お相手宮田くんの原作沿い連載です
長編
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05 優しい雨
宮田くんに助けられたあたしは
荷物をほとんど濡らす事なく屋根のあるベンチまで非難することが出来た。
たまたま通りかかった宮田くんは
広場でうずくまるあたしを見つけて駆け寄ってきてくれたらしい。
荷物を濡らしたくないから雨が止むまで動かないと言い張るあたしを
その場から半ば強引に引き離し、
濡れないよう荷物をまとめなおしてから
あたしをここまで連れて来てくれた。
「ったく、何考えてるんですか。
いく晴れでも今の時期、傘くらいは持っておくべきですよ。
濡れて困るモン持ってるんだったら尚更だろ」
並んで座ったベンチの隣で
怒ったような呆れたような顔で宮田くんは言った。
「・・・返す言葉もございません・・・ごめんなさい」
「別に、謝ってもらう事でもないですけど・・・」
「でも迷惑かけちゃったし・・・助けてくれて、ありがとう」
「・・・・・・」
あたしは顔を見られるのが何となく気恥ずかしくて
宮田くんから借りたタオルで隠すように俯きながら髪を拭いた。
そのまま気付かないフリして通り過ぎることだってできたのに。
言葉はぶっきら棒だけど、案外優しいトコあるんだ。
ふふふ、と思わず笑顔になる。
と、急に濃紺の物体に視界を閉ざされる。
「?」
隣を見ると、Tシャツ姿になった宮田くんが
羽織っていたパーカーをあたしに差し出していた。
「大丈夫だよ?うちここから近いから、止んだらすぐ帰るし」
腕ごとパーカーを押し返そうとするがビクともしない。
「そこにトイレがあるから着替えてきた方がいいですよ。
濡れたままじゃ風邪ひくかもしれないし・・・」
視線を合わせないごころか、あさっての方向を向いたまま、
手にしたパーカーをぐいぐいあたしに押し付ける。
「いいってホントに。大丈夫だから。宮田くんこそ、そんなカッコじゃ寒いって」
負けじと反論するが宮田くんは一向に退く様子もなくて。
おまけになんでそこまで顔背けるかな。
ある意味失礼じゃないかそれ?
ちょっとはいいヤツかもとかって見直したのにさー。
っていうか宮田くん、何か顔赤い・・・・・?
「・・・・・す・・・・・」
す?
「透けてますよ」
はい?
どうしてそんな行動に出たのかはよくわからないのだけど
あたしは反射的に自分の胸元を見た。
そして。
「きゃぁぁぁぁアァァァアァァァアァアァアァァァ!!!!」
ベンチから少し離れた簡易トイレの一室。
あたしは濡れたシャツを引き剥がすように脱いだ。
ベッタリと張り付いたシャツが身体を離れる瞬間は
何とも形容し難い不快感がある。
身体についた水滴を軽く拭いてから
宮田くんから借りた濃紺のパーカーに袖を通した。
あったかい・・・・
自分が考えてた以上にあたしの身体は冷え切っていて
その暖かさにあたしは心まで暖かくなった気がした。
おまけにこのパーカー、宮田くんの匂いがする・・・・
当たり前か。さっきまで着てたんだし。
うわ、なんかちょっと緊張してきた・・・
ファスナーをあげて肩の位置を合わせてみるが
背の高い宮田くんのパーカーはあたしには明らかに大きかった。
だけどそれがなんだか照れくさいような嬉しいような
そんな不思議な感覚だった。
でも。
指摘されて思わず見た自分の胸元は
レースの柄までしっかりわかるくらいに下着が透けていて
だから宮田くんは全然コッチを見ようとしなかったワケで。
現実を思い出し、今度は別な意味で恥ずかしくなった。
着替えを終えてベンチに戻ると
雨も小雨になっていた。
「ありがと」
「大丈夫ですか?」
「うん。でも宮田くんこそ大丈夫?半袖で寒くない?」
「オレは大丈夫ですよ。それより身体冷えてないですか」
「さっき実はちょっと寒いなぁって思ってたんだけど
着替えたら暖かくなったよ。本当にありがとう。服、洗って返すね」
「そんなの、どうでもいいですよ」
ようやくいつもの無愛想な言い方になった。
だけど今はそれがとても心地よかった。
「何かおかしいですか?」
思わず微笑んでしまったあたしに気付いて
宮田くんは怪訝そうに言った。
「いや、ごめん。なんか、やっと宮田くんらしい顔見たっていうか」
「何だよそれ」
「だって、宮田くんっていつも無愛想で他人には興味ないって感じなんだもん。
なのに今日はちょっと違ってて調子狂うなぁって思ってたんだけど、
今の言い方がすごく宮田くんっぽくて、なんかホッとした」
「アンタさぁ、それが助けてもらった恩人に対する言い草かよ。
無愛想だの何だのって、よくそこまでハッキリ言えますね」
「ごめんごめん。本ト感謝してます」
手を合わせ、頭を下げるあたしに
宮田くんがフッと表情を和らげ
その仕草にあたしは不覚にもドキっとした。
それを悟られるのも嫌で、あたしはなんとか話題を変えようと
宮田くんの持っているスポーツバックに目をやった。
「ところでさ、どこかに出掛ける途中だったんじゃないの。
こんなトコでゆっくりしてて、時間大丈夫?」
「別に何時って決まってるわけじゃないですから」
「だったらいいんだけど・・・」
「まぁでも、雨もあがったみたいだし、そろそろ行くかな」
「あ、ホントだ」
二人で見上げた雲間からは太陽が覗き、
葉についた雨粒に反射してきらきらしていた。
2008/11/18 PCUP
