心理テスト Xmasプレゼント (青葉城西)
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《京谷編》
中学
苗字は最初から"浮いてる"やつだった。
髪色もピアスバチバチにあけてて、派手すぎて、教師の目の敵にされていた。
別に関わったこともないのに、生活指導に呼ばれた時、机を挟んで向かい合う羽目になった。
二人とも黙って座ってただけなのに、何故かセンコーは一緒くたにして言う。
「お前らみたいなのは、ほんとに……」
その"お前ら"がやたら癪に障って、反省文を書けと言われた時も俺は反抗心でペンを持つ気になれなかった。
隣では苗字がため息もつかずにペンを走らせる。
その速さがまたムカついた。
「……書きたくねぇんだけど」
ぽつりとこぼした俺に、苗字は顔も上げずに言った。
「思ってもないことでも書いときゃ楽だよ。
京谷も、そのへん要領よくやればいいのに」
軽く笑って。
そこからだ。
接点なんかないはずなのに、指導という名の生徒指導室で拘束されてる時間が増えて、言葉も少しずつ増えて、気づけば目で追うようになった。
苗字には年上の彼氏がいるって聞いた。
だから勝手な想いだって分かってた。
でも彼女が頬を腫らして登校してきた朝、気づいたら俺は二つ上のその男を殴っていた。
殴りながら、なんでこんなことしてるのか自分でも分からなかった。
停学明け。
苗字は校門の前で腕を組んで待っていた。
「ありがとうなんて言わねーし。
……でも、京谷の好きなバレー出来なくして、ごめん」
"俺の好きなバレー"。こいつは知ってたんだって気づいた瞬間、胸が苦しくなった。
なのに何も返せなかった。
学校の中でも浮いてる二人。
友達なんかいないのに、一緒の時間だけやたら楽だった。
「京谷さ、そんなナリだけど勉強出来るんでしょ。青葉城西いけば?あの高校バレー強いんでしょ?」
「お前と同じ高校行くし」
「なんで私と一緒の高校なんだよ。合わせなくていいって。地頭ちげーし」
そんな言葉が自然に出るくらいの距離になっていた。
けれど結局、勧められた青葉城西に俺は行き。彼女とは高校は別になった。
───────
入学して気づいた。
俺は相変わらず浮いてる。
部活でも馴染めず、クラスでも話すやつもいない。
一方、苗字は高校で友達が増えたらしく、楽しそうだった。
そのことを嬉しいと思いながら、どこか置いていかれた気もした。
そして高2の十月。
久しぶりに会った苗字は、やけにテンション高く笑った。
「おー。久しぶりじゃん、京谷!」
いつも通りで、ちょっとだけ変わってて、でも懐かしい。
部活の愚痴を言った俺に、彼女はケラケラ笑って言った。
「産まれた年が違うくらいでうぜぇってなるし、面倒くさい気持ちもわかるけど……。京谷ってさ、合わせる度量ないよな」
「うっせ。度量ってなんだよ…。」
「先輩後輩とか、ほんとはどうでもいいじゃん。その場を楽しむのも、大事だよ。
……ねぇ、今、楽しんでる?」
"楽しんでる"か。
そんなこと聞かれて初めて自分の足元を見る。
部活にも行かず、近場のサークルでバレーを続けてるだけ。
ぽつぽつ話したら、彼女はふっと目を細めた。
「やっぱさ、青葉城西行ってよかったじゃん。喧嘩も出来る相手がいるのはさ。」
なんでそこで笑うんだよ、と言いかけたけど、意味はわからなかった。
けど、その言葉に妙な温度だけは残った。
春高予選。
久しぶりに試合に出た。
先輩にも同期にも、ちょっとだけ認められて、
もし最初からちゃんと部員としてやってたらとか、初めて思った。
だからサークルより部活の練習に行くようになった。
相変わらず人間関係はめんどくさいけど、
それでも楽しかった。
──────
そんな頃、帰り道でまた苗字に会った。
「おつー」
「ウス」
自然とコンビニに入る。
