お相手宮田くんの原作沿い連載です
長編
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15 退院、そして
12月に入ってすぐ
宮田くんから連絡があった。
結局あたしは一度しかお見舞いに行けなくて、ディスプレイ表示を見た時、正直すぐにとることができなかった。
それでもやっぱり気付かないフリなんてできなくて、何度目かの着信音の後、ゆっくりとボタンを押した。
緊張で裏返りそうな声を抑えて応対すると
予想に反して聞こえてきたのは、いつものぶっきらぼうな宮田くんの声だった。
先程退院してしばらく自宅療養するとの事だった。
おめでとう、よかったねと伝えると、年内はバイトにも行けないと言われ、休みの間はまかしといて、と景気よく応える裏で
年が明けるまで宮田くんに会えないという事実があたしの心を重くした。
そんな本心を気付かれる訳もなく、宮田くんはちょっと笑ってから「お願いします」と言った。
用件だけの、時間にすれば僅か数分の会話だったけれど、久しぶりに聞いた宮田くんの声は切った後もしばらくあたしの耳から離れなかった。
年が明けて1月。
宮田くんがバイトに復帰した。
お正月が明けると、次は一ヵ月後に控えたバレンタインに向けて店内は赤やピンクの装飾が中心になる。
日本人はホントに切り替えが早いなぁと思いながら、早速納品されたバレンタインチョコを並べる。
「宮田くんって毎年たくさんもらうんでしょ。 女のコのファン多いモンねー」
綺麗にラッピングされたハート型チョコを並べながら隣で黙々とあたしと同じ作業をする宮田くんに声をかける。
「さぁ。興味ないし」
「またまたー・・・でもそういうところが女のコにウケてるんだろうね。実際は全っ然違うけど」
“全っ然”を強調すると宮田くんはちょっとムッとして、それから淡々と仕事を続けながら宮田くんが言った。
「うるせぇなぁ。普段から摂生してないと減量がキツくなるんだよ。だから本当に興味ないんですよ」
「そうなんだ・・・やっぱりプロボクサーって大変なんだね。そういえば宮田くん、背、伸びた?」
陳列を終えて立ち上がるとちょうど宮田くんも一区切りついたのか同じくらいに立ち上がる。
向かい合った目の高さが以前より高くなっている気がした。
「あぁ、そうですね。またちょっと伸びたかも」
「そうなるとまた減量も大変になってくるんだよね。でも、階級上げるってテもあるか」
「階級は絶対に変えない」
何気なく言った言葉に真剣味を帯びた返事が返ってきて、あたしは思わず宮田くんを見た。
思い詰めたような表情の宮田くんにあたしは何か言ってはいけない事を言ってしまったような気分になって、すぐに「ごめん」と詫びた。
すると宮田くんはあっという風な顔をして
あたしが見ている事に気付くとすぐに言葉を足した。
「フェザー級でどうしても戦いたいヤツがいてさ。そいつとリングで巡り会うまでは今の階級にこだわりたいんだ」
その時レジの方に人影を察し、先に気付いた宮田くんは陳列をあたしに任せて足早にレジに戻った。
接客する宮田くんに先程の面影はなく、よく知るいつもの宮田くんに戻っていた。
あたしは何か大切な事を聞いたような気がして、宮田くんの言った言葉がしばらく頭から離れなかった。
2009/06/17 PCUP
+++++atogaki+++++
といあえずものっそい季節外れでごめんなさい;;半年くらい時差あるんじゃね?(爆)
12月に入ってすぐ
宮田くんから連絡があった。
結局あたしは一度しかお見舞いに行けなくて、ディスプレイ表示を見た時、正直すぐにとることができなかった。
それでもやっぱり気付かないフリなんてできなくて、何度目かの着信音の後、ゆっくりとボタンを押した。
緊張で裏返りそうな声を抑えて応対すると
予想に反して聞こえてきたのは、いつものぶっきらぼうな宮田くんの声だった。
先程退院してしばらく自宅療養するとの事だった。
おめでとう、よかったねと伝えると、年内はバイトにも行けないと言われ、休みの間はまかしといて、と景気よく応える裏で
年が明けるまで宮田くんに会えないという事実があたしの心を重くした。
そんな本心を気付かれる訳もなく、宮田くんはちょっと笑ってから「お願いします」と言った。
用件だけの、時間にすれば僅か数分の会話だったけれど、久しぶりに聞いた宮田くんの声は切った後もしばらくあたしの耳から離れなかった。
年が明けて1月。
宮田くんがバイトに復帰した。
お正月が明けると、次は一ヵ月後に控えたバレンタインに向けて店内は赤やピンクの装飾が中心になる。
日本人はホントに切り替えが早いなぁと思いながら、早速納品されたバレンタインチョコを並べる。
「宮田くんって毎年たくさんもらうんでしょ。 女のコのファン多いモンねー」
綺麗にラッピングされたハート型チョコを並べながら隣で黙々とあたしと同じ作業をする宮田くんに声をかける。
「さぁ。興味ないし」
「またまたー・・・でもそういうところが女のコにウケてるんだろうね。実際は全っ然違うけど」
“全っ然”を強調すると宮田くんはちょっとムッとして、それから淡々と仕事を続けながら宮田くんが言った。
「うるせぇなぁ。普段から摂生してないと減量がキツくなるんだよ。だから本当に興味ないんですよ」
「そうなんだ・・・やっぱりプロボクサーって大変なんだね。そういえば宮田くん、背、伸びた?」
陳列を終えて立ち上がるとちょうど宮田くんも一区切りついたのか同じくらいに立ち上がる。
向かい合った目の高さが以前より高くなっている気がした。
「あぁ、そうですね。またちょっと伸びたかも」
「そうなるとまた減量も大変になってくるんだよね。でも、階級上げるってテもあるか」
「階級は絶対に変えない」
何気なく言った言葉に真剣味を帯びた返事が返ってきて、あたしは思わず宮田くんを見た。
思い詰めたような表情の宮田くんにあたしは何か言ってはいけない事を言ってしまったような気分になって、すぐに「ごめん」と詫びた。
すると宮田くんはあっという風な顔をして
あたしが見ている事に気付くとすぐに言葉を足した。
「フェザー級でどうしても戦いたいヤツがいてさ。そいつとリングで巡り会うまでは今の階級にこだわりたいんだ」
その時レジの方に人影を察し、先に気付いた宮田くんは陳列をあたしに任せて足早にレジに戻った。
接客する宮田くんに先程の面影はなく、よく知るいつもの宮田くんに戻っていた。
あたしは何か大切な事を聞いたような気がして、宮田くんの言った言葉がしばらく頭から離れなかった。
2009/06/17 PCUP
+++++atogaki+++++
といあえずものっそい季節外れでごめんなさい;;半年くらい時差あるんじゃね?(爆)