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──共同作業。
その言葉に、ちょっとだけ胸がざわついたのは、
恋人だからとか、そういう意味でじゃなくて。
ただの客じゃない、
ただの同級生でもない、
どこにも分類されない私が、"彼の仕事に関わる"こと。
名前をつけて、説明文を一緒に考える。
それは、思っていたよりも
ずっと──私の生活に入り込んでくる作業だった。
「じゃあ、候補をいくつかあげてみて〜。
語感でも、雰囲気でも、連想でもなんでもOKだから」
カフェスペースの片隅で、
メモ帳を挟んだボードを渡される。
その仕草が、まるで美術館のガイドをしてくれるような丁寧さで、
私はいつの間にか「"ちゃんと考えなきゃ"ってモード」になっていた。
店内は静かだった。
オフの日の午後、平日の昼間より人は少ない。
でも、スタッフが一人通りかかったときに、
「……あの方ですか?」なんて声をかけられて、私は言葉に詰まった。
("あの方"? ……なにそれ)
店に来るたび、スタッフが変わっていても
私の顔だけは誰もが知っているような空気をまとっていて。
もちろん、彼の笑顔は変わらないし、
いつもと同じトーンで話しかけてくれるけれど。
(もしかして、私……"紹介されてる"んだろうか)
名前を出されるでもなく、肩書きがあるわけでもない。
だけど、スタッフは私を「ただの客」としては見ていない。
そして、その違和感に気づいたとき。
少しだけ、背中がすっと冷えた。
でも、それよりもなによりも、
私が今いちばん混乱しているのは──
「恋人になってみない?」って言われたのに、
その言葉がその後一度も"繰り返されない"ことだった。
あれは、一瞬の気の迷いだったのか。
それとも返事を待ってる状態のままで、私は曖昧に受け入れてしまったのか。
(でも、今の関係は……たぶん、普通じゃない)
説明文を一緒に考えて、
パッケージに込める言葉に悩んで、
夜には「お疲れさま〜」ってLINEが届く。
"感想を聞かせてね"の一言の中に、
"今日は顔が見られてよかった"と、さりげなく優しさが混じっている。
まるで、私が疲れてるのも知ってるみたいに。
(……どこまで、見られてるんだろう)
最近、天童さんのLINEは不思議とタイミングがよすぎる。
忙しさのピークの時間を避けてきたり、
散歩帰りに寄ろうか悩んでるときに「今日は涼しいね」なんて連絡が来たり。
偶然だと思いたいけど、
何度も続くと、さすがにざわざわしてくる。
(まさか……そんな、考えすぎ……)
でも、彼は、何も言わない。
「知ってるよ」も「調べたよ」も言わない。
ただ、自然な顔で、穏やかに、私を包んでくる。
「○○ちゃんが考えてくれた名前ね、
"今月のテーマ"のメインにすることにしたよ〜」
それは、さりげなく言われた。
でも私にとっては、明らかに"特別扱い"だった。
(……いいのかな、私なんかが)
そんな風に思うと同時に、
誰かに認められた気持ちがくすぐったくて、嬉しくて。
"あなたが必要だよ"って言われているみたいで、
居場所ができたような錯覚がした。
「恋人です」って言われたら、
きっとそれで私は安心して、
どこか冷静になれたかもしれない。
でも、今は違う。
この関係は曖昧で、名前がついてなくて、
でも誰よりも近くて、特別で。
逃げ場がないほど居心地がいい。
だからこそ、怖い。
私の生活の隙間に、
ふとした瞬間に彼の名前が出てくる。
知らないうちに、彼の存在が"日常"に染みついてきている。
──恋人、って言葉が出されないまま。
"関係性"じゃなく、"場所"として居着いていく彼。
私はどこかで、ちゃんと距離を測らなきゃいけないって思ってる。
なのに、なぜか測り方がわからない。
私、いつの間に……
どこまで彼の中に、踏み込んでるんだろう。