彼女はホットスナックの前で立ち止まり、にやっと笑った。
「ハミマのチキン。クリスマスプレゼント」
紙袋を押しつけてくる。
ああ、今日クリスマスか──とその時初めて思い出す。
俺もさっき買った袋を持ってた。
理由はわからないけど、久しぶりに会って、何か渡したくなったから。
「これ……」
袋を渡すと、苗字は「京谷も私にXmasプレゼントくれるの?」と袋を開ける。
そして出てきたのはチョコマカロン。
「えっ、マカロン?なんでマカロンw京谷がマカロンwなんかツボる!」
腹抱えて笑い出した。
その笑い声が昔よりずっと明るくて、"この高校はこいつに合ってるんだろうな"って思った。
俺は、揶揄われた悔しさより、彼女が笑ってることが単純に嬉しくて、じっと見つめていた。
気づけば言葉がこぼれてた。
「……苗字が青葉城西すすめてくれたの、
良かった。最近部活行けてるし楽しい」
「そっか」
その一言と微笑みだけで、胸の奥が熱くなった。
気づけば、彼女を抱きしめていた。
驚かれるかと思ったのに、苗字は何も言わず、俺の背中に手を添えてくれた。
久しぶりなのに、間が全然怖くなかった。
言わないといけない気がして、喉が熱くなる。
「……ずっと、お前のこと好きなんだけど」
言った瞬間、苗字は肩をすくめて笑った。
「今頃?知ってたわ。人との関係性築くの苦手すぎんだろ。急に告って抱き締めるとか。返事も聞いてない癖に。京谷じゃなかったら突き放してる。」
ムカつく。
でも、その言葉が嬉しい。
「……じゃあ、お前がそういうの教えろよ」
耳元で言ったら、彼女は小さく息をのんでから囁いた。
「教えろって…。勉強じゃないよ。実践だって」
そしてキスされた。
思ったより柔らかくて、思ったより近くて、戸惑いの方が大きかった。
「これから分からせるから。覚悟しとけ」
気づけば、そんな負け惜しみしか言えなかった。
それでも、その夜の空気は、中学からずっと続いてきた線がやっと結ばれたみたいに静かで甘かった。
中学
苗字は最初から"浮いてる"やつだった。
髪色もピアスバチバチにあけてて、派手すぎて、教師の目の敵にされていた。
別に関わったこともないのに、生活指導に呼ばれた時、机を挟んで向かい合う羽目になった。
二人とも黙って座ってただけなのに、何故かセンコーは一緒くたにして言う。
「お前らみたいなのは、ほんとに……」
その"お前ら"がやたら癪に障って、反省文を書けと言われた時も俺は反抗心でペンを持つ気になれなかった。
隣では苗字がため息もつかずにペンを走らせる。
その速さがまたムカついた。
「……書きたくねぇんだけど」
ぽつりとこぼした俺に、苗字は顔も上げずに言った。
「思ってもないことでも書いときゃ楽だよ。
京谷も、そのへん要領よくやればいいのに」
軽く笑って。
そこからだ。
接点なんかないはずなのに、指導という名の生徒指導室で拘束されてる時間が増えて、言葉も少しずつ増えて、気づけば目で追うようになった。
苗字には年上の彼氏がいるって聞いた。
だから勝手な想いだって分かってた。
でも彼女が頬を腫らして登校してきた朝、気づいたら俺は二つ上のその男を殴っていた。
殴りながら、なんでこんなことしてるのか自分でも分からなかった。
停学明け。
苗字は校門の前で腕を組んで待っていた。
「ありがとうなんて言わねーし。
……でも、京谷の好きなバレー出来なくして、ごめん」
"俺の好きなバレー"。こいつは知ってたんだって気づいた瞬間、胸が苦しくなった。
なのに何も返せなかった。
学校の中でも浮いてる二人。
友達なんかいないのに、一緒の時間だけやたら楽だった。
「京谷さ、そんなナリだけど勉強出来るんでしょ。青葉城西いけば?あの高校バレー強いんでしょ?」
「お前と同じ高校行くし」
「なんで私と一緒の高校なんだよ。合わせなくていいって。地頭ちげーし」
