お相手宮田くんの原作沿い連載です
長編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
03 後輩と先輩
「調子どう?」
バイトを始めて一週間。
客足が途切れたところを見計らって
奥から出てきた店長に声を掛けられた。
「はい。なんとか頑張ってます」
押し黙ったままの教育係を横目に
笑顔で答えた。
「ま、焦らないでぼちぼち頑張ってよ、佐倉さん」
ニコッと微笑みかけられ、ところで、と店長の話は続いた。
「来月の中間テストはいつからか決まった?」
中間テスト?
大学生のあたしに中間テストはない。
「あぁ、確か十八~二十三日までです」
当然、あたしが答えたんじゃない。
「じゃまたいつもみたいにテスト一週間前から休みでいいか?」
「はい。いつもすみません」
「それより今年は受験だろ?バイトいつまで来れそう?」
じゅ、受験?!
「いえ、進学は考えてませんから」
「ちょ、ちょっと、あのっ!」
話の途中で割り込むのが失礼だと分かっていたけれど
それでもどうしても聞かずにはいられなかった。
「あの、中間テストとか受験とかって…もしかして高校生?」
あたしより背の高い教育係に視線を向けながら
どちらに聞くともなく質問してみたが
当然、当事者が返事をくれるわけもなく。
「あれ?言ってなかったかな。そうだよ、一郎くんは高校生だよ。三年生だけど、誕生日きてないからまだ十七だよな?」
相変わらずのポーカーフェイスが頷いた。
「え~~~~~~~~~~!?」
お客さんがいない時でよかった。
あたしは店内に響き渡る声で叫んでしまってた。
「ちょっと、あなた高校生なの?あたしよか年下じゃん」
二人になってから改めて聞いてみる。
「みたいですね」
「みたいですねって、知らなかったの?普通気にならない?教育係なんだし」
何焦ってんだあたし。
なんだか自分でもよくわかんないこと聞いてるし。
「別に。落ち着きないからてっきり年下だと思ってましたよ」
仕事の手を休めることなく淡々とした答えが返ってくる。
微妙に敬語になってるあたり、
一応年上として扱われているのかとも思ったけど
言ってる内容は全くそうでなくて。
あたし、なんか凄い言われようなんだけど。
「以後気をつけますね、セ・ン・パ・イ」
その言い方がまた憎らしいのなんのって。
開いた口が塞がらないあたしを一瞥した彼の唇からフッと笑みが零れる。
「ちょっ…おまっ……」
「いらっしゃいませー」
タイミング悪く客が現れ思わず口を噤んだ。
そんなあたしに目もくれないで、まるで何でもなかったように慣れた様子で対応する彼を思い切り睨み付けた。
帰宅してからも怒りは収まるわけもなく。
結局あたしは年下男に散々ガキ扱いされた上に
「変なヤツ」呼ばわりされていたのだ。
あいつ、トコトン根性ねじ曲がってるわ!
近くにあったクッションを壁に向かって思い切り投げつけた。
それから二週間ほど過ぎた日のこと。
初めて宮田くん以外の人と組んでの仕事だった。
あたしより二歳年上の大学生という彼女とは初対面ではないけれど、あたしの勤務時間にはいつも宮田くんがいたので、二人だけで仕事するのは今日が初めてだ。
「ところでさぁ、佐倉さん」
レジがひと段落したところで声を掛けられる。
「なんですか?」
残り少なくなったレジ袋を補充しながら答える。
空いた時間も有効に使わないと
こわーい教育係に何言われるかわかんないもんね。
「佐倉さんと宮田くんってどうなのよ?」
「はい?」
今しがた考えていた仏頂面な教育係の名前に
思わず手をとめて視線を向ける。
流行の髪型に今どきのメイク。
いかにもきれいなお姉さんといった顔を、
人の悪そうな笑みに歪めながら、
彼女は少し声を落として続けた。
「だって、宮田くんって佐倉さんにはめっちゃ話しかけるじゃない?この前三人でシフト入ったときびっくりしちゃったんだけど。あんなに話してる宮田くん、初めて見た。普段なんて必要なことしか話さないのに。ていうか普通にイケメンじゃない?私もちょっと良いなって思ってた時期あったんだけど、全然脈なくてさ。すぐに諦めたけど。で、佐倉さんはどうなの?」
「話しかけるって、ほとんど文句ばっかりじゃないですか。どんくさいだのトロいだの。あれしろこれしろとか。冗談じゃないですよ。何であんな無愛想男とどうにかならなくちゃいけないんですかっ」
小声で一気にまくしたてる彼女に間髪を入れず言い放つ。
確かに宮田くんが店長以外の人と親しく話してるのを見たことがない。だからと言ってあたしはといえば、話すというより一方的に文句を言われてるだけだ。
