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職場のパソコンの画面を見ていたはずなのに、
カーソルの点滅が、あの夜の彼の言葉と重なって頭の中に焼きついて離れない。
──『今日来てくれて嬉しかった』
あの声の、息がかかるくらい近い温度。
耳の奥に、甘い音だけがずっと残ってる。
「……集中しよ……」
つぶやいてみても、どうしてもふと思い出してしまうのはあの言葉。
──『触れたくなるのって、変かな?』
冗談のように言ってた。あの口調。
笑っていたはずなのに、
どうしてもあの目だけが、本気だった気がしてならない。
『俺、あんまり強引なことしたくないしね?
……ちゃんと、○○ちゃんが、
ほしいって言ってくれるまで、待てるよ。』
"ほしい"って……なにを?
って、考えちゃった瞬間、もう終わりだった。
どれだけ恥ずかしい想像をしたかなんて、
自分でも言えない。
自分が、そんなことを考えるなんて。
でも──考えてしまった。
彼にキスされたい。
彼にキスしたい。
彼に抱きしめられたい。
彼に──抱かれたい。
……そんな言葉、自分の中で浮かぶこと自体、どこか遠いことのように思ってたのに。
家に帰ってシャワーを浴び、髪を乾かしながら思う。
「……何でこんなことになってるんだろう」
別に恋がしたかったわけじゃない。
誰かに求められることを期待してたわけでもない。
でも、"特別"って言ってくれた。
ただのお客さんじゃなくて、
恋人よりもっと、って。
そんな枠があるのかはわからないけど、
彼の口からそう言われて、嬉しかったのは確かだった。
なのに、『好き』って言葉はどちらからも出てこないまま。
彼はたしかに「恋人になってみない?」って言ってきた。
でもあれは、"なってみない?"って、
様子を見るような言い方で。
私が返事をしないまま、
あの関係のまま、優しくて曖昧で、でも確かに心を締めつけてくるような空気のまま、
ずっとそばにいてくれてる。
「……好きって言えば、彼……答えてくれるのかな……」
ふと、心が口に出そうになって、
慌ててタオルで顔を隠す。
声に出すのも恥ずかしいくらい、
気持ちは熱くなってるのに。
もし、偶然が続いたら?
たとえば帰り道が同じだったり。
たとえば、彼の部屋に行く流れになったり。
たとえば、あの手が自分の頬に触れたら──
「……ないよ、そんな都合いいこと……」
でもそう思って否定したあとに、
心の奥で"もし"が消えてくれない。
あの人なら、
──偶然みたいに、全部仕掛けてきそうな気がしてしまう。
だって、いつだってそうだった。
気づかないうちに近づいていて、
気づいたときには、もう距離がなかった。
ベッドの中、眠れないまま天井を見つめる。
「……名前、呼ばせてくれないかな」
ぽつりと呟いた自分の声に、自分が驚いた。
"覚くん"って、呼んだことない。
でも、彼が呼んでくれる"○○ちゃん"の響きが優しくて、
そのたびに胸の奥がくすぐられる。
もし、私が彼の名前を口にしたら──
きっと彼は、あの笑いを隠した目で、
全部、受け止めるみたいに見てくるんだろう。
そんなこと、想像するだけでまた眠れなくなる。
「……なんか、もう……だめだな、私……」
こぼれた言葉が、自分の気持ちを追い越して、
ひっそりと夜に沈んでいった。
カーソルの点滅が、あの夜の彼の言葉と重なって頭の中に焼きついて離れない。
──『今日来てくれて嬉しかった』
あの声の、息がかかるくらい近い温度。
耳の奥に、甘い音だけがずっと残ってる。
「……集中しよ……」
つぶやいてみても、どうしてもふと思い出してしまうのはあの言葉。
──『触れたくなるのって、変かな?』
冗談のように言ってた。あの口調。
笑っていたはずなのに、
どうしてもあの目だけが、本気だった気がしてならない。
『俺、あんまり強引なことしたくないしね?
……ちゃんと、○○ちゃんが、
ほしいって言ってくれるまで、待てるよ。』
"ほしい"って……なにを?
って、考えちゃった瞬間、もう終わりだった。
どれだけ恥ずかしい想像をしたかなんて、
自分でも言えない。
自分が、そんなことを考えるなんて。
でも──考えてしまった。
彼にキスされたい。
彼にキスしたい。
彼に抱きしめられたい。
彼に──抱かれたい。
……そんな言葉、自分の中で浮かぶこと自体、どこか遠いことのように思ってたのに。
家に帰ってシャワーを浴び、髪を乾かしながら思う。
「……何でこんなことになってるんだろう」
別に恋がしたかったわけじゃない。
誰かに求められることを期待してたわけでもない。
でも、"特別"って言ってくれた。
ただのお客さんじゃなくて、
恋人よりもっと、って。
そんな枠があるのかはわからないけど、
彼の口からそう言われて、嬉しかったのは確かだった。
なのに、『好き』って言葉はどちらからも出てこないまま。
彼はたしかに「恋人になってみない?」って言ってきた。
でもあれは、"なってみない?"って、
様子を見るような言い方で。
私が返事をしないまま、
あの関係のまま、優しくて曖昧で、でも確かに心を締めつけてくるような空気のまま、
ずっとそばにいてくれてる。
「……好きって言えば、彼……答えてくれるのかな……」
ふと、心が口に出そうになって、
慌ててタオルで顔を隠す。
声に出すのも恥ずかしいくらい、
気持ちは熱くなってるのに。
もし、偶然が続いたら?
たとえば帰り道が同じだったり。
たとえば、彼の部屋に行く流れになったり。
たとえば、あの手が自分の頬に触れたら──
「……ないよ、そんな都合いいこと……」
でもそう思って否定したあとに、
心の奥で"もし"が消えてくれない。
あの人なら、
──偶然みたいに、全部仕掛けてきそうな気がしてしまう。
だって、いつだってそうだった。
気づかないうちに近づいていて、
気づいたときには、もう距離がなかった。
ベッドの中、眠れないまま天井を見つめる。
「……名前、呼ばせてくれないかな」
ぽつりと呟いた自分の声に、自分が驚いた。
"覚くん"って、呼んだことない。
でも、彼が呼んでくれる"○○ちゃん"の響きが優しくて、
そのたびに胸の奥がくすぐられる。
もし、私が彼の名前を口にしたら──
きっと彼は、あの笑いを隠した目で、
全部、受け止めるみたいに見てくるんだろう。
そんなこと、想像するだけでまた眠れなくなる。
「……なんか、もう……だめだな、私……」
こぼれた言葉が、自分の気持ちを追い越して、
ひっそりと夜に沈んでいった。
