心理テスト おでんの具 烏野高校
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練習終わりの汗が、外に出た瞬間すうっと冷えていく。
公立高校の部室にシャワーなんてないから、タオルで拭いて着替えたものの、風に当たればすぐ身体の奥に冷えが戻る。
バス停までは、まだ少し距離がある。
吐いた息が白くなるのを見ながら歩いていると、坂の下の商店に灯りがぽつりと浮かんでいた。
——肉まん、食べたいな。
お腹が空いている時の、あの湯気と甘い香りは反則だ。
吸い寄せられるみたいに店に入ると、カウンターの奥からふわっと味の濃い出汁の香りがした。
肉まんか、ピザまんか。
どっちも美味しそうで、目移りしてしまう。
その時だった。
「……ん? 女バレだよな? 買い食いか?」
奥から出てきた男の人が、タバコの煙をくゆらせながら私を見た。
少しガラの悪い見た目だけど、どこか憎めない笑顔でケラケラ笑っている。
——この人、春くらいから男バレのコーチになった人だよね。
なんで部活まで知ってるの、と思いつつ、私は答えずにレジ前のショーケースを見つめる。
肉まんか。ピザまんか。
……いっそ両方いきたいくらい寒い。
そんな時、店のドアが勢いよく開いた。
「「お疲れしたーっ!!」」
聞き慣れた声。
男バレのメンバーが、汗をまだ少し残したまま雪崩みたいに入ってきた。
「お前らも買い食いかよ。まぁ腹は減るか……。 おでんなら五割引きな。ただし一品だけだぞー」
「えぇーっ一品だけ!?」「腹減ってるのにそれはないっすよ!」
「今はコーチじゃねぇからな! 店番だから!!」
鵜飼さん——そう呼ばれているこの店の店主であり、今はコーチでもあるその人が、彼らをうるさそうに、でもどこか楽しげに追い払っている。
部活帰りの、まだ部活の延長みたいな賑やかさ。
その様子をジト目で見ていたら、鵜飼さんがふっとこちらを見る。
「お前も肉まんなら半額でいいよ」
「……え、いいんですか?」
「ああ。女バレはよく頑張ってるしな」
嬉しくて、思わず口元がゆるんでしまう。
こういう小さな優しさって、寒い日に染みる。
注文している間、視線は自然とおでん鍋へ吸い寄せられる。
①大根
②玉子
③練り物
④こんにゃく
⑤牛すじ
⑥もち巾着
どれも定番だけど、ぐつぐつ煮えている様子を見ると、どれも湯気まで美味しそうだ。
——たまにはおでんでも良かったかも。
でも今日は、肉まんの温かさが欲しかった。
少し迷った末に、肉まんをひとつ受け取って外に出る。
店の灯りを背にすると、また冷たい風が顔に触れた。けれど両手に抱えた肉まんが、じんわりと掌を温かった。
公立高校の部室にシャワーなんてないから、タオルで拭いて着替えたものの、風に当たればすぐ身体の奥に冷えが戻る。
バス停までは、まだ少し距離がある。
吐いた息が白くなるのを見ながら歩いていると、坂の下の商店に灯りがぽつりと浮かんでいた。
——肉まん、食べたいな。
お腹が空いている時の、あの湯気と甘い香りは反則だ。
吸い寄せられるみたいに店に入ると、カウンターの奥からふわっと味の濃い出汁の香りがした。
肉まんか、ピザまんか。
どっちも美味しそうで、目移りしてしまう。
その時だった。
「……ん? 女バレだよな? 買い食いか?」
奥から出てきた男の人が、タバコの煙をくゆらせながら私を見た。
少しガラの悪い見た目だけど、どこか憎めない笑顔でケラケラ笑っている。
——この人、春くらいから男バレのコーチになった人だよね。
なんで部活まで知ってるの、と思いつつ、私は答えずにレジ前のショーケースを見つめる。
肉まんか。ピザまんか。
……いっそ両方いきたいくらい寒い。
そんな時、店のドアが勢いよく開いた。
「「お疲れしたーっ!!」」
聞き慣れた声。
男バレのメンバーが、汗をまだ少し残したまま雪崩みたいに入ってきた。
「お前らも買い食いかよ。まぁ腹は減るか……。 おでんなら五割引きな。ただし一品だけだぞー」
「えぇーっ一品だけ!?」「腹減ってるのにそれはないっすよ!」
「今はコーチじゃねぇからな! 店番だから!!」
鵜飼さん——そう呼ばれているこの店の店主であり、今はコーチでもあるその人が、彼らをうるさそうに、でもどこか楽しげに追い払っている。
部活帰りの、まだ部活の延長みたいな賑やかさ。
その様子をジト目で見ていたら、鵜飼さんがふっとこちらを見る。
「お前も肉まんなら半額でいいよ」
「……え、いいんですか?」
「ああ。女バレはよく頑張ってるしな」
嬉しくて、思わず口元がゆるんでしまう。
こういう小さな優しさって、寒い日に染みる。
注文している間、視線は自然とおでん鍋へ吸い寄せられる。
①大根
②玉子
③練り物
④こんにゃく
⑤牛すじ
⑥もち巾着
どれも定番だけど、ぐつぐつ煮えている様子を見ると、どれも湯気まで美味しそうだ。
——たまにはおでんでも良かったかも。
でも今日は、肉まんの温かさが欲しかった。
少し迷った末に、肉まんをひとつ受け取って外に出る。
店の灯りを背にすると、また冷たい風が顔に触れた。けれど両手に抱えた肉まんが、じんわりと掌を温かった。
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