お相手宮田くんの原作沿い連載です
長編
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10 家庭教師
終業時間になり、
あたしは挨拶をしてロッカールームに戻ると、
一時間前に帰ったはずの宮田くんが、ルーム内の机を陣取っていた。
「わ、びっくりした。宮田くん、帰ったんじゃなかったの?」
「お疲れ様です」
視線を手元に落としたまま、声だけが返ってくる。
何となく、それ以上声をかけられない雰囲気だったので、
邪魔にならないよう静かにドアを閉めた。
自分のロッカー前でエプロンを外してハンガーに掛けながら、
チラリと机の方を見ると、
分厚い参考書と問題集を凝視している宮田くんが目に入った。
「勉強?」
「宿題」
必要最低限の会話。
その間も、宮田くんの視線は手元のテキストに向かったまま。
こういうの見てると、普通の高校生って感じだよね。
リングの上では別人だけど。
邪魔するのも申し訳ない気がして、
帰り支度を終えるとなるべく音を立てないようにロッカーを閉めた。
部屋を出る前に一声掛けて行こうと、
もう一度宮田くんを見る。
まだ同じ姿勢で参考書を何度も見直し、
問題集を睨み付けていた。
「どしたの?」
「………」
返事がないのをいいことに、ちょっと覗いてみる。
英文法か。
あたし、これちょっと得意なのよね。
「それってさぁ」
後から考えたら、すごいお節介だったとも思うんだけど。
宮田くんも何も言わないで聞いてくれたから、
あたしはそのまま言葉を続けた。
「初めて佐倉さんが大学生なんだって思いましたよ」
結局あの後、宮田くんと勉強して、
そのまま一緒にバイト先を出ることになった。
これからジムに行くという宮田くんの隣を、
あたしは歩いている。
「ちょっと、それが家庭教師の先生様にいうセリフ?」
そう言ってはみたものの、
実際は家庭教師と言えるほどの事はしてなくて、
少し説明すると、宮田くんはスラスラと問題を解いてしまった。
「あのさ、英文法の授業って5時間目が多いんじゃない?」
「そうですけど、よく分かりますね」
「やっぱり。どーせお昼食べて眠くなって、そのまま居眠りしてるうちに授業聞きそびれて、わからなくなったんだろうなって思ったから」
「あの時間は眠いんですよ。トーナメントも始まってるから、トレーニングもキツイし」
それはそうかも。
ボクシングのトレーニングにアルバイト、
それに勉強だもんね。
「でもバイト先まで宿題持ち込むなんて、ホント忙しいんだね」
「ジム行ったら身体動かしたくなるし、家にはほとんど寝に帰ってるだけですから」
「ふーん…好きなんだね、ボクシング」
その質問に宮田くんは何も答えなかったけど、
街灯に照らされたその表情を見て、
あたしは肯定の返事と受け止めた。
「ところで宮田くんのジムって、こっちでいいの?」
バイト先を出てから、
宮田くんはずっとあたしと一緒に歩いてる。
宮田くんの自宅はあたしの部屋とは反対方向だけど、
今日はこれからジムに行くと言っていたので、
最初は特に何も思わなかった。
だけど、一向に別れる素振りのない宮田くんにあたしは聞いた。
「違いますよ」
あっさりと否定した宮田くんに、
あたしの方が焦った。
「?!だったらこんなトコのんびり歩いてないで、早く行かないと」
「オレのせいで遅くなっちまったし、送りますよ」
なによ。
やっぱりいいとこあるじゃない。
最近の宮田くんは、時々あたしの調子を狂わせる。
「それに一応、女だし」
今思ったこと、やっぱ撤回。
「宮田くんって本っっっトに一言多いよね!」
こんなヤツに気遣うのやめた。
最後まで送らせてやる。
そんな気持ちとは裏腹に
あたしは緩む表情を抑えるのに必死だった。
2009/02/19 PCUP
+++++atgaki+++++
宮田くんは成績いい方だと思います。
ただ、本人はあまり必要性を感じてないの
