心理テスト いたずら(烏野と……まだ考え中)
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朝のホームルーム。
いつもの席に座って先生の話を聞いていると、斜め前から視線を感じた。
ちら、と目を向けると西谷がこちらを見ている。
目が合った瞬間、ばっと前を向く。その様子があまりにも分かりやすくて、思わず首を傾げた。
──また見る。
──また逸らす。
落ち着きのないその動きが気になって仕方がない。
どうかしたのかな。
そう思った矢先、担任の先生が注意する。
「西谷、よそ見しない」
注意された彼は謝り、それきり視線は来なくなった。
ホームルームはそのまま終わり、教室には朝特有のざわつきが戻る。
一限目の教科書を取りに席を立ち、そのまま西谷の机まで行った。
「ねえ、なんか私に用事あった?」
少しだけ身を屈めて聞くと、西谷は一瞬だけ視線を泳がせた。
「ん─……いや別に……。」
歯切れの悪い返事。
言いたいことは思った瞬間に口にするタイプなのに、こんな言い方は珍しい。
「ふーん」
納得できないまま自分の席に戻る。
(私、何かしたかな……)
心当たりはないけれど、さっきから引っかかる。
でも一限が始まってしまえば、そんな小さな違和感は黒板の文字に押し流されていった。
───────
気づけば一日の授業は終わり、教室は一気に放課後の空気になる。
勉強は嫌いじゃない。でも、部活の時間の方が好きだ。
バイトに行く友達に「またね」と手を振り、鞄を肩にかけて席を立った、その時。
「苗字」
名前を呼ばれて振り向いた瞬間、頬に何かが当たった。
近い。
覗き込むように、西谷が目の前にいる。
……いや、違う。
当たっているのは──指。
私の頬に、ぐっと指が刺さっていた。
(あ……)
一瞬遅れて理解する。
(いたずら?)
刺さったままの指をそのままに、頬に空気を入れてぷくっと膨らませる。
「西谷─!」
わざと低めの声で抗議したのに、西谷は私を見ているだけ。
「変ないたずらしないでよ!」
睨んでいるはずなのに、視線の先の彼の表情に違和感を覚える。
いたずら成功したらもっと得意げに笑うはずなのに。
──目線が優しい。
「……」
何も言わずに、ただこちらを見るその間が、妙にもどかしい。
理由も分からないまま、手を伸ばして西谷のほっぺをつまんだ。
「……なに、その顔」
そう言った自分の声が、思ったより小さかった。
西谷は驚いたように一瞬目を瞬かせてから、少しだけ笑った。
※※※※※※※※※
(西谷視点)
席についても、朝のスガさんの言葉が頭から離れない。
──好きな人に、いたずら。
──揶揄いたくなる気持ち。
正直、よく分からない。
「気になる」と「好き」は同じなのか?
それとも全然違うのか?
俺は女の子にモテたい。
それは本音だ。
龍と一緒に潔子さんのところへ真っ直ぐ向かうのなんて、もはや恒例行事みたいなもんだし、女子に「西谷くんってかっこいいよね」って言われたら、そりゃ嬉しい。
……なのに。
斜め後ろの席に座る苗字に、視線が向く。
なんでか。
他にも女子はいるのに、なんで苗字ばっかり気になるんだ。
(俺、苗字のこと……好きなのか?)
答えは出ない。
分からないまま、ちらちらと斜め後ろを見ていたら、先生に怒られた。
授業はいつも通りよく分からなくて、途中で寝て、部活のことを考えてるはずなのに、頭の片隅にはずっと苗字がいる。
……いたずらでもしたら、スガさんの言ってた意味、分かるのかな。
『普段見せない表情を見たいって思う気持ち、男子なら分かるでしょ?』
言葉が、頭の中で何度も再生される。
でも、いたずらって何すればいいんだろ。
小学生の頃みたいにダンゴムシ集めて渡すとか、さすがに論外だし、
スカートめくりなんてビンタで済まねえ。
考えた末に残ったのは、
声をかけて、振り向いた苗字のほっぺたに指を刺す──それくらい。
それなら、まだセーフだろ。
……いや、でも。
いざやろうとすると、タイミングが分からない。
席が近ぇから声はかけやすいはずなのに、休み時間は友達と話してるし、昼休みは飯食ってるし、笑ってるし。
気づいたら、放課後だった。
席に座ったまま、友達に「またね」って声をかける苗字。
俺はそっと後ろに回り込んで、機会を待つ。
「苗字」
名前を呼ぶ。
振り向いた彼女の頬に、指先が当たった。
……それだけのはずだった。
なのに。
頬がぷくっと膨らんで、困ったような顔で俺を見る。
指に伝わる感触が、やたら柔らかい。
「西谷ー!」
名前を呼ばれて、睨まれてる……はずなのに。
これ、ほんとに睨まれてるか?
可愛い、って思った。
胸が、ぎゅっとなる。
「いたずらしないでよ」
そう言われて、今度は苗字が俺の頬をつまんでくる。
反応されたのが嬉しい。
触られるのも、正直、嬉しい。
でも──。
困った顔より、
普段みたいに話して笑ってる顔の方が
ずっと好きだ。
……好き?