+++++atogaki+++++
やっとなんかドリームっぽくなってきた!(笑)
宮田くんに助けられたあたしは
荷物をほとんど濡らす事なく屋根のあるベンチまで非難することが出来た。
たまたま通りかかった宮田くんは
広場でうずくまるあたしを見つけて駆け寄ってきてくれたらしい。
荷物を濡らしたくないから雨が止むまで動かないと言い張るあたしを
その場から半ば強引に引き離し、
濡れないよう荷物をまとめなおしてから
あたしをここまで連れて来てくれた。
「ったく、何考えてるんですか。
いく晴れでも今の時期、傘くらいは持っておくべきですよ。
濡れて困るモン持ってるんだったら尚更だろ」
並んで座ったベンチの隣で
怒ったような呆れたような顔で宮田くんは言った。
「・・・返す言葉もございません・・・ごめんなさい」
「別に、謝ってもらう事でもないですけど・・・」
「でも迷惑かけちゃったし・・・助けてくれて、ありがとう」
「・・・・・・」
あたしは顔を見られるのが何となく気恥ずかしくて
宮田くんから借りたタオルで隠すように俯きながら髪を拭いた。
そのまま気付かないフリして通り過ぎることだってできたのに。
言葉はぶっきら棒だけど、案外優しいトコあるんだ。
ふふふ、と思わず笑顔になる。
と、急に濃紺の物体に視界を閉ざされる。
「?」
隣を見ると、Tシャツ姿になった宮田くんが
羽織っていたパーカーをあたしに差し出していた。
「大丈夫だよ?うちここから近いから、止んだらすぐ帰るし」
腕ごとパーカーを押し返そうとするがビクともしない。
「そこにトイレがあるから着替えてきた方がいいですよ。
濡れたままじゃ風邪ひくかもしれないし・・・」
視線を合わせないごころか、あさっての方向を向いたまま、
手にしたパーカーをぐいぐいあたしに押し付ける。
「いいってホントに。大丈夫だから。宮田くんこそ、そんなカッコじゃ寒いって」
負けじと反論するが宮田くんは一向に退く様子もなくて。
おまけになんでそこまで顔背けるかな。
ある意味失礼じゃないかそれ?
ちょっとはいいヤツかもとかって見直したのにさー。
っていうか宮田くん、何か顔赤い・・・・・?
「・・・・・す・・・・・」
す?
「透けてますよ」
はい?
どうしてそんな行動に出たのかはよくわからないのだけど
あたしは反射的に自分の胸元を見た。
そして。
「きゃぁぁぁぁアァァァアァァァアァアァアァァァ!!!!」
ベンチから少し離れた簡易トイレの一室。
あたしは濡れたシャツを引き剥がすように脱いだ。
ベッタリと張り付いたシャツが身体を離れる瞬間は
何とも形容し難い不快感がある。
身体についた水滴を軽く拭いてから
宮田くんから借りた濃紺のパーカーに袖を通した。
あったかい・・・・
自分が考えてた以上にあたしの身体は冷え切っていて
その暖かさにあたしは心まで暖かくなった気がした。
おまけにこのパーカー、宮田くんの匂いがする・・・・
当たり前か。さっきまで着てたんだし。
うわ、なんかちょっと緊張してきた・・・
ファスナーをあげて肩の位置を合わせてみるが
背の高い宮田くんのパーカーはあたしには明らかに大きかった。
だけどそれがなんだか照れくさいような嬉しいような
そんな不思議な感覚だった。
でも。
指摘されて思わず見た自分の胸元は
レースの柄までしっかりわかるくらいに下着が透けていて
だから宮田くんは全然コッチを見ようとしなかったワケで。
現実を思い出し、今度は別な意味で恥ずかしくなった。
着替えを終えてベンチに戻ると
雨も小雨になっていた。
「ありがと」
「大丈夫ですか?」
「うん。でも宮田くんこそ大丈夫?半袖で寒くない?」
「オレは大丈夫ですよ。それより身体冷えてないですか」
「さっき実はちょっと寒いなぁって思ってたんだけど
着替えたら暖かくなったよ。本当にありがとう。服、洗って返すね」
「そんなの、どうでもいいですよ」
ようやくいつもの無愛想な言い方になった。
だけど今はそれがとても心地よかった。
「何かおかしいですか?」
思わず微笑んでしまったあたしに気付いて
宮田くんは怪訝そうに言った。
「いや、ごめん。なんか、やっと宮田くんらしい顔見たっていうか」
「何だよそれ」
「だって、宮田くんっていつも無愛想で他人には興味ないって感じなんだもん。
なのに今日はちょっと違ってて調子狂うなぁって思ってたんだけど、
今の言い方がすごく宮田くんっぽくて、なんかホッとした」
「アンタさぁ、それが助けてもらった恩人に対する言い草かよ。
無愛想だの何だのって、よくそこまでハッキリ言えますね」
「ごめんごめん。本ト感謝してます」
手を合わせ、頭を下げるあたしに
宮田くんがフッと表情を和らげ
その仕草にあたしは不覚にもドキっとした。
それを悟られるのも嫌で、あたしはなんとか話題を変えようと
宮田くんの持っているスポーツバックに目をやった。
「ところでさ、どこかに出掛ける途中だったんじゃないの。
こんなトコでゆっくりしてて、時間大丈夫?」
「別に何時って決まってるわけじゃないですから」
「だったらいいんだけど・・・」
「まぁでも、雨もあがったみたいだし、そろそろ行くかな」
「あ、ホントだ」
二人で見上げた雲間からは太陽が覗き、
葉についた雨粒に反射してきらきらしていた。
2008/11/18 PCUP
+++++atogaki+++++
やっとなんかドリームっぽくなってきた!(笑)