追試にならない程度でいいやって思ってるんじゃないかなーなんて。
追試になったら、ジム行く時間減っちゃうから。
終業時間になり、
あたしは挨拶をしてロッカールームに戻ると、
一時間前に帰ったはずの宮田くんが、ルーム内の机を陣取っていた。
「わ、びっくりした。宮田くん、帰ったんじゃなかったの?」
「お疲れ様です」
視線を手元に落としたまま、声だけが返ってくる。
何となく、それ以上声をかけられない雰囲気だったので、
邪魔にならないよう静かにドアを閉めた。
自分のロッカー前でエプロンを外してハンガーに掛けながら、
チラリと机の方を見ると、
分厚い参考書と問題集を凝視している宮田くんが目に入った。
「勉強?」
「宿題」
必要最低限の会話。
その間も、宮田くんの視線は手元のテキストに向かったまま。
こういうの見てると、普通の高校生って感じだよね。
リングの上では別人だけど。
邪魔するのも申し訳ない気がして、
帰り支度を終えるとなるべく音を立てないようにロッカーを閉めた。
部屋を出る前に一声掛けて行こうと、
もう一度宮田くんを見る。
まだ同じ姿勢で参考書を何度も見直し、
問題集を睨み付けていた。
「どしたの?」
「………」
返事がないのをいいことに、ちょっと覗いてみる。
英文法か。
あたし、これちょっと得意なのよね。
「それってさぁ」
後から考えたら、すごいお節介だったとも思うんだけど。
宮田くんも何も言わないで聞いてくれたから、
あたしはそのまま言葉を続けた。
「初めて佐倉さんが大学生なんだって思いましたよ」
結局あの後、宮田くんと勉強して、
そのまま一緒にバイト先を出ることになった。
これからジムに行くという宮田くんの隣を、
あたしは歩いている。
「ちょっと、それが家庭教師の先生様にいうセリフ?」
そう言ってはみたものの、
実際は家庭教師と言えるほどの事はしてなくて、
少し説明すると、宮田くんはスラスラと問題を解いてしまった。
「あのさ、英文法の授業って5時間目が多いんじゃない?」
「そうですけど、よく分かりますね」
「やっぱり。どーせお昼食べて眠くなって、そのまま居眠りしてるうちに授業聞きそびれて、わからなくなったんだろうなって思ったから」
「あの時間は眠いんですよ。トーナメントも始まってるから、トレーニングもキツイし」
それはそうかも。
ボクシングのトレーニングにアルバイト、
それに勉強だもんね。
「でもバイト先まで宿題持ち込むなんて、ホント忙しいんだね」
「ジム行ったら身体動かしたくなるし、家にはほとんど寝に帰ってるだけですから」
「ふーん…好きなんだね、ボクシング」
その質問に宮田くんは何も答えなかったけど、
街灯に照らされたその表情を見て、
あたしは肯定の返事と受け止めた。
「ところで宮田くんのジムって、こっちでいいの?」
バイト先を出てから、
宮田くんはずっとあたしと一緒に歩いてる。
宮田くんの自宅はあたしの部屋とは反対方向だけど、
今日はこれからジムに行くと言っていたので、
最初は特に何も思わなかった。
だけど、一向に別れる素振りのない宮田くんにあたしは聞いた。
「違いますよ」
あっさりと否定した宮田くんに、
あたしの方が焦った。
「?!だったらこんなトコのんびり歩いてないで、早く行かないと」
「オレのせいで遅くなっちまったし、送りますよ」
なによ。
やっぱりいいとこあるじゃない。
最近の宮田くんは、時々あたしの調子を狂わせる。
「それに一応、女だし」
今思ったこと、やっぱ撤回。
「宮田くんって本っっっトに一言多いよね!」
こんなヤツに気遣うのやめた。
最後まで送らせてやる。
そんな気持ちとは裏腹に
あたしは緩む表情を抑えるのに必死だった。
2009/02/19 PCUP
+++++atgaki+++++
宮田くんは成績いい方だと思います。
ただ、本人はあまり必要性を感じてないの
追試にならない程度でいいやって思ってるんじゃないかなーなんて。
追試になったら、ジム行く時間減っちゃうから。