15
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
カチリ、と手首で小さな音が鳴った。
冷たい金属の輪が、私の肌に静かに絡みつく。
天井の灯りが、ほんの少しだけ揺れた。
でも、部屋の空気はずっと前から止まっているみたいに、甘く、静かだった。
「……覚くん」
呼びかけた声が、自分でも少し掠れていると気づいた。
彼は、優しく微笑んでいた。
まるで私が、小さなプレゼントでも差し出したかのように。
──私から鍵を渡した。
それが何を意味するか、もう分かってる。
わかっていて、渡した。
「……ねえ、私、自分から……こんなふうになるなんて、思わなかった」
笑おうとしたのに、声の奥が震えてる。
怖い? 違う。
嬉しいのかって言われると、それもちょっと違う。
でも──たぶん今の私は、安心してる。
この腕の中にいる限り、
何も考えなくていい。何も選ばなくていい。
全部、覚くんが決めてくれる。
「ねぇ、もう少しだけ……抱きしめて?」
自分でもびっくりするくらい、自然にそう言ってた。
彼の手が、そっと私の髪を撫でる。
柔らかく、指先まで優しくて。
ああ、この人に、ちゃんと壊されてるんだなって思った。
彼は何も言わない。
ただ私を見ているだけ。
言葉なんていらない。
私はその視線に、首を縦に振った。
「ありがとう、○○ちゃん。
ほんとに、いい子だね」
優しい声。
でも、その中にある"何か"は、
ずっと前から私に染みついてる。
この人に褒められると、心がじんわり熱くなる。
だから……もっと欲しくなる。
「私、……大丈夫だよ。全部、覚くんに渡すから」
声に出した瞬間、
彼の目が細くなって、唇が私の額に落ちてきた。
「嬉しいなぁ、○○ちゃん。
そんなにちゃんと俺のこと、わかってくれるなんて」
囁く声が、耳の奥に優しく残って消えない。
ベッドにそっと横になると、彼が隣に身体を沿わせる。
抱きしめてくれる腕が、あたたかくて。
それなのに、どこか、胸の奥がひりひりして。
でもいいの。
私は、この人に全部壊されても、
抱きしめられてるなら、それでいい。
「……ねぇ、覚くん。
私、ちゃんと"覚くんのもの"になれてる?」
問いかけた瞬間、
彼の腕に、ぎゅっと強く閉じ込められた。
「なれてるよ。○○ちゃんはもう、俺の奥さんで、
俺の全部だよ」
その言葉が、
何より甘くて、何より──怖いくらい、嬉しかった。
私の中で、鍵がひとつ、閉まった音がした。
もう、きっと戻れない。
でも、戻る気なんて、とっくになくなってた。
覚くんのいない日常なんて、
私には、もう残ってない。
冷たい金属の輪が、私の肌に静かに絡みつく。
天井の灯りが、ほんの少しだけ揺れた。
でも、部屋の空気はずっと前から止まっているみたいに、甘く、静かだった。
「……覚くん」
呼びかけた声が、自分でも少し掠れていると気づいた。
彼は、優しく微笑んでいた。
まるで私が、小さなプレゼントでも差し出したかのように。
──私から鍵を渡した。
それが何を意味するか、もう分かってる。
わかっていて、渡した。
「……ねえ、私、自分から……こんなふうになるなんて、思わなかった」
笑おうとしたのに、声の奥が震えてる。
怖い? 違う。
嬉しいのかって言われると、それもちょっと違う。
でも──たぶん今の私は、安心してる。
この腕の中にいる限り、
何も考えなくていい。何も選ばなくていい。
全部、覚くんが決めてくれる。
「ねぇ、もう少しだけ……抱きしめて?」
自分でもびっくりするくらい、自然にそう言ってた。
彼の手が、そっと私の髪を撫でる。
柔らかく、指先まで優しくて。
ああ、この人に、ちゃんと壊されてるんだなって思った。
彼は何も言わない。
ただ私を見ているだけ。
言葉なんていらない。
私はその視線に、首を縦に振った。
「ありがとう、○○ちゃん。
ほんとに、いい子だね」
優しい声。
でも、その中にある"何か"は、
ずっと前から私に染みついてる。
この人に褒められると、心がじんわり熱くなる。
だから……もっと欲しくなる。
「私、……大丈夫だよ。全部、覚くんに渡すから」
声に出した瞬間、
彼の目が細くなって、唇が私の額に落ちてきた。
「嬉しいなぁ、○○ちゃん。
そんなにちゃんと俺のこと、わかってくれるなんて」
囁く声が、耳の奥に優しく残って消えない。
ベッドにそっと横になると、彼が隣に身体を沿わせる。
抱きしめてくれる腕が、あたたかくて。
それなのに、どこか、胸の奥がひりひりして。
でもいいの。
私は、この人に全部壊されても、
抱きしめられてるなら、それでいい。
「……ねぇ、覚くん。
私、ちゃんと"覚くんのもの"になれてる?」
問いかけた瞬間、
彼の腕に、ぎゅっと強く閉じ込められた。
「なれてるよ。○○ちゃんはもう、俺の奥さんで、
俺の全部だよ」
その言葉が、
何より甘くて、何より──怖いくらい、嬉しかった。
私の中で、鍵がひとつ、閉まった音がした。
もう、きっと戻れない。
でも、戻る気なんて、とっくになくなってた。
覚くんのいない日常なんて、
私には、もう残ってない。
