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夢小説設定
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「……あれ、もうこんな時間」
壁の時計を見上げて、小さくつぶやいた。
覚くんが、今日の夜は店の打ち合わせで遅くなると言っていたのはわかってた。
それでも──時間が過ぎるごとに、
胸の中に不安がじわじわ広がってくる。
テレビをつけてみても、内容が入ってこない。
お気に入りの紅茶も、今日はなんだか味が薄い気がする。
「……変だな」
ひとりでいるだけなのに、空気が重くて。
照明の色さえ、どこか冷たく感じる。
そっとベッドに入ってみるけど、
ふわりと沈むシーツの感触が、妙に物足りない。
右側。
いつも覚くんが寝ている場所。
その空白が、夜の静けさをじわじわと満たしていく。
「……覚くん……」
声に出してみると、少しだけ安心した。
でも──やっぱり、眠れない。
身体は疲れているはずなのに、
目を閉じても意識が冴えていて、心がざわついてる。
"そばにいないと、こんなに不安になるなんて"
気づけば、スマホを手に取っていた。
LINEの画面を開いて、最後のメッセージを見返す。
「あと1時間くらいで帰るよ〜。
ちゃんと待っててね。
お利口さんにしてたら、ご褒美あげる♡」
……バカみたいだな、私。
って思うのに、ほんの少しだけ顔が熱くなって、
その言葉を繰り返し読み返してる。
カチャリ、と玄関の鍵が開く音がした。
「……っ!」
一気に胸が跳ねた。
すぐに身体を起こして、
ドアの方へ向かおうとして──
ふと我に返る。
何してるんだろう、私。
まるで子供みたい。
けど、そんなことを考えるよりも先に、
足が勝手に動いていた。
リビングの扉が開いて、彼の姿が見える。
笑ってる。
いつもの柔らかい顔で、こっちを見てる。
「ただいま〜、○○ちゃん。起きてたの?」
「……うん、なんか、寝れなくて」
言った瞬間、彼の表情がほんの少しだけ優しくなる。
「そっか。寂しかった?」
うなずきたくなくて、うなずきたくなる。
言葉にしない代わりに、彼の服をそっと掴む。
そのまま、腕の中に抱き寄せられた。
「大丈夫だよ。
……ほら、俺、ちゃんと帰ってきたでしょ?」
その囁きが、胸の奥にふわりと沈む。
肩に触れる唇が優しくて、熱くて、
彼の体温が自分に溶けてくるたびに、
不安が音もなく溶けていく。
「……覚くん、いないと、眠れない」
そう言った私の声は、少し震えていたと思う。
でも、彼は満足そうに微笑んだ。
「じゃあ、今夜はいっぱい甘やかしてあげるね」
ベッドに戻ると、すぐに彼が隣に横たわる。
肩を抱かれたまま、目を閉じた。
ああ──これだ。
この感じ。
この匂い。
この声。
これがないと、眠れない。
"私、いつからこんなふうになったんだろう"
そんな考えも、一瞬浮かんだけど──
すぐに彼の囁きが、それを消してくれた。
「……大丈夫。俺がいるから」
その言葉を信じた。
というより、信じたいと思った。
だって今の私は、
この腕の中でしか眠れないんだから。
壁の時計を見上げて、小さくつぶやいた。
覚くんが、今日の夜は店の打ち合わせで遅くなると言っていたのはわかってた。
それでも──時間が過ぎるごとに、
胸の中に不安がじわじわ広がってくる。
テレビをつけてみても、内容が入ってこない。
お気に入りの紅茶も、今日はなんだか味が薄い気がする。
「……変だな」
ひとりでいるだけなのに、空気が重くて。
照明の色さえ、どこか冷たく感じる。
そっとベッドに入ってみるけど、
ふわりと沈むシーツの感触が、妙に物足りない。
右側。
いつも覚くんが寝ている場所。
その空白が、夜の静けさをじわじわと満たしていく。
「……覚くん……」
声に出してみると、少しだけ安心した。
でも──やっぱり、眠れない。
身体は疲れているはずなのに、
目を閉じても意識が冴えていて、心がざわついてる。
"そばにいないと、こんなに不安になるなんて"
気づけば、スマホを手に取っていた。
LINEの画面を開いて、最後のメッセージを見返す。
「あと1時間くらいで帰るよ〜。
ちゃんと待っててね。
お利口さんにしてたら、ご褒美あげる♡」
……バカみたいだな、私。
って思うのに、ほんの少しだけ顔が熱くなって、
その言葉を繰り返し読み返してる。
カチャリ、と玄関の鍵が開く音がした。
「……っ!」
一気に胸が跳ねた。
すぐに身体を起こして、
ドアの方へ向かおうとして──
ふと我に返る。
何してるんだろう、私。
まるで子供みたい。
けど、そんなことを考えるよりも先に、
足が勝手に動いていた。
リビングの扉が開いて、彼の姿が見える。
笑ってる。
いつもの柔らかい顔で、こっちを見てる。
「ただいま〜、○○ちゃん。起きてたの?」
「……うん、なんか、寝れなくて」
言った瞬間、彼の表情がほんの少しだけ優しくなる。
「そっか。寂しかった?」
うなずきたくなくて、うなずきたくなる。
言葉にしない代わりに、彼の服をそっと掴む。
そのまま、腕の中に抱き寄せられた。
「大丈夫だよ。
……ほら、俺、ちゃんと帰ってきたでしょ?」
その囁きが、胸の奥にふわりと沈む。
肩に触れる唇が優しくて、熱くて、
彼の体温が自分に溶けてくるたびに、
不安が音もなく溶けていく。
「……覚くん、いないと、眠れない」
そう言った私の声は、少し震えていたと思う。
でも、彼は満足そうに微笑んだ。
「じゃあ、今夜はいっぱい甘やかしてあげるね」
ベッドに戻ると、すぐに彼が隣に横たわる。
肩を抱かれたまま、目を閉じた。
ああ──これだ。
この感じ。
この匂い。
この声。
これがないと、眠れない。
"私、いつからこんなふうになったんだろう"
そんな考えも、一瞬浮かんだけど──
すぐに彼の囁きが、それを消してくれた。
「……大丈夫。俺がいるから」
その言葉を信じた。
というより、信じたいと思った。
だって今の私は、
この腕の中でしか眠れないんだから。
