心理テスト おでんの具 烏野高校
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坂の下商店を出て、熱々の肉まんにがぶっとかぶりついた。肉汁が皮に染みて、寒い夜にじゅわっとひろがるあたたかさがたまらない。
誰にも気を使わず大口開けて食べられるのも、ひとりの特権だ。
食べ終えて歩き始めたときだ。
背後に人影が、ふっと伸びた。
一瞬びくっとして振り返る。
「苗字さん。一人なら……俺、いっしょに帰ろうかと思って」
東峰さんだった。
高身長、強面。
学年は違うけど、バレー部の先輩として名前はもちろん知っている。
怖いというより、声をかけられた理由が分からなくて緊張してしまう。
だから大丈夫です、とも言えなくて、つい。
「ありがとうございます」
と返してしまった。
「歩きながら食べても……いい?」
……え、許可とるんだ。
そう思ったけれど「どうぞ」と答えると、律儀に「ありがとう」と言って器を開けた。
眉間に皺を寄せてはんぺんを噛む姿は、ただおでんが熱いだけなんだろうけど……
やっぱり見た目がちょっと怖い。
「何買ったんですか?」
「はんぺん」
「…………はんぺん」
(……なんかの隠語? "半端なやつはペン"…? ペンって何……)
怖さからの逃避で思考が迷子になっている気がする。
でも、先輩から聞いていた。
"あの人、見た目だけで実はめちゃくちゃ優しいよ"って。
「はんぺん好きなんですか?」
恐る恐る聞くと、ほんわりした声で返ってきた。
「そうかも。なんか白くてふわふわしてるし……おでんだと大きくなるのが、かわいいなって」
………………。
え、かわいい、の?
思わず彼を見上げてしまう。
怖いイメージがほんの少し溶けて、胸の緊張もゆっくりほどけていく。
会話が、自然に続く。
バス停まで、あと少し。
その瞬間だった。
後ろから車が一台、猛スピードで駆け抜ける。
「危ない!」
気づいた次の瞬間、強い腕が身体を囲うように引き寄せた。
車道から自分を遠ざけるように抱き寄せられる。
低い声が耳のすぐそばで落ちる。
「車いないからって……スピード出しすぎだろ」
顔を上げると、東峰さんは車の影を鋭く睨んでいた。その横顔に、胸のどこかで何かが鳴った。
怖いだけじゃない。
かわいいだけでもない。
でも、かっこいい。
「東峰さん。……私、好きかも」
「えっ?! いやいや……今のは吊り橋効果じゃないかな?」
「かっこいいんです」
「落ち着こうか、一回。ね?」
「無理です。好きです」
距離を置こうとするのに逃げない、でも戸惑っている。
そんな東峰さんを見ていると、怖いより可愛いが勝ってしまう。
なら、追えばいい。
──こうして翌日から、私の東峰さん追跡が本格的に始まった。
***
〈東峰視点〉
方向が同じだし、女の子を夜道ひとりで帰すのはどうしても気になって声をかけた。
でも、距離感もあるし、やっぱり俺……怖かったかな?
そんなことを思っていたはずなのに。
今は、休み時間になるたびに苗字さんが俺のクラスに来る。
車から守ったくらいで好きって……
俺じゃなかったら、軽く勘違いするような奴に捕まったかもしれない。
それを思うと、少しずつ説明しようと話す時間が増えていく。
「俺はそんな強くないし、小心者だし」
「小心者? 可愛くて好きです」
「いや可愛くないでしょ……」
「可愛いけど、かっこいいんです!」
……どれが本音なんだ。
大きく息を吐くと、クラスの奴らが茶化しに入ってきた。
「え、付き合ってないの? タイプじゃないなら俺が──」
咄嗟に睨んでしまった。
相手がひゅっと息をのむのが分かる。
(半端な気持ちで苗字さんに近づくなよ)
……その瞬間、自分の中の違和感が形になる。
付き合ってもいないのに、
"苗字さんはそんな軽い奴じゃダメだ"
なんて思っている自分がいた。
「……嫉妬ですか? 嬉しい!」
「違うって! そうじゃなくて……!」
否定しながらも、胸の奥底では分かっていた。
これはたぶん、嫉妬だ。
ただ、まだその言葉を受け入れる勇気が少し足りないだけだった。
──────────
③ちくわ・練り物系を選んだ人 —— 「距離感上手なタイプ」
明るくて社交的だけど、恋では慎重。
