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夢小説設定
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休日
彼女はいつも通りの笑顔を見せるけど、
その目はときどき、ほんの少しだけ戸惑っていた。
「……あれ? さっき言ったこと、話したっけ?」
「え? 昨日そっちのコンビニ行ったって……どうして知ってるの?」
些細な違和感。
ほんの少しずつ積み重なって、
やがて"気づいてはいけないこと"に触れるかもしれない。
でも大丈夫。
俺は優しいから。
ちゃんと、"壊さないように"導いてあげる。
「うん、だって俺、○○ちゃんのこと、いっぱい知ってるもん」
笑って、さりげなく頭を撫でる。
「それって、悪いこと?」
言葉は甘く、でも問いかけのような響きを乗せて。
彼女は「……ううん、別に」と笑ったけど、
その笑みが少しだけぎこちないのを、俺は見逃さなかった。
──でも、気づいてももう遅いよ。
君の世界の中で、"俺がいない日常"なんて、もう残ってない。
俺が彼女にしていることが、
もし、全部バレたとしたら──
そんなことを考えたのは、ほんの一瞬だった。
けれどその一瞬すら、気に入らなかった。
「なんか……変な感じ」
○○ちゃんがそう言ったのは、俺の部屋にいるときだった。
ベッドの上、俺のシャツを羽織ったまま、
髪を梳かす手を止めて、ぽつりと。
「え、何が?」
笑って返す。
けど、内心では、全神経がその一言に向かってた。
「ううん……なんか、うまく言えないんだけど。
私、今日スマホの履歴見たら、目的地にしてなかった駅にナビ履歴が残ってて
……変だなって思って」
ふわりと笑って、彼女の頬に触れる。
「気のせいじゃない? 俺もたまにあるよ、似たようなこと。アプリのバグかもね〜」
そう言ってキスを落とすと、彼女は少し黙って、それからそっと目を閉じた。
その沈黙が、俺にとって何よりも心地よかった。
不安の芽なんて、甘さで全部包めばいい。
他のことが何も考えられなくなるくらいに。
「……不安なときは、俺に触れてればいいよ?」
そう囁いたときの、彼女の瞳の揺れ。
甘えたような吐息と、そっと触れてきた指先。
それがある限り、俺は大丈夫。
ただ、少しずつ。
ほんの少しずつ、彼女の"勘"が研ぎ澄まされてきている気がする。
「覚くんってさ……最初からこういう感じだったっけ?」
そう言われて、俺は笑った。
「うーん、どうだろうね〜。○○ちゃんが俺に慣れてきただけかもよ?」
そして彼女の首筋にキスを落とす。
そうすれば、問いはそれ以上深くならない。
それが今までの"正解"だった。
でも最近は──そのキスのあとに、
ほんの少しだけ、彼女の目が覚める気配を感じることがある。
だから、甘くする。
もっと、もっと甘く。
優しさで覆い尽くして、
触れ合いの記憶で、違和感を押し潰して──
「……今夜も泊まってくれる?」
ソファに座る彼女の耳元で、そう囁く。
俺の手のひらは、彼女の指を絡めたまま、微かに震えていた。
「……うん」
彼女のその返事だけで、喉の奥が熱くなった。
甘く、優しく、誠実に。
でも、その全部の裏に──
"逃がさない"っていう、俺の本心がある。
それを悟られないように、
彼女を深く深く抱きしめながら、
俺はまた、静かに仕掛けを増やしていく。
彼女のスマホのパスはもう知ってる。
位置情報も、SNSのログイン履歴も、
すべて把握している。
でもそんなの、口にはしない。
「……好きだよ。○○ちゃんの全部が、ほんとに」
そう囁いた声が、彼女の耳奥に届いていれば、それでいい。
今夜も、俺の腕の中。
その違和感が、確信に変わる前に──
もっと、もっと深くまで、絡めとっておかなきゃ。