心外極まりない、というあたしの気持ちが伝わったかどうかは定かではないけれど、「そうなんだー」と、さも期待外れといった反応をされて、それ以上追及されることはなかった。
その後、先に仕事上がりだった彼女と入れ替わるように店長が出てきた。
仕事の事や学校の事なんかをいくつか聞かれて
あたしは問題なくやっているといった内容の返事をすると
にこにこ笑ってそれはよかった、と安心した風だった。
面接の時から思ってたけど
この店長はいい人だ。
わからないことは何でも聞いてね、と言われていたことを思い出し、あたしは話のついでに以前から気になっていた事を聞いてみることにした。
「あの……ちょっとお伺いしたいことがあるんですが」
「何だい?」
「ここのバイトって確か高校生はダメですよね?なのにどうして宮田くんはここで働いてるんですか?」
アイツは嫌な奴だ。
アイツが言うように、あたしも別に興味なんかないけど
でもやっぱりホラ、気になるじゃない。
募集要項には確かに十八歳以上・高校生不可、と書かれていたのだ。
「あぁ、その事。一郎くんのお父さんと僕は昔からの知り合いでね。それで頼まれたんだよ」
「そうなんですか」
「詳しい事情はまぁ…プライバシーの問題もあるから言えないけどね。何、佐倉さん、一郎くんの事が気になるのかい?」
店長。お前もか。
あたしが全力で否定すると店長はさもおかしそうに笑った。
ここでもまた、理解が得られたのかどうかわからないが
これ以上言って変に誤解されるのも迷惑だったので
あたしは敢えてそれ以上この話題を続けることを避けた。
2008/11/01 PCUP
+++++atogaki+++++
話がなかなか進まなくてごめんなさい;;
でも宮田くんって知り合ってすぐ親しくなれるタイプでは絶対にないと思うので
なんかこんな感じになってしまって・・・
もうちょっとしたらきっと熱い、あつーい展開に・・・はならないまでも(ならないのか爆)
それなりに絡んできますのでお付き合いくだされば嬉しいです。
「調子どう?」
バイトを始めて一週間。
客足が途切れたところを見計らって
奥から出てきた店長に声を掛けられた。
「はい。なんとか頑張ってます」
押し黙ったままの教育係を横目に
笑顔で答えた。
「ま、焦らないでぼちぼち頑張ってよ、佐倉さん」
ニコッと微笑みかけられ、ところで、と店長の話は続いた。
「来月の中間テストはいつからか決まった?」
中間テスト?
大学生のあたしに中間テストはない。
「あぁ、確か十八~二十三日までです」
当然、あたしが答えたんじゃない。
「じゃまたいつもみたいにテスト一週間前から休みでいいか?」
「はい。いつもすみません」
「それより今年は受験だろ?バイトいつまで来れそう?」
じゅ、受験?!
「いえ、進学は考えてませんから」
「ちょ、ちょっと、あのっ!」
話の途中で割り込むのが失礼だと分かっていたけれど
それでもどうしても聞かずにはいられなかった。
「あの、中間テストとか受験とかって…もしかして高校生?」
あたしより背の高い教育係に視線を向けながら
どちらに聞くともなく質問してみたが
当然、当事者が返事をくれるわけもなく。
「あれ?言ってなかったかな。そうだよ、一郎くんは高校生だよ。三年生だけど、誕生日きてないからまだ十七だよな?」
相変わらずのポーカーフェイスが頷いた。
「え~~~~~~~~~~!?」
お客さんがいない時でよかった。
あたしは店内に響き渡る声で叫んでしまってた。
「ちょっと、あなた高校生なの?あたしよか年下じゃん」
二人になってから改めて聞いてみる。
「みたいですね」
「みたいですねって、知らなかったの?普通気にならない?教育係なんだし」
何焦ってんだあたし。
なんだか自分でもよくわかんないこと聞いてるし。
「別に。落ち着きないからてっきり年下だと思ってましたよ」
仕事の手を休めることなく淡々とした答えが返ってくる。
微妙に敬語になってるあたり、
一応年上として扱われているのかとも思ったけど
言ってる内容は全くそうでなくて。
あたし、なんか凄い言われようなんだけど。
「以後気をつけますね、セ・ン・パ・イ」
その言い方がまた憎らしいのなんのって。
開いた口が塞がらないあたしを一瞥した彼の唇からフッと笑みが零れる。
「ちょっ…おまっ……」
「いらっしゃいませー」
タイミング悪く客が現れ思わず口を噤んだ。
そんなあたしに目もくれないで、まるで何でもなかったように慣れた様子で対応する彼を思い切り睨み付けた。
帰宅してからも怒りは収まるわけもなく。
結局あたしは年下男に散々ガキ扱いされた上に
「変なヤツ」呼ばわりされていたのだ。
あいつ、トコトン根性ねじ曲がってるわ!
