お相手宮田くんの原作沿い連載です
長編
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49 待ち人来たり
川原ジムに到着した時には綺麗だった夕焼けも暮れ、街灯が灯り、辺りもすっかり暗くなった頃。
ジムの前もようやく誰もいなくなり静かになった。
あたしは周囲をうかがいながら
ゆっくり近づいてジムのドアの前に来た。
中で何やら声が聞こえる。
少し躊躇いながらも
ノックしようと手を伸ばした。
その瞬間、
ドアが開いて勢いよく出てきた人に
ぶつかりそうになった。
「きゃっ…!」
「すみませ……澪さん?」
慌てた様子の宮田くんと目が合った。
「今日は本当にすみませんでした」
川原ジムから歩く二人。
宮田くんは随分疲れているようだった。
「ううん。あたしは大丈夫だよ。それより何か大変そうだったね」
「……見てたんですか」
「見てたっていうか、連絡ないから心配して来てみたら近づけなかった」
苦笑するあたしに、
はぁ、と大きなため息をついて宮田くんは言った。
もともと雑誌の取材が急に入って
ジムに顔を出したけれど
夕方には終わる予定だったらしい。
ところが今日は宮田くんの誕生日ということで
熱心なファン(女子)がどんどん集まってきて
近隣への迷惑を考えると
取材後に対応せざるを得なくなった、というわけだった。
「それはそれは…お疲れ様でした」
「……ったく、取材は仕方ないにしてもたかだか誕生日くらいで何なんだよ」
来年の誕生日は絶対ジムに行かねぇ!と
決意する宮田くんの隣で
あたしは手にした紙袋の存在に
たちまち居心地が悪くなる。
—————ぇえっと。どうしようかな
「…って、澪さんに愚痴っても仕方ないですよね。むしろ待たせてしまって迷惑かけちまったのに。すみません」
黙り込んだあたしを見て、勘違いしたのか
すぐに気を取り直した宮田くんが
申し訳なさそうに言った。
「ううん。それは全然大丈夫だよ」
「ところで今日は何の用だったんですか?」
少しでいいから時間を作って欲しいと
あたしの方からお願いしていた。
「あー…うん。あのさ、今の状況でものすごーーく言いづらいんだけど」
一旦前置きして。
どうせ誤魔化せないので
あたしはストレートに言うことにした。
「お誕生日、おめでとうございます」
向き合って、深々と頭を下げて
両手で丁寧に紙袋を差し出した。
「あ……」
「なんかゴメン。あの、でもこないだ風邪引いた時すごくお世話になったし、そのお礼と思って受け取ってもらえると嬉しいんだけど」
しばしの沈黙の後
あたしの手元がフッと軽くなった。
顔を上げると
宮田くんが紙袋を受け取っていた。
「受け取ってくれるの?!ありがとう!」
「…まぁ、せっかく用意してくれたんだし……」
「ありがとうございます」と近くにいるあたしでも聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で宮田くんが言った。
辺りが暗かったのと、
宮田くんが顔を背けていたので
どんな表情をしているのかはちゃんと見えなかったけれど
あたしは受け取ってもらえただけで嬉しかった。
2026/02/20 UP
+++++atogaki+++++
宮田くんって誕生日ケーキ食べたことあるんかな・・・
お誕生日おめでとうのチョコプレートが乗った
ホールケーキね。
年の数だけローソク立てて・・・とか。
今の宮田くんはいらないって感じだけど
幼少期はしてもらってそう。
けど聞いても知らねぇって絶対言われるな(苦笑)
川原ジムに到着した時には綺麗だった夕焼けも暮れ、街灯が灯り、辺りもすっかり暗くなった頃。
ジムの前もようやく誰もいなくなり静かになった。
あたしは周囲をうかがいながら
ゆっくり近づいてジムのドアの前に来た。
中で何やら声が聞こえる。
少し躊躇いながらも
ノックしようと手を伸ばした。
その瞬間、
ドアが開いて勢いよく出てきた人に
ぶつかりそうになった。
「きゃっ…!」
「すみませ……澪さん?」
慌てた様子の宮田くんと目が合った。
「今日は本当にすみませんでした」
川原ジムから歩く二人。
宮田くんは随分疲れているようだった。
「ううん。あたしは大丈夫だよ。それより何か大変そうだったね」
「……見てたんですか」
「見てたっていうか、連絡ないから心配して来てみたら近づけなかった」
苦笑するあたしに、
はぁ、と大きなため息をついて宮田くんは言った。
もともと雑誌の取材が急に入って
ジムに顔を出したけれど
夕方には終わる予定だったらしい。
ところが今日は宮田くんの誕生日ということで
熱心なファン(女子)がどんどん集まってきて
近隣への迷惑を考えると
取材後に対応せざるを得なくなった、というわけだった。
「それはそれは…お疲れ様でした」
「……ったく、取材は仕方ないにしてもたかだか誕生日くらいで何なんだよ」
来年の誕生日は絶対ジムに行かねぇ!と
決意する宮田くんの隣で
あたしは手にした紙袋の存在に
たちまち居心地が悪くなる。
—————ぇえっと。どうしようかな
「…って、澪さんに愚痴っても仕方ないですよね。むしろ待たせてしまって迷惑かけちまったのに。すみません」
黙り込んだあたしを見て、勘違いしたのか
すぐに気を取り直した宮田くんが
申し訳なさそうに言った。
「ううん。それは全然大丈夫だよ」
「ところで今日は何の用だったんですか?」
少しでいいから時間を作って欲しいと
あたしの方からお願いしていた。
「あー…うん。あのさ、今の状況でものすごーーく言いづらいんだけど」
一旦前置きして。
どうせ誤魔化せないので
あたしはストレートに言うことにした。
「お誕生日、おめでとうございます」
向き合って、深々と頭を下げて
両手で丁寧に紙袋を差し出した。
「あ……」
「なんかゴメン。あの、でもこないだ風邪引いた時すごくお世話になったし、そのお礼と思って受け取ってもらえると嬉しいんだけど」
しばしの沈黙の後
あたしの手元がフッと軽くなった。
顔を上げると
宮田くんが紙袋を受け取っていた。
「受け取ってくれるの?!ありがとう!」
「…まぁ、せっかく用意してくれたんだし……」
「ありがとうございます」と近くにいるあたしでも聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で宮田くんが言った。
辺りが暗かったのと、
宮田くんが顔を背けていたので
どんな表情をしているのかはちゃんと見えなかったけれど
あたしは受け取ってもらえただけで嬉しかった。
2026/02/20 UP
+++++atogaki+++++
宮田くんって誕生日ケーキ食べたことあるんかな・・・
お誕生日おめでとうのチョコプレートが乗った
ホールケーキね。
年の数だけローソク立てて・・・とか。
今の宮田くんはいらないって感じだけど
幼少期はしてもらってそう。
けど聞いても知らねぇって絶対言われるな(苦笑)