3 出会い
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高校生を楽しむなら、部活なんてしない!
そう思って私は帰宅部にした。
クラスの子とは地元が違うし──なんて最初は思ってたけど。
逆にそれを強みにしてみた。
「ごめん、この辺あんまりわかんなくて。色々教えて欲しいな!いいかな?」
ちょっと勢いよく話しかけすぎたのか、最初は若干引かれたけど。それでも地元のことや学校のことを教えてくれて。
気がつけば、普通に笑って話せるようになっていた。
──なんだ、ちゃんとできるじゃん。
人付き合いが増えると次に気になるのはお小遣い問題。
高校生は学業がメインって言われても遊びたいじゃない?お小遣いだって限りがあるし。
ってことで、バイトを始めた。
選んだのはコンビニ。
オレンジ色の田舎によくあるあの感じのやつ。
時給は最低賃金だし、覚えることも多いけど。
シフトの融通がきくのが魅力だった。
「いらっしゃいませー」
笑顔、大事。
夏休みだからかジャージ姿の見覚えのある人たちがよく来る。
「涼しいー!」
「アイス!アイス!」
「騒ぐな!」
賑やかな声が店内に広がる。
9時を回っても暑いしそりゃ涼みに来るよね。
バーコードをスキャンして、会計。
同じ学校でも、今の私は店員。
ちゃんと切り替えて、さっさと対応──
……のはずなのに。
レジの前から離れない人がいる。
鶏冠みたいな髪型。
「……?」
お釣り、間違えた?と慌てて確認するけど、間違ってない。
じゃあ何?
顔を上げると、その人と目が合って──
ニカッと笑った。
「すっごく可愛い!」
思考停止。
意味不明。
固まっているとバシンッと音がした。
「西谷!」
私が叩かれている訳ではないないのにその声にびくっとする。
なぜか背筋が伸びた。
「大地さんなんスか?」
「困らせるな。店員と客だ。迷惑をかけるな」
ハッとした顔になって……。
さっきの人──西谷?が勢いよく頭を下げる。
90度どころじゃない。
「す、すみませんっ!」
慌てて手を振る。
「だ、大丈夫です!気にしてません!」
そう言うと、またぱっと顔を上げて笑う。
——なんだろう。
チャラい感じじゃないのに距離が近いというか。
純粋に思ったこと言ってる感じというか。
ほんとに意味不明。
それを遮るように、もう一人の先輩が軽く頭を下げる。
「すみません」
さっきまで人の頭叩いてたのに、店員にはちゃんと丁寧。
………なんか逆に怖い。
ジャージで同じ学校ってわかる。
部活の上下関係って、こんな感じなの?
帰宅部でよかったー!
運動部、こえぇぇー。
夏休みは、友達と遊びも満喫。
……とはいえ、全振りはできない。
バイトでお金を稼いでその分遊ぶ。
でも、お小遣いより自由のきくお金で遊ぶのはやっぱり楽しい。
気がつけば夏休みも終わり。
夏休み早くない?
2ヶ月くらいあってもいいのに………。
2学期
放課後は友達と遊んだりバイトに入ったり。
勉強も一応やってるけど結局は楽しいに全振りしてる。
赤点取らなければいいよね?って思ってる時点で、察してほしい。
だって今が楽しいじゃん。
友達と遊んでバカやって。
将来とか考えろって言われても、
今が楽しいのにって思ってしまうのは高校生だから?
そう思うと勉強よりもどうしても今が優先になる。
今楽しいのに将来を見据えてなんて無理無理。
そう思うと今頑張れる人って凄いよね。
他人事の様に思ってしまうのは変かな?
そんな中。
ホームルームで文化祭の話が出た。
何をするか。
クラスで出た案は二つ。
「かき氷店」と「烏野高校の歴史展示」。
かき氷はまだ暑いかもっていう希望的観測と準備が楽そうって理由。
展示は………
「文化祭って遊びたいじゃん?」っていう、わりと正直な理由。
自分たちで盛り上げるっていうより、どう楽しむかって感じ。
それも悪くないよね。
──楽しみたいもん。
でも。
ふと、考える。
私は、どうしたいんだろう。
遊びたいのは同じ。
でもそれだけでいいのかなって。
少しだけ、引っかかる。
「……どうしよ」
ペンを持ったまま、ぼんやり黒板を見る。
賑やかな教室の中で自分の選択だけがまだ決まらない。
私は、どっちを選ぶ?
