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「……ねぇ、○○ちゃん。これさ、どっちの方が、口どけ、印象に残ると思う?」
手元のチョコをふたつ。
同じように見えるけど、使ってるカカオも配合も違う。
見た目じゃわからない、それこそ"中身"の差。
そう言いながら、彼女の目の前に
ゆっくりと指を伸ばす。
彼女の視線が、その指を追う。
わかる。
"目が動いた音"がした気がした。
意識してる。
自分の指に、手の動きに。
料理人やショコラティエの手って、
どこか"触れる"ということに特別な重みがある。
彼女もそれを、無意識に感じてるはず。
(……そうだよね。俺の"手"で、なにか作ってるって知ってるんだもんね)
言葉にはしない。
でも、視線がもう答えを持ってる。
「俺さ、よく"手が綺麗"って言われるんだけど、
でも、たぶんチョコ作ってる時が一番、素直なんだと思う」
"素直"というワードを選ぶ。
それは彼女が無意識に信じたいものを引き寄せる言葉。
彼女は、"誰かの本音"に弱い。
特に、自分に見せてくれた本音には、逃げられない。
俺が"彼女にだけ素直になる"という構図を作るためには、
手元から本音を語らせるのが一番自然だ。
「チョコってさ、扱う温度も湿度も繊細で、
少し気を抜くとすぐ崩れるんだよね〜」
その言葉に、彼女の目がふっと細くなる。
いつの間にか、チョコじゃなくて、"俺の指先"を見てることに気づいてない。
でも俺は気づいてる。
ちゃんと、そこも見てる。
(……触れたい、って思ってるでしょ)
今じゃない。
まだ、触れさせない。
でも、"触れたい"って気持ちを持たせたら、
もう十分。
それだけで、彼女はもう俺の中に足を入れてる。
「○○ちゃんは、俺の名前……まだ呼ばないんだよね」
何気ない風を装って、そう言ってみる。
笑ってるけど、視線は彼女の反応に集中した。
彼女の体が一瞬強張る。
予想通り。
(……そうだよね、まだ"覚"って言えないんだ)
恋人ですら、呼び捨てにしてこなかった彼女。
それは彼女にとっての"自尊心"であり、"自分を保つ距離感"。
だからこそ、
名前を呼ばせること=一線を越えさせる行為になる。
「……言いたくないわけじゃなくて、慣れてないだけだよね?」
さらっと言いながら、
彼女の目の前に自分の指を差し出す。
笑みを浮かべながら、二つのチョコを指差す。
「ねえ、どっちが好き?
……って、俺じゃなくて、"覚くんはこっち、だと思う"って言ってみてよ」
彼女の視線を指先に誘導するように、俺はわざとその手を彼女の目の前に差し出す。
「ほら、"覚くんはこっちが好きそう"って。
俺の名前、口に出して」
それはただの選択じゃない。
彼女に「名前を呼ばせる」ことが、一歩踏み込ませるための導線だった。
名前を呼ばせるのは、
たった一言なのに、
とても親密な体温を伴う行為。
まだ触れてない。
なのに、すでに彼女の距離は、
その指先よりも近くなってきてる。
"触れたい"って思わせて、
"名前を呼ばなきゃいけない空気"を作って、
彼女が"自分から踏み込む形"にする。
全部、俺が計算してる。
でも、彼女には気づかせない。
そういう"仕掛け"こそが、
一番、彼女の心に残る後味になるんだ。
手元のチョコをふたつ。
同じように見えるけど、使ってるカカオも配合も違う。
見た目じゃわからない、それこそ"中身"の差。
そう言いながら、彼女の目の前に
ゆっくりと指を伸ばす。
彼女の視線が、その指を追う。
わかる。
"目が動いた音"がした気がした。
意識してる。
自分の指に、手の動きに。
料理人やショコラティエの手って、
どこか"触れる"ということに特別な重みがある。
彼女もそれを、無意識に感じてるはず。
(……そうだよね。俺の"手"で、なにか作ってるって知ってるんだもんね)
言葉にはしない。
でも、視線がもう答えを持ってる。
「俺さ、よく"手が綺麗"って言われるんだけど、
でも、たぶんチョコ作ってる時が一番、素直なんだと思う」
"素直"というワードを選ぶ。
それは彼女が無意識に信じたいものを引き寄せる言葉。
彼女は、"誰かの本音"に弱い。
特に、自分に見せてくれた本音には、逃げられない。
俺が"彼女にだけ素直になる"という構図を作るためには、
手元から本音を語らせるのが一番自然だ。
「チョコってさ、扱う温度も湿度も繊細で、
少し気を抜くとすぐ崩れるんだよね〜」
その言葉に、彼女の目がふっと細くなる。
いつの間にか、チョコじゃなくて、"俺の指先"を見てることに気づいてない。
でも俺は気づいてる。
ちゃんと、そこも見てる。
(……触れたい、って思ってるでしょ)
今じゃない。
まだ、触れさせない。
でも、"触れたい"って気持ちを持たせたら、
もう十分。
それだけで、彼女はもう俺の中に足を入れてる。
「○○ちゃんは、俺の名前……まだ呼ばないんだよね」
何気ない風を装って、そう言ってみる。
笑ってるけど、視線は彼女の反応に集中した。
彼女の体が一瞬強張る。
予想通り。
(……そうだよね、まだ"覚"って言えないんだ)
恋人ですら、呼び捨てにしてこなかった彼女。
それは彼女にとっての"自尊心"であり、"自分を保つ距離感"。
だからこそ、
名前を呼ばせること=一線を越えさせる行為になる。
「……言いたくないわけじゃなくて、慣れてないだけだよね?」
さらっと言いながら、
彼女の目の前に自分の指を差し出す。
笑みを浮かべながら、二つのチョコを指差す。
「ねえ、どっちが好き?
……って、俺じゃなくて、"覚くんはこっち、だと思う"って言ってみてよ」
彼女の視線を指先に誘導するように、俺はわざとその手を彼女の目の前に差し出す。
「ほら、"覚くんはこっちが好きそう"って。
俺の名前、口に出して」
それはただの選択じゃない。
彼女に「名前を呼ばせる」ことが、一歩踏み込ませるための導線だった。
名前を呼ばせるのは、
たった一言なのに、
とても親密な体温を伴う行為。
まだ触れてない。
なのに、すでに彼女の距離は、
その指先よりも近くなってきてる。
"触れたい"って思わせて、
"名前を呼ばなきゃいけない空気"を作って、
彼女が"自分から踏み込む形"にする。
全部、俺が計算してる。
でも、彼女には気づかせない。
そういう"仕掛け"こそが、
一番、彼女の心に残る後味になるんだ。
