心理テスト おでんの具 烏野高校
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坂の下商店を出て、肉まんにかぶりつこうとした瞬間だった。
頭の上に、ぽん、と何か置かれた。
「……ん?」
見上げると、私の頭を"台"みたいに使っている月島がいた。
おでんの容器が、しれっと乗っている。
「何?」
じろっと睨むと、わざとらしく肩をすくめられる。
「いい感じのテーブルがあるな〜って置いてみただけだけど?」
うわ……。
身長が高いと、私の頭はもはやテーブル扱いなんですか?
嫌味だと察して、彼の手をぺしっと払い、そのまま歩き出した。
すると当然のように並んで歩き始める。
「他の人まだ店いるんじゃない?」
「一品じゃ足りないとか言ってごね始めたから、逃げてきた」
そういうのも一緒に楽しめばいいのに。
なんだろう、いつもどこか斜に構えてるというか、卑屈というか……。
気にしたらまた揶揄われるのが目に見えているので、無視して肉まんを齧る。
するとすぐ横でぼそっと。
「家で夕飯あるのに食べるの?」
(……何も喋ってなくても揶揄ってくるの?)
クラスでもそう。
彼はモテるし、女子から話しかけられることも多い。
なのに、何故か私ばっかり揶揄ってくる。
多分あれだ。
興味ない女子は揶揄いやすいっていう分類。
……私も、揶揄ってくる男子に興味はないんですけどね?
「手に持ってるそれは何? 自分も食べるんじゃん」
「一応、付き合い」
思わず吹き出してしまった。
人付き合いとか興味なさそうなのに、付き合いで買い食いとかするんだ。
「……何笑ってるの?」
「別に〜」
不機嫌かと思いきや、顔を見るとそこまで怒ってはいない。
月島は横で、こんにゃくをつついて食べ始めた。
……おでんでこんにゃく?
お腹満たされないだろうし、カロリー低い。
(身長高いのに痩せてるのって……もしかしてモデル志望とか?)
じとっと見上げながら、肉まんの残りを口に放り込んだ。
お腹はそこそこ満たされたけど、飲み物が欲しくなる。
すると横で、わざとらしい声量で月島が呟いた。
「おでんの出汁、入れすぎたなぁ。余ってるなぁ〜」
(あ。これ、私が欲しいの察してるな……)
「道に捨てるのもマナー悪いし……どうしよっかな〜」
絶対こっち見てる。
これは確実に、私から言わせたいだけのやつ。
意地があるけど出汁は欲しい。
「あの、月島さん……その出汁、ちょっと……」
「え? 俺の食べかけが欲しいの?」
(ぐっ……言い方……!)
「……お願いします、は?」
「…………」
「お願いだから下さい、は?」
「なんか言葉増えてる!!」
ぷっと吹き出した月島が、くいっと容器を差し出してきた。
「全部飲んでやるんだから!」
「どうぞ」
そう返した彼の横顔は、いつもの揶揄う感じじゃなくて。
少しだけ、柔らかい。
優しい気配が混ざっていた。
その優しさにどう反応していいか分からなくなって、バス停までの間、私はひたすら出汁を飲むふりをして時間を稼いだ。
***
〈月島視点〉
休み時間は、休むための時間。
女子からのチラチラした視線も、話しかけてこないのに見てくる男子の視線も、全部面倒くさい。
ヘッドフォンをつけていれば、誰も話しかけてこない。
……山口以外は。
その日、山口が風邪で休んだ。
いつも通り授業を受けて、休み時間にヘッドフォンで音楽を聴いていたら──
突然、ガッとそれを外された。
「……なに」
睨むように見上げたら、彼女がいた苗字さん。
「何度か声かけた。移動教室になったけど知ってる?」
「そうなんだ」
「ありがとうは?」
感謝の強要。
面倒くさい。
でもとりあえず「ありがとう」と言っておく。
言った途端、彼女は満足したように頷いて、すぐ離れた。
……過度には絡まない癖に、提出物とか忘れ物はちゃんと教えてくる。
お節介?
……いや、気がある?
そう思った自分に、顔が熱くなった。
勝手に勘違いして、馬鹿みたいだ。
その恥ずかしさを隠したくて──
彼女にだけ、揶揄うようになった。
他の人にはしない。
子どもっぽいのも分かってる。
でもやめられなかった。
坂の下商店で彼女を見つけたとき、一人で帰るのが気になった。
……放っておけなかった。
おでんも、興味はなかった。
でも肉まんを食べると喉が乾くだろうから。
自販機の缶ドリンクは飲みかけは飲みにくいしだろうし。
こんにゃくだったら出汁が残るし、渡しやすいかな、とか。
そこまで考えて、自分が少し気持ち悪いと思いながら……
それでも彼女を追って店を出た。
──────────
4. こんにゃくを選んだ人—— 「理性で動くタイプ」
恋にのめり込む自分を、どこかで一歩引いて見ている人。
感情よりも“関係性の安定”を大事にする。
無茶はしないけれど、信頼してからは大胆にもなる。
相手には誠実さや安心感を求める傾向。
頭の上に、ぽん、と何か置かれた。
「……ん?」
見上げると、私の頭を"台"みたいに使っている月島がいた。
おでんの容器が、しれっと乗っている。
「何?」
じろっと睨むと、わざとらしく肩をすくめられる。
「いい感じのテーブルがあるな〜って置いてみただけだけど?」
うわ……。
身長が高いと、私の頭はもはやテーブル扱いなんですか?
