短編
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今日は髪型を変えて
珍しく。
ホントの本当に珍しく。
今日は守とのデートの日。
05 今日は髪型を変えて
プロボクサー・鷹村守。
現在二階級制覇の世界チャンピオン。
それもまだ通過点。
ヘビー級までの六階級制覇に向けて日々鍛錬を繰り返す。
それだけ聞けばなんて素晴らしいアスリートなんだろうと思うのだけれど。
『わぁぁ!!シャワーの時にいきなり背後から襲わないでくださいよ!』
『ちょっと!それは内緒だっていったじゃないですか』
『誰だよ?!オレの荷物勝手に漁ったのは』
別名・理不尽大王。
被害に遭った人間は数知れず。
『だーはっは!』
『うるせぇ!俺様のすることに何か文句あるのか』
『お前のモノはオレ様のモノ。オレ様のモノはオレ様のモノだ!』
そんな人が、わたしの恋人だったりする。
恋人と言っても多分一般的な恋人同士のような毎日の電話やメールなんてなくて、
わたしがジムに顔を出すとか、彼の部屋にお泊りするとか。
ジムのメンバーと一緒にご飯を食べに行ったり、あとはボクシング観戦に後楽園ホールに行ったりするのが殆ど。
基本的にわたしはそれで不満なんてないんだけれど
それでも時々、普通の恋人同士みたいな事もしたくなる。
待ち合わせをして、映画を観て、ご飯を食べて。
きっとそういうのは一番嫌いなんだろうけど
何度も説得して、ようやく実現にこじつけた。
待ち合わせの少し早めに到着したわたし。
2人で出掛けることなんてもう何度もあるのに、今日はなんだか少し緊張する。
まだかなぁって、腕時計に目をやりつつ、守がやってくる方向に目をやると見慣れない人物に目が留まる。
―――え?
「よォ」
その人物はわたしの目の前まで来た。
「ぁあ?何だその顔は。ちゃんと時間通りに来てやったのがそんなに珍しいのかよ」
何も言わないわたしに、ちょっと不機嫌そうに言うのは紛れもなく守の声だった。
「いや、そうじゃなくてどうしたのその髪」
わたしが驚いたのはいつもトレードマークのように決めている守の髪が、今日は無造作に下ろされていたから。
「ん?あぁ、整髪料切らしちまってよ」
そう言ってうっとおしそうに前髪を掻き揚げる。
家にいるときならともかく、外で見るには慣れないその姿にわたしはドキドキしていた。
「おい、そんなことより映画見に行くんだろ」
「あ、うんっ」
歩き出した守に慌てて付いて行く。
追いついて、となりで並んで歩いているけど
周りの目線がやけに気になる。
世界チャンピオンでもある守は黙っていても目立つ存在で、一緒に歩いていてそういうのにはもうとっくに慣れているハズが今日はいつもと違う。
男だけじゃなく、女の視線。
むしろ今日は男の人からの視線はない。
落ち着かないわたしとは対照的にいつもと全く変わらない守。
.