そんな言葉が自然に出るくらいの距離になっていた。
けれど結局、勧められた青葉城西に俺は行き。彼女とは高校は別になった。
───────
入学して気づいた。
俺は相変わらず浮いてる。
部活でも馴染めず、クラスでも話すやつもいない。
一方、苗字は高校で友達が増えたらしく、楽しそうだった。
そのことを嬉しいと思いながら、どこか置いていかれた気もした。
そして高2の十月。
久しぶりに会った苗字は、やけにテンション高く笑った。
「おー。久しぶりじゃん、京谷!」
いつも通りで、ちょっとだけ変わってて、でも懐かしい。
部活の愚痴を言った俺に、彼女はケラケラ笑って言った。
「産まれた年が違うくらいでうぜぇってなるし、面倒くさい気持ちもわかるけど……。京谷ってさ、合わせる度量ないよな」
「うっせ。度量ってなんだよ…。」
「先輩後輩とか、ほんとはどうでもいいじゃん。その場を楽しむのも、大事だよ。
……ねぇ、今、楽しんでる?」
"楽しんでる"か。
そんなこと聞かれて初めて自分の足元を見る。
部活にも行かず、近場のサークルでバレーを続けてるだけ。
ぽつぽつ話したら、彼女はふっと目を細めた。
「やっぱさ、青葉城西行ってよかったじゃん。喧嘩も出来る相手がいるのはさ。」
なんでそこで笑うんだよ、と言いかけたけど、意味はわからなかった。
けど、その言葉に妙な温度だけは残った。
春高予選。
久しぶりに試合に出た。
先輩にも同期にも、ちょっとだけ認められて、
もし最初からちゃんと部員としてやってたらとか、初めて思った。
だからサークルより部活の練習に行くようになった。
相変わらず人間関係はめんどくさいけど、
それでも楽しかった。
──────
そんな頃、帰り道でまた苗字に会った。
「おつー」
「ウス」
自然とコンビニに入る。
彼女はホットスナックの前で立ち止まり、にやっと笑った。
「ハミマのチキン。クリスマスプレゼント」
紙袋を押しつけてくる。
ああ、今日クリスマスか──とその時初めて思い出す。
俺もさっき買った袋を持ってた。
理由はわからないけど、久しぶりに会って、何か渡したくなったから。
「これ……」
袋を渡すと、苗字は「京谷も私にXmasプレゼントくれるの?」と袋を開ける。
そして出てきたのはチョコマカロン。
「えっ、マカロン?なんでマカロンw京谷がマカロンwなんかツボる!」
腹抱えて笑い出した。
その笑い声が昔よりずっと明るくて、"この高校はこいつに合ってるんだろうな"って思った。
俺は、揶揄われた悔しさより、彼女が笑ってることが単純に嬉しくて、じっと見つめていた。
気づけば言葉がこぼれてた。
「……苗字が青葉城西すすめてくれたの、
良かった。最近部活行けてるし楽しい」
「そっか」
その一言と微笑みだけで、胸の奥が熱くなった。
気づけば、彼女を抱きしめていた。
驚かれるかと思ったのに、苗字は何も言わず、俺の背中に手を添えてくれた。
久しぶりなのに、間が全然怖くなかった。
言わないといけない気がして、喉が熱くなる。
「……ずっと、お前のこと好きなんだけど」
言った瞬間、苗字は肩をすくめて笑った。
「今頃?知ってたわ。人との関係性築くの苦手すぎんだろ。急に告って抱き締めるとか。返事も聞いてない癖に。京谷じゃなかったら突き放してる。」
ムカつく。
でも、その言葉が嬉しい。
「……じゃあ、お前がそういうの教えろよ」
耳元で言ったら、彼女は小さく息をのんでから囁いた。
「教えろって…。勉強じゃないよ。実践だって」
そしてキスされた。
思ったより柔らかくて、思ったより近くて、戸惑いの方が大きかった。
「これから分からせるから。覚悟しとけ」
気づけば、そんな負け惜しみしか言えなかった。
それでも、その夜の空気は、中学からずっと続いてきた線がやっと結ばれたみたいに静かで甘かった。
