瞬目を丸くしてから、私の頭を軽く撫でて、卵焼きを口に運んだ。
「こういうのは楽しいけど、まだなんか恥ずかしいな……。」
少しだけ照れた声で続ける。
「でも、暑くなる前にはさ。教室でも一緒に飯食える関係にはなりたい」
「……周知は恥ずかしいけど、善処します」
堅い言い方になってしまっても、澤村は笑って、
「少しずつでいいよ」
そう言ってくれた。
私の甘い卵焼きを食べて、
「……甘いんだな」
と小さく驚く彼。
私はいつも彼が食べている、少ししょっぱい卵焼きを食べた。
※※※※※※※※※
(澤村視点)
朝練後の部室で、菅原が何気なく言った言葉が、
ずっと頭から離れない。
『普段見せない表情を見たいって思う気持ち、男子なら分かるでしょ?』
……分かるけど。
いたずらなんて、好きな相手にして嫌われる可能性を考えないのか。
俺はそういうのは得意じゃない。
苗字はいつもハキハキしている。
クラス委員として率先して動いて周りをまとめて、
予定外のことが起きると少し慌てるけど、
それでも声を掛けて何とかしようとする。
頑張ってるなって思ってた。
だから支えたいと思った。
最初はそれだけだった。
それがいつの間にか友達じゃなくて、異性として意識するようになっていた。
二年のバレンタイン。
チョコを渡されて、みんなに配ってるものだと思って「ありがとう」って言ったら、好きだと告げられた。
動揺して、返事も変になって、
それでも結局付き合うことになった。
付き合ってみて分かったのは、苗字が思っていた以上に恥ずかしがり屋だってこと。
朝の挨拶だけでも少しぎこちない。
周りは気づいてそうなのに、本人は「まだバレてない」と思ってるところも可愛い。
だったら、俺が合わせればいい。
昼休み。
いつも一緒に食べてる友達に「今日は外で食うから」と言うと、察したように友人が苗字を見る。
「内緒な」と笑って校庭へ向かう。
少し時間をずらしたせいか、苗字は慌てた様子でベンチにやってきた。
弁当箱を広げながら、覗き込むように俺の中身を見る。
唐揚げ、昨日の夕飯の残りの生姜焼き、ほうれん草のおひたし、卵焼き。
別で大きなおにぎりが三つ。
普通だと思うんだけど。
「前から思ってたけど、澤村の卵焼き美味しそうだよね」
そう言われて、少し考える。
普通の卵焼きだ。
でも苗字の卵焼きと何か違うのかと気になった。
「……交換こ、する?」
卵焼きを箸でつまんで、彼女の前に差し出す。
その瞬間、菅原の言葉を思い出した。
付き合って何ヶ月も経つのに、まだ俺を苗字で呼ぶ苗字。
関係を隠して、距離を保とうとする彼女。
ほんの少しだけ困らせたくなった。
周りを気にしながら口を開ける苗字。
その瞬間、自分で卵焼きを食べた。
一瞬、固まる彼女。
『なんで?』って顔。
拍子抜けしたような、
恥ずかしそうな、
その表情に思わず喉が鳴る。
胸を軽く叩かれて、
俺の邪な考えを悟られたかと彼女を見る。
……バレてないよな。
笑って誤魔化して、もう一つの卵焼きを彼女の弁当箱に置く。
すると今度は、食べさせてほしいみたいに苗字は口を開けた。
その口に卵焼きを運ぶと満足そうに食べる。
妹にするみたいに、つい頭を撫でてしまう。
可愛い。
でも……
そんな仕草がもどかしい。
俺に向けられてるその「好き」が、
ちゃんと異性としてなのか不安になる。
「……そのうち、教室でも一緒に食べたいな」
思わず口にした言葉に、苗字は少し悩んでから「……善処します」
なんて真面目に返してきた。
焦らなくていい。
そう思うのにもっと近づきたくもなる。
彼女の卵焼きは甘くて、正直俺の好みとは違う。
でも、それが今の俺たちの関係みたいで悪くないと思った。
バラしたい気持ちと、バレたくない気持ち。
両方あるのも、案外楽しい。
予鈴が鳴るギリギリまで、一緒にベンチに座っていた。
これだけ一緒にいれば、もうバレてもおかしくないのに。
それでも、時間を忘れるくらいこの昼休みの時間が居心地がよかった。
