2 プロローグ
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新しい制服に袖を通す。
姿見で赤いリボンが曲がってないか、
前髪は崩れてないか何度も見直す。
少し離れて後ろ姿だってちゃんとチェック。
くるっと回って──大丈夫。
それでもなんとなく落ち着かなくて、もう一度鏡に近づく。
ふと視線を横にずらすと部屋に飾った友達との写真が目に入った。
小学校からの親友。
当たり前みたいに隣にいた存在はもうここにはいない。
親の転勤で一人で宮城県に来て、友達なんていないし知ってる人は祖父母以外いない。
………地元にいたかった。
何度もお父さんとお母さんに引っ越ししたく無いって言ったけど、独り暮らしは無理だし英語も出来ないから両親についていっての海外生活も無理で。
結局、祖父母の家から通える学校に来た。
両親もいない。
友達もいない。
家でも、年に一回くらいしか話していなかった祖父母と一緒。
「三年間、一緒だね」
そう笑って私に話しかけてくれる祖母と祖父を、気を使ってもらってるって感じてしまうのは卑屈なのかな。
甘えたいのに甘えるには気恥ずかしくて。
そんなことを考える自分ももどかしい。
入学式前に高校の教科書やジャージをもらったときも、他の子に話しかける勇気がなくて。
入学したら友達を作ればいいって、簡単に思ってた。
だけど───
指定されたクラスに行くと、もうグループは出来ていて。
余計に孤独感が募る。
気持ちだけは焦って近くに座る人に挨拶はするけど、なんだか空回りしてる気がする。
ちゃんと笑えてるかな。
変に思われてないかな。
そんなことばかり気になって会話が続かない。
このまま私、学校生活やっていけるのかな。
……初日だから、そう思うのかな。
家に着いて学校のことを聞かれながら夕飯の時間。
「どうだった?」
「楽しかった?」
優しく聞いてくれる声に、ちゃんと答えなきゃって思う。
──笑顔、ちゃんとできてるかな。
「うん、大丈夫だよ」
祖父母に言った自分の声が少しだけ空回りしてる気がした。
自分の部屋があって良かった。
ドアを閉めてやっと息をつく。
携帯を手に取って親友の名前を開く。
電話……しようかな。
声を聞いたら、きっと安心する。
でも………
泣いちゃいそうで、やめた。
画面をそっと閉じてベッドに倒れ込む。
明日からはクラスの子ともちゃんと話す。
友達だって出来るよね。
そう自分に言い聞かせても不安しかない。
天井を見上げたまま小さなため息がでた。
せめて───
クラス以外でも、繋がりとか……。
例えば部活とか。
同じ教室じゃない場所なら、もう少しだけ話しやすいかもしれない。
同じ目的がある人たちなら、きっかけも作りやすい気がする。
「……見に行くだけでも…いいよね」
誰に言うでもなく呟いて、目を閉じる。
まだ何も始まってない。
それなのに、もう少しで何かが変わりそうな気もしていて。
その予感が怖くて──少しだけ楽しみだった。
【選択して下さい】
・部活に入る→3出会いの③へ
・部活に入らない→3出会いの④へ
姿見で赤いリボンが曲がってないか、
前髪は崩れてないか何度も見直す。
少し離れて後ろ姿だってちゃんとチェック。
くるっと回って──大丈夫。
それでもなんとなく落ち着かなくて、もう一度鏡に近づく。
ふと視線を横にずらすと部屋に飾った友達との写真が目に入った。
小学校からの親友。
当たり前みたいに隣にいた存在はもうここにはいない。
親の転勤で一人で宮城県に来て、友達なんていないし知ってる人は祖父母以外いない。
………地元にいたかった。
何度もお父さんとお母さんに引っ越ししたく無いって言ったけど、独り暮らしは無理だし英語も出来ないから両親についていっての海外生活も無理で。
結局、祖父母の家から通える学校に来た。
両親もいない。
友達もいない。
家でも、年に一回くらいしか話していなかった祖父母と一緒。
「三年間、一緒だね」
そう笑って私に話しかけてくれる祖母と祖父を、気を使ってもらってるって感じてしまうのは卑屈なのかな。
甘えたいのに甘えるには気恥ずかしくて。
そんなことを考える自分ももどかしい。
入学式前に高校の教科書やジャージをもらったときも、他の子に話しかける勇気がなくて。
入学したら友達を作ればいいって、簡単に思ってた。
だけど───
指定されたクラスに行くと、もうグループは出来ていて。
余計に孤独感が募る。
気持ちだけは焦って近くに座る人に挨拶はするけど、なんだか空回りしてる気がする。
ちゃんと笑えてるかな。
変に思われてないかな。
そんなことばかり気になって会話が続かない。
このまま私、学校生活やっていけるのかな。
……初日だから、そう思うのかな。
家に着いて学校のことを聞かれながら夕飯の時間。
「どうだった?」
「楽しかった?」
優しく聞いてくれる声に、ちゃんと答えなきゃって思う。
──笑顔、ちゃんとできてるかな。
「うん、大丈夫だよ」
祖父母に言った自分の声が少しだけ空回りしてる気がした。
自分の部屋があって良かった。
ドアを閉めてやっと息をつく。
携帯を手に取って親友の名前を開く。
電話……しようかな。
声を聞いたら、きっと安心する。
でも………
泣いちゃいそうで、やめた。
画面をそっと閉じてベッドに倒れ込む。
明日からはクラスの子ともちゃんと話す。
友達だって出来るよね。
そう自分に言い聞かせても不安しかない。
天井を見上げたまま小さなため息がでた。
せめて───
クラス以外でも、繋がりとか……。
例えば部活とか。
同じ教室じゃない場所なら、もう少しだけ話しやすいかもしれない。
同じ目的がある人たちなら、きっかけも作りやすい気がする。
「……見に行くだけでも…いいよね」
誰に言うでもなく呟いて、目を閉じる。
まだ何も始まってない。
それなのに、もう少しで何かが変わりそうな気もしていて。
その予感が怖くて──少しだけ楽しみだった。
【選択して下さい】
・部活に入る→3出会いの③へ
・部活に入らない→3出会いの④へ
