5 結婚式後
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差し出された小皿の上には、小さな一粒のチョコレート。 バーの控えめな照明に反射して、艶やかに光っている。
「ほら、これ合わせて食べてみて〜」
天童くんはグラスを軽く回し、琥珀色の液体を揺らす。
「一口飲んで、少しチョコ舐めて、もう一口。順番大事だよ」
言われるがままに口に含むと、深い甘みが広がり、その直後に重ねたお酒が一気に香りを引き立てる。
驚きに目を瞬かせると、隣からくすりと笑い声が落ちてきた。
「ね? こういうの勉強してるから、ちょっとは格好つけられるんだよ」
「……本当に、大人になったね」
思わず呟くと、彼は少し得意げに眉を上げた。
「そう思うなら……もうちょっと素直に見てほしいな〜」
そう言って、彼は自分のグラスを差し出す。
「これも味わってみて」
「え、でも……同じグラスは」
言いかけるより早く、すっと口元に近づけられる。
指先が触れないように、けれど拒む余地も与えない距離感。
「……飲んで」
低く囁かれて、視線を逸らせない。
少しだけ口をつけると、先ほどより重みのある味わいが広がり、喉の奥まで熱を残していった。
「ほら、俺の方が濃いでしょ」
囁きながら笑う天童くんの目は、軽さの裏で確かに獲物を狙う色をしている。
胸がざわついて、慌てて誤魔化そうとする。
「……やめてよ。そんな、わざと勘違いさせるようなこと言って」
すると彼は、グラスを置き、ゆっくりとこちらに身体を傾けてきた。
「勘違い? 俺、もうずっと……同じ気持ちなんだけど」
「……」
「高校の時から、ずっと。離れてても、国が違っても、俺の中じゃ"○○さん"だけ」
爆弾のような言葉に、心臓が強く跳ねる。
ふざけた調子で逃げるのかと思えば、その眼差しは一切揺るがない。
「さっきだって言ったよね。俺、今日のためにやってきたんだって」
彼の声は穏やかに落ちてくる。
「お店を大きくしたのも、名前を売ったのも……全部、胸張って言える男になりたかったからだよ。もし会えた時に、"ただの天童覚"じゃ釣り合わないと思ったから」
震えるほど真っ直ぐな告白に、言葉が出ない。
彼はそれでも笑みを崩さず、けれどほんの少し唇の端に熱を滲ませて続けた。
「……ねぇ。もう"冗談"だなんて言わないでくれる?」
グラスの中身よりもずっと濃く、甘く、苦い空気がふたりを包んでいた。
「ほら、これ合わせて食べてみて〜」
天童くんはグラスを軽く回し、琥珀色の液体を揺らす。
「一口飲んで、少しチョコ舐めて、もう一口。順番大事だよ」
言われるがままに口に含むと、深い甘みが広がり、その直後に重ねたお酒が一気に香りを引き立てる。
驚きに目を瞬かせると、隣からくすりと笑い声が落ちてきた。
「ね? こういうの勉強してるから、ちょっとは格好つけられるんだよ」
「……本当に、大人になったね」
思わず呟くと、彼は少し得意げに眉を上げた。
「そう思うなら……もうちょっと素直に見てほしいな〜」
そう言って、彼は自分のグラスを差し出す。
「これも味わってみて」
「え、でも……同じグラスは」
言いかけるより早く、すっと口元に近づけられる。
指先が触れないように、けれど拒む余地も与えない距離感。
「……飲んで」
低く囁かれて、視線を逸らせない。
少しだけ口をつけると、先ほどより重みのある味わいが広がり、喉の奥まで熱を残していった。
「ほら、俺の方が濃いでしょ」
囁きながら笑う天童くんの目は、軽さの裏で確かに獲物を狙う色をしている。
胸がざわついて、慌てて誤魔化そうとする。
「……やめてよ。そんな、わざと勘違いさせるようなこと言って」
すると彼は、グラスを置き、ゆっくりとこちらに身体を傾けてきた。
「勘違い? 俺、もうずっと……同じ気持ちなんだけど」
「……」
「高校の時から、ずっと。離れてても、国が違っても、俺の中じゃ"○○さん"だけ」
爆弾のような言葉に、心臓が強く跳ねる。
ふざけた調子で逃げるのかと思えば、その眼差しは一切揺るがない。
「さっきだって言ったよね。俺、今日のためにやってきたんだって」
彼の声は穏やかに落ちてくる。
「お店を大きくしたのも、名前を売ったのも……全部、胸張って言える男になりたかったからだよ。もし会えた時に、"ただの天童覚"じゃ釣り合わないと思ったから」
震えるほど真っ直ぐな告白に、言葉が出ない。
彼はそれでも笑みを崩さず、けれどほんの少し唇の端に熱を滲ませて続けた。
「……ねぇ。もう"冗談"だなんて言わないでくれる?」
グラスの中身よりもずっと濃く、甘く、苦い空気がふたりを包んでいた。
