心理テスト おでんの具 烏野高校
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坂の下商店から出た瞬間、まだ店内では男バレの声が響いていた。
「一品だけって逆にムズい!」
「だから大声出すなって!」
「選んだやつから出ろー!」
外にいても丸聞こえで、思わず吹き出しながら肉まんを齧りついた。ほどなくして、ぞろぞろと男子たちが出てきて、その中で西谷が私の横まで駆け寄ってくる。
「苗字は肉まん? 俺さ、迷ったけどウインナー巻とガリガリ君!」
「熱いのと冷たいの? 口の中、忙しくない?」
「いやいや、ガリガリ君はいつ食ってもうまいっしょ!」
二カッと笑って、アイスを2口で食べ終わらせると、即おでんのフタを開け始めた。
「一口ずつ交換するか?」
その勢いに返事をする前、横からひょいっと影が差し込む。
「西谷の一口と、苗字の一口はだいぶ意味が違うの、わからない?」
声が低い。
振り向くと縁下だった。
「そうかな?」と西谷がすっと開けた口を引っ込め、「あ、そ、そうかも」と納得してしまう。
「田中、二品買ったっぽいから、そっち行って」
手をひらひらさせて追い払う縁下。
西谷は「龍〜! 一口交換!」と走って行き、
「ノヤさんの一口はデカすぎて無理!」と田中が逃げながら叫ぶ。
「店先だって言ってんだろ!」
澤村さんが言うより先に縁下が怒鳴って収めてしまった。
隣で自然と笑ってしまう。
クラスで話す時も思ってたけど、縁下って西谷と田中の扱いがとにかく上手い。
お兄ちゃんというか……影のまとめ役?
「なんか縁下って、お兄ちゃんぽいね」
「問題児が多いからそう見えるだけ」
そんなこと言いながらも、手元のおでんにかぶりつく。
串には牛すじ。 やっぱり通っぽい。
「おでん、串なんだ?」
「うん。牛すじ」
「通っぽい……流石、お兄ちゃん」
ほんの少しだけ含みを持たせて笑ってみせると、縁下は眉を寄せた。
「同級生にお兄ちゃんはやめて」
……揶揄いたくなる。
「お兄ちゃん、肉まん一口いる?」
差し出した手の上で、縁下が固まった。
動かない。
無言。
真顔。
(……あれ? これ、怒らせた?)
「ごめん」と小さく謝ると、彼がはっとする。
「違うし!」
「お腹空いてるかなって思って言ったのに、拒否られたし……」
「違うから!!」
「なんか悲しいなぁ」
「そういう意味じゃなくて……!」
どんどん深みにはまっていく縁下が面白くて、つい追い打ちをかけてしまう。
「牛すじ一口くれたら、機嫌良くなるかも」
睨まれるかと思いきや、彼は息を吐いて、串を差し出した。
「……それが狙いか。串先、気をつけて」
差し出された牛すじに、ニヤッとしながらバクっと噛みつく。
繋がってるのをわかってて、全部いった。
「……あざーす」
口いっぱいに頬張りながら言うと、縁下が怒るより先に心配してきた。
「噛み切れた? 無理しないで。」
なんだろう。
こういう気遣い、兄がいたらこんな感じなのかも。
でも、同級生に対してそんな感情になるのも、なんか変。
口いっぱいの牛すじを飲み込んで、小さく笑った。
──縁下って、やっぱり優しい。
***
〈縁下視点〉
1年の時から同じクラスだった苗字。
同じバレー部だし、話す機会はそれなりにあった。
2年もまた同じクラス。
新学期の席順を見る時、こっそり嬉しかったのも覚えてる。
委員会も同じにしたし、文化祭も同じ班。
接点を増やせたと思った。
……でも彼女はずっとクラスメートとしての距離。
俺が、どれだけ目で追っていても気づかれない。
3年でクラスが離れたら終わるな、って思ってた矢先に、今日。
帰り道でやっと二人で話せた。
なのに、西谷と話している彼女を見たら、思ってた以上に嫉妬した。
一口交換?
