お相手宮田くんの原作沿い連載です
長編
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18 あなたの知らない桜
瞼の向こうに眩しさを感じ、
窓から差し込む自然の光で朝が来たことを知る。
おぼろげな頭は記憶を曖昧にし
夢と現実の境界を錯覚させる。
『ごめん』
あぁ。そうだ。
宮田くんは、いないんだ。
目が覚めた途端、否応なく突きつけられる現実。
こんな朝を迎えるようになってひと月が過ぎた。
宮田くんからの連絡はなかった。
最初からわかっていた事なのに
来ない連絡をずっと待っているあたしもいて。
ただ何気なく過ぎていく毎日はあまりにも長くて、あれからまだ一ヶ月しか経っていないという実感がまるでなかった。
あたしはひとりになるのが嫌だった。
こんな時一人暮らしは堪えるなぁなんて思いながら、時間ができれば緑地公園に足を運んだ。
ここは、一年前に初めて来たときと変わらない。
なだらかな遊歩道が続き、生い茂る木々は力強い。
広がる芝生には元気に走り回る子供やベビーカーを押す若いお母さん。
のんびり日向ぼっこする老夫婦。
よくある、ごく普通の、いつもの風景。
時折吹き抜ける春風が
満開の桜を揺らす。
その度にひらひらと薄紅色の花びらが
ベンチに座るあたしの手元の
真っ白なままのスケッチブックの上に舞い降りた。
「ここって、こんなに桜、多かったっけ・・・」
朝起きて大学に通い、バイトに行く。
合間の時間はここにきて好きな絵を描く。
何ら変わらない生活。
変わったのは、あたしの心。
瞳を閉じれば、面影ばかりが浮かんでくる。
第一印象は・・・かっこいいなぁって思ったのよね
でも愛想悪いし偉そうだし
おまけに年下のクセに生意気だし
でも 助けてくれた
黙って通り過ぎることだってできたのに
雨に打たれるあたしを
ちょうどこのベンチまで連れて来てくれた
お礼するって言ったら速攻で断られたっけ
その後偶然ボクシングやってる事知って
半ば強引にチケットもらって初めて試合観に行って
それから・・・・・・
あ・・・・なんだ
気付くの遅いよ、あたし。
あたし、宮田くんを見ていたいんだ
宮田くんのそばにいたいんだ
宮田くんが、好きなんだ――――
こんなにも簡単で単純な事なのに
今頃やっと気付くなんてね
自分の鈍感さに思わずクスリと笑ってしまって
木々の間からこぼれる日差しがそんなあたしの頬を照らした。
あたたかいと感じたのは他にも理由があって。
膝に広げたキャンバスに舞い落ちる花びらに混じって
それはあたしの瞳から頬を伝って涙模様を描いた。
2009/07/22 UP
+++++atogaki+++++
宮田くん不在モード突入。辛気臭くてすいません。
これからしばらく不在モードが続きますが書いてる本人がかなりツラそうなので(爆)
なるべく早く帰ってきてもらおうと思います(笑)
瞼の向こうに眩しさを感じ、
窓から差し込む自然の光で朝が来たことを知る。
おぼろげな頭は記憶を曖昧にし
夢と現実の境界を錯覚させる。
『ごめん』
あぁ。そうだ。
宮田くんは、いないんだ。
目が覚めた途端、否応なく突きつけられる現実。
こんな朝を迎えるようになってひと月が過ぎた。
宮田くんからの連絡はなかった。
最初からわかっていた事なのに
来ない連絡をずっと待っているあたしもいて。
ただ何気なく過ぎていく毎日はあまりにも長くて、あれからまだ一ヶ月しか経っていないという実感がまるでなかった。
あたしはひとりになるのが嫌だった。
こんな時一人暮らしは堪えるなぁなんて思いながら、時間ができれば緑地公園に足を運んだ。
ここは、一年前に初めて来たときと変わらない。
なだらかな遊歩道が続き、生い茂る木々は力強い。
広がる芝生には元気に走り回る子供やベビーカーを押す若いお母さん。
のんびり日向ぼっこする老夫婦。
よくある、ごく普通の、いつもの風景。
時折吹き抜ける春風が
満開の桜を揺らす。
その度にひらひらと薄紅色の花びらが
ベンチに座るあたしの手元の
真っ白なままのスケッチブックの上に舞い降りた。
「ここって、こんなに桜、多かったっけ・・・」
朝起きて大学に通い、バイトに行く。
合間の時間はここにきて好きな絵を描く。
何ら変わらない生活。
変わったのは、あたしの心。
瞳を閉じれば、面影ばかりが浮かんでくる。
第一印象は・・・かっこいいなぁって思ったのよね
でも愛想悪いし偉そうだし
おまけに年下のクセに生意気だし
でも 助けてくれた
黙って通り過ぎることだってできたのに
雨に打たれるあたしを
ちょうどこのベンチまで連れて来てくれた
お礼するって言ったら速攻で断られたっけ
その後偶然ボクシングやってる事知って
半ば強引にチケットもらって初めて試合観に行って
それから・・・・・・
あ・・・・なんだ
気付くの遅いよ、あたし。
あたし、宮田くんを見ていたいんだ
宮田くんのそばにいたいんだ
宮田くんが、好きなんだ――――
こんなにも簡単で単純な事なのに
今頃やっと気付くなんてね
自分の鈍感さに思わずクスリと笑ってしまって
木々の間からこぼれる日差しがそんなあたしの頬を照らした。
あたたかいと感じたのは他にも理由があって。
膝に広げたキャンバスに舞い落ちる花びらに混じって
それはあたしの瞳から頬を伝って涙模様を描いた。
2009/07/22 UP
+++++atogaki+++++
宮田くん不在モード突入。辛気臭くてすいません。
これからしばらく不在モードが続きますが書いてる本人がかなりツラそうなので(爆)
なるべく早く帰ってきてもらおうと思います(笑)