そして彼は、どこまで、
私のことを知ってるんだろう。
その言葉に、ちょっとだけ胸がざわついたのは、
恋人だからとか、そういう意味でじゃなくて。
ただの客じゃない、
ただの同級生でもない、
どこにも分類されない私が、"彼の仕事に関わる"こと。
名前をつけて、説明文を一緒に考える。
それは、思っていたよりも
ずっと──私の生活に入り込んでくる作業だった。
「じゃあ、候補をいくつかあげてみて〜。
語感でも、雰囲気でも、連想でもなんでもOKだから」
カフェスペースの片隅で、
メモ帳を挟んだボードを渡される。
その仕草が、まるで美術館のガイドをしてくれるような丁寧さで、
私はいつの間にか「"ちゃんと考えなきゃ"ってモード」になっていた。
店内は静かだった。
オフの日の午後、平日の昼間より人は少ない。
でも、スタッフが一人通りかかったときに、
「……あの方ですか?」なんて声をかけられて、私は言葉に詰まった。
("あの方"? ……なにそれ)
店に来るたび、スタッフが変わっていても
私の顔だけは誰もが知っているような空気をまとっていて。
もちろん、彼の笑顔は変わらないし、
いつもと同じトーンで話しかけてくれるけれど。
(もしかして、私……"紹介されてる"んだろうか)
名前を出されるでもなく、肩書きがあるわけでもない。
だけど、スタッフは私を「ただの客」としては見ていない。
そして、その違和感に気づいたとき。
少しだけ、背中がすっと冷えた。
でも、それよりもなによりも、
私が今いちばん混乱しているのは──
「恋人になってみない?」って言われたのに、
その言葉がその後一度も"繰り返されない"ことだった。
あれは、一瞬の気の迷いだったのか。
それとも返事を待ってる状態のままで、私は曖昧に受け入れてしまったのか。
(でも、今の関係は……たぶん、普通じゃない)
説明文を一緒に考えて、
パッケージに込める言葉に悩んで、
夜には「お疲れさま〜」ってLINEが届く。
"感想を聞かせてね"の一言の中に、
"今日は顔が見られてよかった"と、さりげなく優しさが混じっている。
まるで、私が疲れてるのも知ってるみたいに。
(……どこまで、見られてるんだろう)
最近、天童さんのLINEは不思議とタイミングがよすぎる。
忙しさのピークの時間を避けてきたり、
散歩帰りに寄ろうか悩んでるときに「今日は涼しいね」なんて連絡が来たり。
偶然だと思いたいけど、
何度も続くと、さすがにざわざわしてくる。
(まさか……そんな、考えすぎ……)
でも、彼は、何も言わない。
「知ってるよ」も「調べたよ」も言わない。
ただ、自然な顔で、穏やかに、私を包んでくる。
「○○ちゃんが考えてくれた名前ね、
"今月のテーマ"のメインにすることにしたよ〜」
それは、さりげなく言われた。
でも私にとっては、明らかに"特別扱い"だった。
(……いいのかな、私なんかが)
そんな風に思うと同時に、
誰かに認められた気持ちがくすぐったくて、嬉しくて。
"あなたが必要だよ"って言われているみたいで、
居場所ができたような錯覚がした。
「恋人です」って言われたら、
きっとそれで私は安心して、
どこか冷静になれたかもしれない。
でも、今は違う。
この関係は曖昧で、名前がついてなくて、
でも誰よりも近くて、特別で。
逃げ場がないほど居心地がいい。
だからこそ、怖い。
私の生活の隙間に、
ふとした瞬間に彼の名前が出てくる。
知らないうちに、彼の存在が"日常"に染みついてきている。
──恋人、って言葉が出されないまま。
"関係性"じゃなく、"場所"として居着いていく彼。
私はどこかで、ちゃんと距離を測らなきゃいけないって思ってる。
なのに、なぜか測り方がわからない。
私、いつの間に……
どこまで彼の中に、踏み込んでるんだろう。
そして彼は、どこまで、
私のことを知ってるんだろう。
