お相手宮田くんの原作沿い連載です
長編
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41人の恋路
夕暮れ時の後楽園ホール。
今日は木村さんと青木さん、そして幕之内くんの再起戦の日。
幕之内くんの試合の時はいつも早い時間からホールの周辺は人でごった返しているのに、今日は人もまばらだった。
腕時計を見ると約束の時間まであと少し。
視線を上げると遠目に待ち人の姿が見えた。
「宮田くん!」
あたしは宮田くんに届くくらいの声で呼んで少し手を挙げると、
すぐに気づいたのか、こちらに視線を向け小さく頭を下げた。
「すみません。待たせました」
「ううん。あたしも今来たとこだよ」
それじゃあ、と並んで歩き出した。
前回宮田くんとホールに来た時は、気を抜いたらはぐれてしまいそうな混雑だったのに、今日は並んでゆっくり入れた。
途中、チラチラと視線が気になったけれど、多分それは宮田くんに向けられていたものだ。何となく居心地悪いあたし。
—————こういうの、やっぱり慣れないな
チラリと隣に目をやると、宮田くんは気にする素振りもなくチケットに記された番号を確認しながら席に着いた。
ホールの外とは対照的にリングを囲む観客席はかなり埋まっていて、早くもその熱気を感じていた。
「まずは青木さん、次に木村さん、幕之内くんの順だね」
「ああ」
続々と入ってくる観客を見ながら、あたしはふと思い出して、宮田くんに声をかけた。
「今日はれーコさん来てるんだって!」
「れーコさん?」
「あれ、知らない?今木村さんが気になってる人」
「知りませんよそんなこと。興味もねぇし」
「ですよね〜」
期待通りの反応。
それでもあたしは気にせず続けた。
「今日はれーコさん、友達と応援に来てくれてるらしくて……あたし写真見せてもらったから多分わかるんだよねぇ」
—————えぇっと、どこにいるかなぁ
あたしは少し身を乗り出し、リングサイド付近の席を見渡す。
—————木村さん、張り切っていい席用意したって言ってたもんね
「あ!いた!!ねぇねぇ、見て!多分あの人!あのリングサイドの……」
それらしき人を見つけ、
あたしは宮田くんの袖の先を引っ張って視線を促した。
すると、その隣に座る人が視界に入ってきた。
眼鏡をかけた、爽やかな男性。
ズボンのポケットに手を入れたその人の右腕に、
れーコさんが左腕を絡めて、
遠目でもわかるくらい親しげに話していた。
「あ…………」
木村さんから友達と来ると聞いていたけど、どう見ても友達には見えない雰囲気にあたしは言葉を失った。
宮田くんはやれやれといった様子で視線を逸らした。
「ま、そんなことだろうと思いましたよ」
木村さん、大丈夫かな……
2025/09/19 UP
+++++atogaki+++++
なかなか報われない木村さん(笑)
この頃はとっても素敵だったんだけどなぁ
夕暮れ時の後楽園ホール。
今日は木村さんと青木さん、そして幕之内くんの再起戦の日。
幕之内くんの試合の時はいつも早い時間からホールの周辺は人でごった返しているのに、今日は人もまばらだった。
腕時計を見ると約束の時間まであと少し。
視線を上げると遠目に待ち人の姿が見えた。
「宮田くん!」
あたしは宮田くんに届くくらいの声で呼んで少し手を挙げると、
すぐに気づいたのか、こちらに視線を向け小さく頭を下げた。
「すみません。待たせました」
「ううん。あたしも今来たとこだよ」
それじゃあ、と並んで歩き出した。
前回宮田くんとホールに来た時は、気を抜いたらはぐれてしまいそうな混雑だったのに、今日は並んでゆっくり入れた。
途中、チラチラと視線が気になったけれど、多分それは宮田くんに向けられていたものだ。何となく居心地悪いあたし。
—————こういうの、やっぱり慣れないな
チラリと隣に目をやると、宮田くんは気にする素振りもなくチケットに記された番号を確認しながら席に着いた。
ホールの外とは対照的にリングを囲む観客席はかなり埋まっていて、早くもその熱気を感じていた。
「まずは青木さん、次に木村さん、幕之内くんの順だね」
「ああ」
続々と入ってくる観客を見ながら、あたしはふと思い出して、宮田くんに声をかけた。
「今日はれーコさん来てるんだって!」
「れーコさん?」
「あれ、知らない?今木村さんが気になってる人」
「知りませんよそんなこと。興味もねぇし」
「ですよね〜」
期待通りの反応。
それでもあたしは気にせず続けた。
「今日はれーコさん、友達と応援に来てくれてるらしくて……あたし写真見せてもらったから多分わかるんだよねぇ」
—————えぇっと、どこにいるかなぁ
あたしは少し身を乗り出し、リングサイド付近の席を見渡す。
—————木村さん、張り切っていい席用意したって言ってたもんね
「あ!いた!!ねぇねぇ、見て!多分あの人!あのリングサイドの……」
それらしき人を見つけ、
あたしは宮田くんの袖の先を引っ張って視線を促した。
すると、その隣に座る人が視界に入ってきた。
眼鏡をかけた、爽やかな男性。
ズボンのポケットに手を入れたその人の右腕に、
れーコさんが左腕を絡めて、
遠目でもわかるくらい親しげに話していた。
「あ…………」
木村さんから友達と来ると聞いていたけど、どう見ても友達には見えない雰囲気にあたしは言葉を失った。
宮田くんはやれやれといった様子で視線を逸らした。
「ま、そんなことだろうと思いましたよ」
木村さん、大丈夫かな……
2025/09/19 UP
+++++atogaki+++++
なかなか報われない木村さん(笑)
この頃はとっても素敵だったんだけどなぁ