近くにあったクッションを壁に向かって思い切り投げつけた。
それから二週間ほど過ぎた日のこと。
初めて宮田くん以外の人と組んでの仕事だった。
あたしより二歳年上の大学生という彼女とは初対面ではないけれど、あたしの勤務時間にはいつも宮田くんがいたので、二人だけで仕事するのは今日が初めてだ。
「ところでさぁ、佐倉さん」
レジがひと段落したところで声を掛けられる。
「なんですか?」
残り少なくなったレジ袋を補充しながら答える。
空いた時間も有効に使わないと
こわーい教育係に何言われるかわかんないもんね。
「佐倉さんと宮田くんってどうなのよ?」
「はい?」
今しがた考えていた仏頂面な教育係の名前に
思わず手をとめて視線を向ける。
流行の髪型に今どきのメイク。
いかにもきれいなお姉さんといった顔を、
人の悪そうな笑みに歪めながら、
彼女は少し声を落として続けた。
「だって、宮田くんって佐倉さんにはめっちゃ話しかけるじゃない?この前三人でシフト入ったときびっくりしちゃったんだけど。あんなに話してる宮田くん、初めて見た。普段なんて必要なことしか話さないのに。ていうか普通にイケメンじゃない?私もちょっと良いなって思ってた時期あったんだけど、全然脈なくてさ。すぐに諦めたけど。で、佐倉さんはどうなの?」
「話しかけるって、ほとんど文句ばっかりじゃないですか。どんくさいだのトロいだの。あれしろこれしろとか。冗談じゃないですよ。何であんな無愛想男とどうにかならなくちゃいけないんですかっ」
小声で一気にまくしたてる彼女に間髪を入れず言い放つ。
確かに宮田くんが店長以外の人と親しく話してるのを見たことがない。だからと言ってあたしはといえば、話すというより一方的に文句を言われてるだけだ。
心外極まりない、というあたしの気持ちが伝わったかどうかは定かではないけれど、「そうなんだー」と、さも期待外れといった反応をされて、それ以上追及されることはなかった。
その後、先に仕事上がりだった彼女と入れ替わるように店長が出てきた。
仕事の事や学校の事なんかをいくつか聞かれて
あたしは問題なくやっているといった内容の返事をすると
にこにこ笑ってそれはよかった、と安心した風だった。
面接の時から思ってたけど
この店長はいい人だ。
わからないことは何でも聞いてね、と言われていたことを思い出し、あたしは話のついでに以前から気になっていた事を聞いてみることにした。
「あの……ちょっとお伺いしたいことがあるんですが」
「何だい?」
「ここのバイトって確か高校生はダメですよね?なのにどうして宮田くんはここで働いてるんですか?」
アイツは嫌な奴だ。
アイツが言うように、あたしも別に興味なんかないけど
でもやっぱりホラ、気になるじゃない。
募集要項には確かに十八歳以上・高校生不可、と書かれていたのだ。
「あぁ、その事。一郎くんのお父さんと僕は昔からの知り合いでね。それで頼まれたんだよ」
「そうなんですか」
「詳しい事情はまぁ…プライバシーの問題もあるから言えないけどね。何、佐倉さん、一郎くんの事が気になるのかい?」
店長。お前もか。
あたしが全力で否定すると店長はさもおかしそうに笑った。
ここでもまた、理解が得られたのかどうかわからないが
これ以上言って変に誤解されるのも迷惑だったので
あたしは敢えてそれ以上この話題を続けることを避けた。
2008/11/01 PCUP
+++++atogaki+++++
話がなかなか進まなくてごめんなさい;;
でも宮田くんって知り合ってすぐ親しくなれるタイプでは絶対にないと思うので
なんかこんな感じになってしまって・・・
もうちょっとしたらきっと熱い、あつーい展開に・・・はならないまでも(ならないのか爆)
それなりに絡んできますのでお付き合いくだされば嬉しいです。