【選択して下さい】
・かき氷店 →文化祭の③へ
・烏野高校の歴史展示 →文化祭の④へ
そう思って私は帰宅部にした。
クラスの子とは地元が違うし──なんて最初は思ってたけど。
逆にそれを強みにしてみた。
「ごめん、この辺あんまりわかんなくて。色々教えて欲しいな!いいかな?」
ちょっと勢いよく話しかけすぎたのか、最初は若干引かれたけど。それでも地元のことや学校のことを教えてくれて。
気がつけば、普通に笑って話せるようになっていた。
──なんだ、ちゃんとできるじゃん。
人付き合いが増えると次に気になるのはお小遣い問題。
高校生は学業がメインって言われても遊びたいじゃない?お小遣いだって限りがあるし。
ってことで、バイトを始めた。
選んだのはコンビニ。
オレンジ色の田舎によくあるあの感じのやつ。
時給は最低賃金だし、覚えることも多いけど。
シフトの融通がきくのが魅力だった。
「いらっしゃいませー」
笑顔、大事。
夏休みだからかジャージ姿の見覚えのある人たちがよく来る。
「涼しいー!」
「アイス!アイス!」
「騒ぐな!」
賑やかな声が店内に広がる。
9時を回っても暑いしそりゃ涼みに来るよね。
バーコードをスキャンして、会計。
同じ学校でも、今の私は店員。
ちゃんと切り替えて、さっさと対応──
……のはずなのに。
レジの前から離れない人がいる。
鶏冠みたいな髪型。
「……?」
お釣り、間違えた?と慌てて確認するけど、間違ってない。
じゃあ何?
顔を上げると、その人と目が合って──
ニカッと笑った。
「すっごく可愛い!」
思考停止。
意味不明。
固まっているとバシンッと音がした。
「西谷!」
私が叩かれている訳ではないないのにその声にびくっとする。
なぜか背筋が伸びた。
「大地さんなんスか?」
「困らせるな。店員と客だ。迷惑をかけるな」
ハッとした顔になって……。
さっきの人──西谷?が勢いよく頭を下げる。
90度どころじゃない。
「す、すみませんっ!」
慌てて手を振る。
「だ、大丈夫です!気にしてません!」
そう言うと、またぱっと顔を上げて笑う。
——なんだろう。
チャラい感じじゃないのに距離が近いというか。
純粋に思ったこと言ってる感じというか。
ほんとに意味不明。
それを遮るように、もう一人の先輩が軽く頭を下げる。
「すみません」
さっきまで人の頭叩いてたのに、店員にはちゃんと丁寧。
………なんか逆に怖い。
ジャージで同じ学校ってわかる。
部活の上下関係って、こんな感じなの?
帰宅部でよかったー!
運動部、こえぇぇー。
夏休みは、友達と遊びも満喫。
……とはいえ、全振りはできない。
バイトでお金を稼いでその分遊ぶ。
でも、お小遣いより自由のきくお金で遊ぶのはやっぱり楽しい。
気がつけば夏休みも終わり。
夏休み早くない?
2ヶ月くらいあってもいいのに………。
2学期
放課後は友達と遊んだりバイトに入ったり。
勉強も一応やってるけど結局は楽しいに全振りしてる。
赤点取らなければいいよね?って思ってる時点で、察してほしい。
だって今が楽しいじゃん。
友達と遊んでバカやって。
将来とか考えろって言われても、
今が楽しいのにって思ってしまうのは高校生だから?
そう思うと勉強よりもどうしても今が優先になる。
今楽しいのに将来を見据えてなんて無理無理。
そう思うと今頑張れる人って凄いよね。
他人事の様に思ってしまうのは変かな?
そんな中。
ホームルームで文化祭の話が出た。
何をするか。
クラスで出た案は二つ。
「かき氷店」と「烏野高校の歴史展示」。
かき氷はまだ暑いかもっていう希望的観測と準備が楽そうって理由。
展示は………
「文化祭って遊びたいじゃん?」っていう、わりと正直な理由。
自分たちで盛り上げるっていうより、どう楽しむかって感じ。
それも悪くないよね。
──楽しみたいもん。
でも。
ふと、考える。
私は、どうしたいんだろう。
遊びたいのは同じ。
でもそれだけでいいのかなって。
少しだけ、引っかかる。
「……どうしよ」
ペンを持ったまま、ぼんやり黒板を見る。
賑やかな教室の中で自分の選択だけがまだ決まらない。
私は、どっちを選ぶ?
【選択して下さい】
・かき氷店 →文化祭の③へ
・烏野高校の歴史展示 →文化祭の④へ