その発想がもう、無理だった。
"お兄ちゃんみたい"なんて言われて、食べかけの肉まんを差し出されて。
俺だけ意識してるみたいで、情けなくて。
でも、串を口いっぱいで頬張った瞬間の彼女に、ほんの一瞬、正直に思った。
──好きな子の唇の近いとこに、自分の牛すじが触れてる。
そんなこと考えてしまった自分に、慌てて取り繕った。
気づかれてないと……いいけど。
お兄ちゃんじゃない。
同級生でもない。
もっと、近い何かとして見られたい。
でも今の距離じゃ、そこまで望む資格はない。
「……ほんと、鈍いよな」
誰にも届かない声でつぶやいて、
彼女が笑う後ろ姿を、また目で追った。
──────────
⑤牛すじを選んだ人 「情が深くて少し危ういタイプ」
ひとたび好きになると一直線、
相手に対してとても献身的で情に厚い。
その分、好きな人には弱くなりがち。
恋は濃度高めで、相手を包み込むようなやさしさの持ち主。
「一品だけって逆にムズい!」
「だから大声出すなって!」
「選んだやつから出ろー!」
外にいても丸聞こえで、思わず吹き出しながら肉まんを齧りついた。ほどなくして、ぞろぞろと男子たちが出てきて、その中で西谷が私の横まで駆け寄ってくる。
「苗字は肉まん? 俺さ、迷ったけどウインナー巻とガリガリ君!」
「熱いのと冷たいの? 口の中、忙しくない?」
「いやいや、ガリガリ君はいつ食ってもうまいっしょ!」
二カッと笑って、アイスを2口で食べ終わらせると、即おでんのフタを開け始めた。
「一口ずつ交換するか?」
その勢いに返事をする前、横からひょいっと影が差し込む。
「西谷の一口と、苗字の一口はだいぶ意味が違うの、わからない?」
声が低い。
振り向くと縁下だった。
「そうかな?」と西谷がすっと開けた口を引っ込め、「あ、そ、そうかも」と納得してしまう。
「田中、二品買ったっぽいから、そっち行って」
手をひらひらさせて追い払う縁下。
西谷は「龍〜! 一口交換!」と走って行き、
「ノヤさんの一口はデカすぎて無理!」と田中が逃げながら叫ぶ。
「店先だって言ってんだろ!」
澤村さんが言うより先に縁下が怒鳴って収めてしまった。
隣で自然と笑ってしまう。
クラスで話す時も思ってたけど、縁下って西谷と田中の扱いがとにかく上手い。
お兄ちゃんというか……影のまとめ役?
「なんか縁下って、お兄ちゃんぽいね」
「問題児が多いからそう見えるだけ」
そんなこと言いながらも、手元のおでんにかぶりつく。
串には牛すじ。 やっぱり通っぽい。
「おでん、串なんだ?」
「うん。牛すじ」
「通っぽい……流石、お兄ちゃん」
ほんの少しだけ含みを持たせて笑ってみせると、縁下は眉を寄せた。
「同級生にお兄ちゃんはやめて」
……揶揄いたくなる。
「お兄ちゃん、肉まん一口いる?」
差し出した手の上で、縁下が固まった。
動かない。
無言。
真顔。
(……あれ? これ、怒らせた?)
「ごめん」と小さく謝ると、彼がはっとする。
「違うし!」
「お腹空いてるかなって思って言ったのに、拒否られたし……」
「違うから!!」
「なんか悲しいなぁ」
「そういう意味じゃなくて……!」
どんどん深みにはまっていく縁下が面白くて、つい追い打ちをかけてしまう。
「牛すじ一口くれたら、機嫌良くなるかも」
睨まれるかと思いきや、彼は息を吐いて、串を差し出した。
「……それが狙いか。串先、気をつけて」
差し出された牛すじに、ニヤッとしながらバクっと噛みつく。
繋がってるのをわかってて、全部いった。
「……あざーす」
口いっぱいに頬張りながら言うと、縁下が怒るより先に心配してきた。
「噛み切れた? 無理しないで。」
なんだろう。
こういう気遣い、兄がいたらこんな感じなのかも。
でも、同級生に対してそんな感情になるのも、なんか変。
口いっぱいの牛すじを飲み込んで、小さく笑った。
──縁下って、やっぱり優しい。
***
〈縁下視点〉
1年の時から同じクラスだった苗字。
同じバレー部だし、話す機会はそれなりにあった。
2年もまた同じクラス。
新学期の席順を見る時、こっそり嬉しかったのも覚えてる。
委員会も同じにしたし、文化祭も同じ班。
接点を増やせたと思った。
……でも彼女はずっとクラスメートとしての距離。
俺が、どれだけ目で追っていても気づかれない。
3年でクラスが離れたら終わるな、って思ってた矢先に、今日。
帰り道でやっと二人で話せた。
なのに、西谷と話している彼女を見たら、思ってた以上に嫉妬した。
一口交換?
その発想がもう、無理だった。
"お兄ちゃんみたい"なんて言われて、食べかけの肉まんを差し出されて。
俺だけ意識してるみたいで、情けなくて。
でも、串を口いっぱいで頬張った瞬間の彼女に、ほんの一瞬、正直に思った。
──好きな子の唇の近いとこに、自分の牛すじが触れてる。
そんなこと考えてしまった自分に、慌てて取り繕った。
気づかれてないと……いいけど。
お兄ちゃんじゃない。
同級生でもない。
もっと、近い何かとして見られたい。
でも今の距離じゃ、そこまで望む資格はない。
「……ほんと、鈍いよな」
誰にも届かない声でつぶやいて、
彼女が笑う後ろ姿を、また目で追った。
──────────
⑤牛すじを選んだ人 「情が深くて少し危ういタイプ」
ひとたび好きになると一直線、
相手に対してとても献身的で情に厚い。
その分、好きな人には弱くなりがち。
恋は濃度高めで、相手を包み込むようなやさしさの持ち主。