嫌味だと察して、彼の手をぺしっと払い、そのまま歩き出した。
すると当然のように並んで歩き始める。
「他の人まだ店いるんじゃない?」
「一品じゃ足りないとか言ってごね始めたから、逃げてきた」
そういうのも一緒に楽しめばいいのに。
なんだろう、いつもどこか斜に構えてるというか、卑屈というか……。
気にしたらまた揶揄われるのが目に見えているので、無視して肉まんを齧る。
するとすぐ横でぼそっと。
「家で夕飯あるのに食べるの?」
(……何も喋ってなくても揶揄ってくるの?)
クラスでもそう。
彼はモテるし、女子から話しかけられることも多い。
なのに、何故か私ばっかり揶揄ってくる。
多分あれだ。
興味ない女子は揶揄いやすいっていう分類。
……私も、揶揄ってくる男子に興味はないんですけどね?
「手に持ってるそれは何? 自分も食べるんじゃん」
「一応、付き合い」
思わず吹き出してしまった。
人付き合いとか興味なさそうなのに、付き合いで買い食いとかするんだ。
「……何笑ってるの?」
「別に〜」
不機嫌かと思いきや、顔を見るとそこまで怒ってはいない。
月島は横で、こんにゃくをつついて食べ始めた。
……おでんでこんにゃく?
お腹満たされないだろうし、カロリー低い。
(身長高いのに痩せてるのって……もしかしてモデル志望とか?)
じとっと見上げながら、肉まんの残りを口に放り込んだ。
お腹はそこそこ満たされたけど、飲み物が欲しくなる。
すると横で、わざとらしい声量で月島が呟いた。
「おでんの出汁、入れすぎたなぁ。余ってるなぁ〜」
(あ。これ、私が欲しいの察してるな……)
「道に捨てるのもマナー悪いし……どうしよっかな〜」
絶対こっち見てる。
これは確実に、私から言わせたいだけのやつ。
意地があるけど出汁は欲しい。
「あの、月島さん……その出汁、ちょっと……」
「え? 俺の食べかけが欲しいの?」
(ぐっ……言い方……!)
「……お願いします、は?」
「…………」
「お願いだから下さい、は?」
「なんか言葉増えてる!!」
ぷっと吹き出した月島が、くいっと容器を差し出してきた。
「全部飲んでやるんだから!」
「どうぞ」
そう返した彼の横顔は、いつもの揶揄う感じじゃなくて。
少しだけ、柔らかい。
優しい気配が混ざっていた。
その優しさにどう反応していいか分からなくなって、バス停までの間、私はひたすら出汁を飲むふりをして時間を稼いだ。
***
〈月島視点〉
休み時間は、休むための時間。
女子からのチラチラした視線も、話しかけてこないのに見てくる男子の視線も、全部面倒くさい。
ヘッドフォンをつけていれば、誰も話しかけてこない。
……山口以外は。
その日、山口が風邪で休んだ。
いつも通り授業を受けて、休み時間にヘッドフォンで音楽を聴いていたら──
突然、ガッとそれを外された。
「……なに」
睨むように見上げたら、彼女がいた苗字さん。
「何度か声かけた。移動教室になったけど知ってる?」
「そうなんだ」
「ありがとうは?」
感謝の強要。
面倒くさい。
でもとりあえず「ありがとう」と言っておく。
言った途端、彼女は満足したように頷いて、すぐ離れた。
……過度には絡まない癖に、提出物とか忘れ物はちゃんと教えてくる。
お節介?
……いや、気がある?
そう思った自分に、顔が熱くなった。
勝手に勘違いして、馬鹿みたいだ。
その恥ずかしさを隠したくて──
彼女にだけ、揶揄うようになった。
他の人にはしない。
子どもっぽいのも分かってる。
でもやめられなかった。
坂の下商店で彼女を見つけたとき、一人で帰るのが気になった。
……放っておけなかった。
おでんも、興味はなかった。
でも肉まんを食べると喉が乾くだろうから。
自販機の缶ドリンクは飲みかけは飲みにくいしだろうし。
こんにゃくだったら出汁が残るし、渡しやすいかな、とか。
そこまで考えて、自分が少し気持ち悪いと思いながら……
それでも彼女を追って店を出た。
──────────
4. こんにゃくを選んだ人—— 「理性で動くタイプ」
恋にのめり込む自分を、どこかで一歩引いて見ている人。
感情よりも“関係性の安定”を大事にする。
無茶はしないけれど、信頼してからは大胆にもなる。
相手には誠実さや安心感を求める傾向。