急に、顔が熱くなる。
苗字が俺を見てるのが、急に恥ずかしくなる。
「いたずらしておいて照れるとか、なんか反応に困る!」
そう言われて、照れ隠しみたいに笑った。
……ああ、分かった。
スガさんには、こう言おう。
『好きな子を揶揄う気持ち、俺はまだよく分かんないっす』って。
困らせた反応より、
俺が笑って、それにつられて苗字が笑う。
その顔の方が、俺は好きだから。
いつもの席に座って先生の話を聞いていると、斜め前から視線を感じた。
ちら、と目を向けると西谷がこちらを見ている。
目が合った瞬間、ばっと前を向く。その様子があまりにも分かりやすくて、思わず首を傾げた。
──また見る。
──また逸らす。
落ち着きのないその動きが気になって仕方がない。
どうかしたのかな。
そう思った矢先、担任の先生が注意する。
「西谷、よそ見しない」
注意された彼は謝り、それきり視線は来なくなった。
ホームルームはそのまま終わり、教室には朝特有のざわつきが戻る。
一限目の教科書を取りに席を立ち、そのまま西谷の机まで行った。
「ねえ、なんか私に用事あった?」
少しだけ身を屈めて聞くと、西谷は一瞬だけ視線を泳がせた。
「ん─……いや別に……。」
歯切れの悪い返事。
言いたいことは思った瞬間に口にするタイプなのに、こんな言い方は珍しい。
「ふーん」
納得できないまま自分の席に戻る。
(私、何かしたかな……)
心当たりはないけれど、さっきから引っかかる。
でも一限が始まってしまえば、そんな小さな違和感は黒板の文字に押し流されていった。
───────
気づけば一日の授業は終わり、教室は一気に放課後の空気になる。
勉強は嫌いじゃない。でも、部活の時間の方が好きだ。
バイトに行く友達に「またね」と手を振り、鞄を肩にかけて席を立った、その時。
「苗字」
名前を呼ばれて振り向いた瞬間、頬に何かが当たった。
近い。
覗き込むように、西谷が目の前にいる。
……いや、違う。
当たっているのは──指。
私の頬に、ぐっと指が刺さっていた。
(あ……)
一瞬遅れて理解する。
(いたずら?)
刺さったままの指をそのままに、頬に空気を入れてぷくっと膨らませる。
「西谷─!」
わざと低めの声で抗議したのに、西谷は私を見ているだけ。
「変ないたずらしないでよ!」
睨んでいるはずなのに、視線の先の彼の表情に違和感を覚える。
いたずら成功したらもっと得意げに笑うはずなのに。
──目線が優しい。
「……」
何も言わずに、ただこちらを見るその間が、妙にもどかしい。
理由も分からないまま、手を伸ばして西谷のほっぺをつまんだ。
「……なに、その顔」
そう言った自分の声が、思ったより小さかった。
西谷は驚いたように一瞬目を瞬かせてから、少しだけ笑った。
※※※※※※※※※
(西谷視点)
席についても、朝のスガさんの言葉が頭から離れない。
──好きな人に、いたずら。
──揶揄いたくなる気持ち。
正直、よく分からない。
「気になる」と「好き」は同じなのか?
それとも全然違うのか?
俺は女の子にモテたい。
それは本音だ。
龍と一緒に潔子さんのところへ真っ直ぐ向かうのなんて、もはや恒例行事みたいなもんだし、女子に「西谷くんってかっこいいよね」って言われたら、そりゃ嬉しい。
……なのに。
斜め後ろの席に座る苗字に、視線が向く。
なんでか。
他にも女子はいるのに、なんで苗字ばっかり気になるんだ。
(俺、苗字のこと……好きなのか?)
答えは出ない。
分からないまま、ちらちらと斜め後ろを見ていたら、先生に怒られた。
授業はいつも通りよく分からなくて、途中で寝て、部活のことを考えてるはずなのに、頭の片隅にはずっと苗字がいる。
……いたずらでもしたら、スガさんの言ってた意味、分かるのかな。
『普段見せない表情を見たいって思う気持ち、男子なら分かるでしょ?』
言葉が、頭の中で何度も再生される。
でも、いたずらって何すればいいんだろ。
小学生の頃みたいにダンゴムシ集めて渡すとか、さすがに論外だし、
スカートめくりなんてビンタで済まねえ。
考えた末に残ったのは、
声をかけて、振り向いた苗字のほっぺたに指を刺す──それくらい。
それなら、まだセーフだろ。
……いや、でも。
いざやろうとすると、タイミングが分からない。
席が近ぇから声はかけやすいはずなのに、休み時間は友達と話してるし、昼休みは飯食ってるし、笑ってるし。
気づいたら、放課後だった。
席に座ったまま、友達に「またね」って声をかける苗字。
俺はそっと後ろに回り込んで、機会を待つ。
「苗字」
名前を呼ぶ。
振り向いた彼女の頬に、指先が当たった。
……それだけのはずだった。
なのに。
頬がぷくっと膨らんで、困ったような顔で俺を見る。
指に伝わる感触が、やたら柔らかい。
「西谷ー!」
名前を呼ばれて、睨まれてる……はずなのに。
これ、ほんとに睨まれてるか?
可愛い、って思った。
胸が、ぎゅっとなる。
「いたずらしないでよ」
そう言われて、今度は苗字が俺の頬をつまんでくる。
反応されたのが嬉しい。
触られるのも、正直、嬉しい。
でも──。
困った顔より、
普段みたいに話して笑ってる顔の方が
ずっと好きだ。
……好き?
急に、顔が熱くなる。
苗字が俺を見てるのが、急に恥ずかしくなる。
「いたずらしておいて照れるとか、なんか反応に困る!」
そう言われて、照れ隠しみたいに笑った。
……ああ、分かった。
スガさんには、こう言おう。
『好きな子を揶揄う気持ち、俺はまだよく分かんないっす』って。
困らせた反応より、
俺が笑って、それにつられて苗字が笑う。
その顔の方が、俺は好きだから。
