西谷 高校生編 色々
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日曜の午前、部活の半練が終わって、
約束どおり西谷と一緒に学校を出た。
お互いジャージ姿のまま。
制服でも、オシャレな格好でもないのに、
「一緒に帰る」ただそれだけが特別に思えて仕方ない。
横で笑う彼の声がやけに近くて、
その笑顔が全部自分に向けられてると思うと、
胸の奥がくすぐったくなる。
うまく返事もできずに、頷くだけ。
そんな自分が少し情けないけど、
彼が楽しそうにしているから、それでいい気がした。
「なあ、腹減らね? コロッケ買おうぜ!」
商店街の角を曲がったところにある小さな惣菜屋。
湯気の向こうで笑顔のおばちゃんが手を振る。
「仲のいい姉弟ね~」
その一言に、思わず背をすくめて俯いた。
――やっぱり、そう見えるよね。
私、背が高いし。
隣を見上げると、彼がキョトンと目を瞬かせてから、
一歩前に出た。
「おばちゃん! 違う違う! 俺の彼女! 自慢したいぐらいかわいいんだけど、姉弟に見えるの?!」
おばちゃんは「あら、ごめん!」と笑って、
「ほら、あんた格好いいじゃないの、オマケでコロッケもう一個ね!」
と、紙袋を差し出した。
「ありがとー! また来るわ!」
彼は声を弾ませて店を出た。
私はまだ顔が熱くて、下を向いたままついていく。
その背中に、突然――バシッと一発。
「うわっ……!」
「おい、背中丸めんな! シャンとしろ!」
振り返った夕の顔は、真剣で、でもどこか優しい。
「俺はおまえが好きだ! 胸張って歩け! 手、繋ぐぞ!」
そう言って、自然に差し出された手。
迷っているうちに、指先を包まれた。
あたたかい掌に、心臓の音が跳ねる。
「……オマケのコロッケ、得したな!」
照れ隠しみたいに笑う彼につられて、
私も笑ってしまった。
夕方の陽射しの中、
油の香りと笑い声が混ざって、
指先に残る熱がずっと離れなかった。
約束どおり西谷と一緒に学校を出た。
お互いジャージ姿のまま。
制服でも、オシャレな格好でもないのに、
「一緒に帰る」ただそれだけが特別に思えて仕方ない。
横で笑う彼の声がやけに近くて、
その笑顔が全部自分に向けられてると思うと、
胸の奥がくすぐったくなる。
うまく返事もできずに、頷くだけ。
そんな自分が少し情けないけど、
彼が楽しそうにしているから、それでいい気がした。
「なあ、腹減らね? コロッケ買おうぜ!」
商店街の角を曲がったところにある小さな惣菜屋。
湯気の向こうで笑顔のおばちゃんが手を振る。
「仲のいい姉弟ね~」
その一言に、思わず背をすくめて俯いた。
――やっぱり、そう見えるよね。
私、背が高いし。
隣を見上げると、彼がキョトンと目を瞬かせてから、
一歩前に出た。
「おばちゃん! 違う違う! 俺の彼女! 自慢したいぐらいかわいいんだけど、姉弟に見えるの?!」
おばちゃんは「あら、ごめん!」と笑って、
「ほら、あんた格好いいじゃないの、オマケでコロッケもう一個ね!」
と、紙袋を差し出した。
「ありがとー! また来るわ!」
彼は声を弾ませて店を出た。
私はまだ顔が熱くて、下を向いたままついていく。
その背中に、突然――バシッと一発。
「うわっ……!」
「おい、背中丸めんな! シャンとしろ!」
振り返った夕の顔は、真剣で、でもどこか優しい。
「俺はおまえが好きだ! 胸張って歩け! 手、繋ぐぞ!」
そう言って、自然に差し出された手。
迷っているうちに、指先を包まれた。
あたたかい掌に、心臓の音が跳ねる。
「……オマケのコロッケ、得したな!」
照れ隠しみたいに笑う彼につられて、
私も笑ってしまった。
夕方の陽射しの中、
油の香りと笑い声が混ざって、
指先に残る熱がずっと離れなかった。