一度距離が近づくと相手にとても誠実。
適度なバランス感覚があるので、相手を重くさせすぎず、自然と甘えさせる包容力も持っている。
誰にも気を使わず大口開けて食べられるのも、ひとりの特権だ。
食べ終えて歩き始めたときだ。
背後に人影が、ふっと伸びた。
一瞬びくっとして振り返る。
「苗字さん。一人なら……俺、いっしょに帰ろうかと思って」
東峰さんだった。
高身長、強面。
学年は違うけど、バレー部の先輩として名前はもちろん知っている。
怖いというより、声をかけられた理由が分からなくて緊張してしまう。
だから大丈夫です、とも言えなくて、つい。
「ありがとうございます」
と返してしまった。
「歩きながら食べても……いい?」
……え、許可とるんだ。
そう思ったけれど「どうぞ」と答えると、律儀に「ありがとう」と言って器を開けた。
眉間に皺を寄せてはんぺんを噛む姿は、ただおでんが熱いだけなんだろうけど……
やっぱり見た目がちょっと怖い。
「何買ったんですか?」
「はんぺん」
「…………はんぺん」
(……なんかの隠語? "半端なやつはペン"…? ペンって何……)
怖さからの逃避で思考が迷子になっている気がする。
でも、先輩から聞いていた。
"あの人、見た目だけで実はめちゃくちゃ優しいよ"って。
「はんぺん好きなんですか?」
恐る恐る聞くと、ほんわりした声で返ってきた。
「そうかも。なんか白くてふわふわしてるし……おでんだと大きくなるのが、かわいいなって」
………………。
え、かわいい、の?
思わず彼を見上げてしまう。
怖いイメージがほんの少し溶けて、胸の緊張もゆっくりほどけていく。
会話が、自然に続く。
バス停まで、あと少し。
その瞬間だった。
後ろから車が一台、猛スピードで駆け抜ける。
「危ない!」
気づいた次の瞬間、強い腕が身体を囲うように引き寄せた。
車道から自分を遠ざけるように抱き寄せられる。
低い声が耳のすぐそばで落ちる。
「車いないからって……スピード出しすぎだろ」
顔を上げると、東峰さんは車の影を鋭く睨んでいた。その横顔に、胸のどこかで何かが鳴った。
怖いだけじゃない。
かわいいだけでもない。
でも、かっこいい。
「東峰さん。……私、好きかも」
「えっ?! いやいや……今のは吊り橋効果じゃないかな?」
「かっこいいんです」
「落ち着こうか、一回。ね?」
「無理です。好きです」
距離を置こうとするのに逃げない、でも戸惑っている。
そんな東峰さんを見ていると、怖いより可愛いが勝ってしまう。
なら、追えばいい。
──こうして翌日から、私の東峰さん追跡が本格的に始まった。
***
〈東峰視点〉
方向が同じだし、女の子を夜道ひとりで帰すのはどうしても気になって声をかけた。
でも、距離感もあるし、やっぱり俺……怖かったかな?
そんなことを思っていたはずなのに。
今は、休み時間になるたびに苗字さんが俺のクラスに来る。
車から守ったくらいで好きって……
俺じゃなかったら、軽く勘違いするような奴に捕まったかもしれない。
それを思うと、少しずつ説明しようと話す時間が増えていく。
「俺はそんな強くないし、小心者だし」
「小心者? 可愛くて好きです」
「いや可愛くないでしょ……」
「可愛いけど、かっこいいんです!」
……どれが本音なんだ。
大きく息を吐くと、クラスの奴らが茶化しに入ってきた。
「え、付き合ってないの? タイプじゃないなら俺が──」
咄嗟に睨んでしまった。
相手がひゅっと息をのむのが分かる。
(半端な気持ちで苗字さんに近づくなよ)
……その瞬間、自分の中の違和感が形になる。
付き合ってもいないのに、
"苗字さんはそんな軽い奴じゃダメだ"
なんて思っている自分がいた。
「……嫉妬ですか? 嬉しい!」
「違うって! そうじゃなくて……!」
否定しながらも、胸の奥底では分かっていた。
これはたぶん、嫉妬だ。
ただ、まだその言葉を受け入れる勇気が少し足りないだけだった。
──────────
③ちくわ・練り物系を選んだ人 —— 「距離感上手なタイプ」
明るくて社交的だけど、恋では慎重。
一度距離が近づくと相手にとても誠実。
適度なバランス感覚があるので、相手を重くさせすぎず、自然と甘えさせる包容力も持っている。
