8 フランスに戻る彼
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天童くんがフランスへ出発の日。
空港のロビーには人のざわめきがあった。
私はこっそり彼を見送るつもりだったのに、そこには意外な人影があった。
「……晴斗」
「姉ちゃんが見送りに来るのに、俺が来ない理由ないだろ」
弟は腕を組みながら、当たり前のように立っていた。
天童くんも目を丸くしてから、吹き出した。
「……シスコンだ〜」
「はぁ?!」
やり取りに空気が少し和む。
でも次の瞬間、晴斗は真剣な顔になって天童くんを見た。
「……早くまた日本に帰るか、なんとかしないと許さないからな。姉ちゃん悲しませんなよ」
その言葉に、胸が跳ねた。
──まるで、全部知っているみたいに聞こえる。
思わず天童を見上げると、彼は小さく首を振った。
(……言ってないの?)
目で問いかけても、彼はただ柔らかく笑うだけ。
彼は楽しげに肩を竦める。
「俺、○○さんの知らないとこで、ご両親とも弟のお嫁さんとも連絡とって仲良くなっちゃったんだよね〜」
「……え?」
「俺がいない間、○○さん寂しくならないように、周りから固めておかないと」
思わずツッコミたくなる。
──それってどうなの、と。
でも彼はさらりと全部を受け流す。
気づけば、彼の腕が私を抱き寄せていた。空港の人混みの中で、迷いなく。
「弟くん公認なら、もういいよね」
囁きは甘く、耳元に溶けた。
「ちょっと……」
慌てて視線を泳がせるけれど、彼は離さない。
「おめーの弟じゃない! 俺の方が二個上なんだからな!」
後ろから晴斗の声が響いた。
けれど彼はまるで聞こえていないかのように、私だけを見つめていた。
「○○さん。俺、本気だから。次に帰ってくるまで、ちゃんと待っててね」
甘く、でも強い独占欲を滲ませた言葉。
そのまま腕の中で心臓が跳ねて、私は小さくうなずくことしかできなかった。
飛行機に乗り込む彼を見送ったあとも、胸の奥は熱を帯びていた。
空港のロビーには人のざわめきがあった。
私はこっそり彼を見送るつもりだったのに、そこには意外な人影があった。
「……晴斗」
「姉ちゃんが見送りに来るのに、俺が来ない理由ないだろ」
弟は腕を組みながら、当たり前のように立っていた。
天童くんも目を丸くしてから、吹き出した。
「……シスコンだ〜」
「はぁ?!」
やり取りに空気が少し和む。
でも次の瞬間、晴斗は真剣な顔になって天童くんを見た。
「……早くまた日本に帰るか、なんとかしないと許さないからな。姉ちゃん悲しませんなよ」
その言葉に、胸が跳ねた。
──まるで、全部知っているみたいに聞こえる。
思わず天童を見上げると、彼は小さく首を振った。
(……言ってないの?)
目で問いかけても、彼はただ柔らかく笑うだけ。
彼は楽しげに肩を竦める。
「俺、○○さんの知らないとこで、ご両親とも弟のお嫁さんとも連絡とって仲良くなっちゃったんだよね〜」
「……え?」
「俺がいない間、○○さん寂しくならないように、周りから固めておかないと」
思わずツッコミたくなる。
──それってどうなの、と。
でも彼はさらりと全部を受け流す。
気づけば、彼の腕が私を抱き寄せていた。空港の人混みの中で、迷いなく。
「弟くん公認なら、もういいよね」
囁きは甘く、耳元に溶けた。
「ちょっと……」
慌てて視線を泳がせるけれど、彼は離さない。
「おめーの弟じゃない! 俺の方が二個上なんだからな!」
後ろから晴斗の声が響いた。
けれど彼はまるで聞こえていないかのように、私だけを見つめていた。
「○○さん。俺、本気だから。次に帰ってくるまで、ちゃんと待っててね」
甘く、でも強い独占欲を滲ませた言葉。
そのまま腕の中で心臓が跳ねて、私は小さくうなずくことしかできなかった。
飛行機に乗り込む彼を見送ったあとも、胸の奥は熱を帯びていた。
