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「……ねえ、○○ちゃん。
俺と、恋人になってみない?」
何気ない調子だった。
声も、トーンも、まるでおしゃべりの延長のように柔らかかったのに。
その一言が、
世界の色味を変えてしまった。
顔が熱い。
というより、頭のてっぺんからつま先まで、何かに包まれたみたいだった。
じんわりと熱が広がって、呼吸の仕方すら忘れる。
鼓動の音が耳の奥で響いて、自分の声が遠くに聞こえる。
……これ、絶対、顔だけじゃなく耳まで真っ赤だよね。
そう思った瞬間、余計に恥ずかしくなって、
どう返せばいいのか、何も出てこなかった。
「返事は、いつでもいいからね〜」
いつもの調子で、彼は笑った。
やわらかくて、軽くて、
でも、どこかほんの少しだけ"真剣さ"が滲んでいた気がした。
……そんなの、ズルい。
帰り道の記憶は曖昧だった。
気づけば部屋の鍵を閉めて、
靴を脱いだ瞬間、ふらふらとそのままリビングに倒れ込む。
「……な、なに、これ……」
クッションを抱きしめて、床の上でジタバタと暴れて、
思わず両足をバタつかせた。
28歳、社会人。派遣社員。女。
そんな自分が、恋愛のたった一言で
"こんなにぐちゃぐちゃになるなんて"、思ってもみなかった。
お風呂に入っても、気持ちは落ち着かない。
湯船に沈みながら、口元を手で覆って、
「……っああああぁ〜〜〜〜〜〜!!!」
湯気の中で叫ぶ。
のぼせそうなくらい暑いのに、頭の中は冷静にならなくて。
たしかに、彼の店に最初に入ったときは、
「同級生だったかも?」って気持ちからだった。
有名人が経営してるってだけで、
ちょっとしたミーハー心だったのに。
甘いもの苦手なのに、チョコなら平気ってだけで買って。
感想を言ったら、また渡されて。
仕事の一環かもって思ってたし、
言葉が出ない私に、
「うんうん、それでいいよ〜」って笑ってくれるのが嬉しくて。
自然と、
"友達"みたいな感じでやりとりしてたのに──
恋人、になってみない?
……え、それって、ほんとに?
(なんか……フィクション、みたい)
よくある恋愛バラエティ番組。
「え〜〜!? 付き合うの!?」
「いや、まだ付き合ってないんじゃない!?」
って、テレビの前でツッコミながら笑ってたのに。
少女漫画で「恋人になってみようか」って言われて、
キャー!ってなってた、あの頃みたいに。
でも現実はもっと、なんかリアルで、なんか曖昧で、怖い。
だって、彼のこと──
異性として意識してた。間違いなく。
でも、それが「恋」かって言われると、
正直、わからない。
ドキドキは、してた?
してたと思う。
けど、友達としての居心地の良さかもしれない。
……わからない。
(っていうか、それは彼だって同じなんじゃ?)
私のこと、好きで言ってくれたのかな?
それとも、恋人って関係の中で、
何かが始まるかもっていう軽い提案だったのかな?
グルグル、グルグル、考えても、
答えは出ない。
でも、彼の言葉が、ずっと耳に残っている。
「俺と、恋人になってみない?」
なんか、優しくて、ずるくて。
わたしを"選ばせた"ようなその言い方が、
心にひっかかる。
(ねえ、覚くん……)
心の中で、初めて呼んだ"名前"。
恋人になるって、
どういう気持ちで答えればいいんだろう。
ちゃんとドキドキしてなくちゃ、ダメなのかな。
それとも、"好きになっていく途中"じゃ、ダメなのかな。
わたしはまだ、この気持ちに名前をつけられない。
俺と、恋人になってみない?」
何気ない調子だった。
声も、トーンも、まるでおしゃべりの延長のように柔らかかったのに。
その一言が、
世界の色味を変えてしまった。
顔が熱い。
というより、頭のてっぺんからつま先まで、何かに包まれたみたいだった。
じんわりと熱が広がって、呼吸の仕方すら忘れる。
鼓動の音が耳の奥で響いて、自分の声が遠くに聞こえる。
……これ、絶対、顔だけじゃなく耳まで真っ赤だよね。
そう思った瞬間、余計に恥ずかしくなって、
どう返せばいいのか、何も出てこなかった。
「返事は、いつでもいいからね〜」
いつもの調子で、彼は笑った。
やわらかくて、軽くて、
でも、どこかほんの少しだけ"真剣さ"が滲んでいた気がした。
……そんなの、ズルい。
帰り道の記憶は曖昧だった。
気づけば部屋の鍵を閉めて、
靴を脱いだ瞬間、ふらふらとそのままリビングに倒れ込む。
「……な、なに、これ……」
クッションを抱きしめて、床の上でジタバタと暴れて、
思わず両足をバタつかせた。
28歳、社会人。派遣社員。女。
そんな自分が、恋愛のたった一言で
"こんなにぐちゃぐちゃになるなんて"、思ってもみなかった。
お風呂に入っても、気持ちは落ち着かない。
湯船に沈みながら、口元を手で覆って、
「……っああああぁ〜〜〜〜〜〜!!!」
湯気の中で叫ぶ。
のぼせそうなくらい暑いのに、頭の中は冷静にならなくて。
たしかに、彼の店に最初に入ったときは、
「同級生だったかも?」って気持ちからだった。
有名人が経営してるってだけで、
ちょっとしたミーハー心だったのに。
甘いもの苦手なのに、チョコなら平気ってだけで買って。
感想を言ったら、また渡されて。
仕事の一環かもって思ってたし、
言葉が出ない私に、
「うんうん、それでいいよ〜」って笑ってくれるのが嬉しくて。
自然と、
"友達"みたいな感じでやりとりしてたのに──
恋人、になってみない?
……え、それって、ほんとに?
(なんか……フィクション、みたい)
よくある恋愛バラエティ番組。
「え〜〜!? 付き合うの!?」
「いや、まだ付き合ってないんじゃない!?」
って、テレビの前でツッコミながら笑ってたのに。
少女漫画で「恋人になってみようか」って言われて、
キャー!ってなってた、あの頃みたいに。
でも現実はもっと、なんかリアルで、なんか曖昧で、怖い。
だって、彼のこと──
異性として意識してた。間違いなく。
でも、それが「恋」かって言われると、
正直、わからない。
ドキドキは、してた?
してたと思う。
けど、友達としての居心地の良さかもしれない。
……わからない。
(っていうか、それは彼だって同じなんじゃ?)
私のこと、好きで言ってくれたのかな?
それとも、恋人って関係の中で、
何かが始まるかもっていう軽い提案だったのかな?
グルグル、グルグル、考えても、
答えは出ない。
でも、彼の言葉が、ずっと耳に残っている。
「俺と、恋人になってみない?」
なんか、優しくて、ずるくて。
わたしを"選ばせた"ようなその言い方が、
心にひっかかる。
(ねえ、覚くん……)
心の中で、初めて呼んだ"名前"。
恋人になるって、
どういう気持ちで答えればいいんだろう。
ちゃんとドキドキしてなくちゃ、ダメなのかな。
それとも、"好きになっていく途中"じゃ、ダメなのかな。
わたしはまだ、この気持ちに名前をつけられない。