次第に息が浅くなる彼女の背に、
そっと口づける。
愛してるよ。
だから、○○ちゃんは、
もう──どこにも行けないんだ
彼女はいつも通りの笑顔を見せるけど、
その目はときどき、ほんの少しだけ戸惑っていた。
「……あれ? さっき言ったこと、話したっけ?」
「え? 昨日そっちのコンビニ行ったって……どうして知ってるの?」
些細な違和感。
ほんの少しずつ積み重なって、
やがて"気づいてはいけないこと"に触れるかもしれない。
でも大丈夫。
俺は優しいから。
ちゃんと、"壊さないように"導いてあげる。
「うん、だって俺、○○ちゃんのこと、いっぱい知ってるもん」
笑って、さりげなく頭を撫でる。
「それって、悪いこと?」
言葉は甘く、でも問いかけのような響きを乗せて。
彼女は「……ううん、別に」と笑ったけど、
その笑みが少しだけぎこちないのを、俺は見逃さなかった。
──でも、気づいてももう遅いよ。
君の世界の中で、"俺がいない日常"なんて、もう残ってない。
俺が彼女にしていることが、
もし、全部バレたとしたら──
そんなことを考えたのは、ほんの一瞬だった。
けれどその一瞬すら、気に入らなかった。
「なんか……変な感じ」
○○ちゃんがそう言ったのは、俺の部屋にいるときだった。
ベッドの上、俺のシャツを羽織ったまま、
髪を梳かす手を止めて、ぽつりと。
「え、何が?」
笑って返す。
けど、内心では、全神経がその一言に向かってた。
「ううん……なんか、うまく言えないんだけど。
私、今日スマホの履歴見たら、目的地にしてなかった駅にナビ履歴が残ってて
……変だなって思って」
ふわりと笑って、彼女の頬に触れる。
「気のせいじゃない? 俺もたまにあるよ、似たようなこと。アプリのバグかもね〜」
そう言ってキスを落とすと、彼女は少し黙って、それからそっと目を閉じた。
その沈黙が、俺にとって何よりも心地よかった。
不安の芽なんて、甘さで全部包めばいい。
他のことが何も考えられなくなるくらいに。
「……不安なときは、俺に触れてればいいよ?」
そう囁いたときの、彼女の瞳の揺れ。
甘えたような吐息と、そっと触れてきた指先。
それがある限り、俺は大丈夫。
ただ、少しずつ。
ほんの少しずつ、彼女の"勘"が研ぎ澄まされてきている気がする。
「覚くんってさ……最初からこういう感じだったっけ?」
そう言われて、俺は笑った。
「うーん、どうだろうね〜。○○ちゃんが俺に慣れてきただけかもよ?」
そして彼女の首筋にキスを落とす。
そうすれば、問いはそれ以上深くならない。
それが今までの"正解"だった。
でも最近は──そのキスのあとに、
ほんの少しだけ、彼女の目が覚める気配を感じることがある。
だから、甘くする。
もっと、もっと甘く。
優しさで覆い尽くして、
触れ合いの記憶で、違和感を押し潰して──
「……今夜も泊まってくれる?」
ソファに座る彼女の耳元で、そう囁く。
俺の手のひらは、彼女の指を絡めたまま、微かに震えていた。
「……うん」
彼女のその返事だけで、喉の奥が熱くなった。
甘く、優しく、誠実に。
でも、その全部の裏に──
"逃がさない"っていう、俺の本心がある。
それを悟られないように、
彼女を深く深く抱きしめながら、
俺はまた、静かに仕掛けを増やしていく。
彼女のスマホのパスはもう知ってる。
位置情報も、SNSのログイン履歴も、
すべて把握している。
でもそんなの、口にはしない。
「……好きだよ。○○ちゃんの全部が、ほんとに」
そう囁いた声が、彼女の耳奥に届いていれば、それでいい。
今夜も、俺の腕の中。
その違和感が、確信に変わる前に──
もっと、もっと深くまで、絡めとっておかなきゃ。
次第に息が浅くなる彼女の背に、
そっと口づける。
愛してるよ。
だから、○○ちゃんは、
もう──どこにも行けないんだ