「ねぇ」
「何だ」
「薬局行こう」
「ま、まさかアレが来ないのか」
「は?!何バカな事言ってんのよ」
「いや、こないだナマで・・・」
「ちょっと!こんなトコで何言い出すのよ?!」
慌てて口を塞ぐ。
大きな身体なのでそれだけでも大変だ。
「違うわよ、整髪料買いに行くのよ!」
なんだよ驚かすなよ流石のオレ様も焦ったぞ、なんてバカな事を言っている守の手を引っぱりながら。
「いつもの髪型にして」
「ぁあ?今日はこのままで構わねェよ」
「だらしないからちゃんとセットして」
構わねェとか面倒臭ェとかの意見は全て却下。
一体何なんだよと渋る守に構わずわたしは薬局に向かう。
―――だって、守のその無造作な髪を見れるのはわたしだけの特権だから
そんな本音、守には絶対言わない。
END
2011/06/18 UP
+++++atogaki+++++
まともに鷹村さん書くのは初めてなんですが
だ れ で す か こ の ひ と (爆)
過去最高にキャラ掴めてない感満載でございます(泣)全国津々浦々にいらっしゃる鷹村ファンの方ホントすんません(土下座)
珍しく。
ホントの本当に珍しく。
今日は守とのデートの日。
05 今日は髪型を変えて
プロボクサー・鷹村守。
現在二階級制覇の世界チャンピオン。
それもまだ通過点。
ヘビー級までの六階級制覇に向けて日々鍛錬を繰り返す。
それだけ聞けばなんて素晴らしいアスリートなんだろうと思うのだけれど。
『わぁぁ!!シャワーの時にいきなり背後から襲わないでくださいよ!』
『ちょっと!それは内緒だっていったじゃないですか』
『誰だよ?!オレの荷物勝手に漁ったのは』
別名・理不尽大王。
被害に遭った人間は数知れず。
『だーはっは!』
『うるせぇ!俺様のすることに何か文句あるのか』
『お前のモノはオレ様のモノ。オレ様のモノはオレ様のモノだ!』
そんな人が、わたしの恋人だったりする。
恋人と言っても多分一般的な恋人同士のような毎日の電話やメールなんてなくて、
わたしがジムに顔を出すとか、彼の部屋にお泊りするとか。
ジムのメンバーと一緒にご飯を食べに行ったり、あとはボクシング観戦に後楽園ホールに行ったりするのが殆ど。
基本的にわたしはそれで不満なんてないんだけれど
それでも時々、普通の恋人同士みたいな事もしたくなる。
待ち合わせをして、映画を観て、ご飯を食べて。
きっとそういうのは一番嫌いなんだろうけど
何度も説得して、ようやく実現にこじつけた。
待ち合わせの少し早めに到着したわたし。
2人で出掛けることなんてもう何度もあるのに、今日はなんだか少し緊張する。
まだかなぁって、腕時計に目をやりつつ、守がやってくる方向に目をやると見慣れない人物に目が留まる。
―――え?
「よォ」
その人物はわたしの目の前まで来た。
「ぁあ?何だその顔は。ちゃんと時間通りに来てやったのがそんなに珍しいのかよ」
何も言わないわたしに、ちょっと不機嫌そうに言うのは紛れもなく守の声だった。
「いや、そうじゃなくてどうしたのその髪」
わたしが驚いたのはいつもトレードマークのように決めている守の髪が、今日は無造作に下ろされていたから。
「ん?あぁ、整髪料切らしちまってよ」
そう言ってうっとおしそうに前髪を掻き揚げる。
家にいるときならともかく、外で見るには慣れないその姿にわたしはドキドキしていた。
「おい、そんなことより映画見に行くんだろ」
「あ、うんっ」
歩き出した守に慌てて付いて行く。
追いついて、となりで並んで歩いているけど
周りの目線がやけに気になる。
世界チャンピオンでもある守は黙っていても目立つ存在で、一緒に歩いていてそういうのにはもうとっくに慣れているハズが今日はいつもと違う。
男だけじゃなく、女の視線。
むしろ今日は男の人からの視線はない。
落ち着かないわたしとは対照的にいつもと全く変わらない守。
.
「ねぇ」
「何だ」
「薬局行こう」
「ま、まさかアレが来ないのか」
「は?!何バカな事言ってんのよ」
「いや、こないだナマで・・・」
「ちょっと!こんなトコで何言い出すのよ?!」
慌てて口を塞ぐ。
大きな身体なのでそれだけでも大変だ。
「違うわよ、整髪料買いに行くのよ!」
なんだよ驚かすなよ流石のオレ様も焦ったぞ、なんてバカな事を言っている守の手を引っぱりながら。
「いつもの髪型にして」
「ぁあ?今日はこのままで構わねェよ」
「だらしないからちゃんとセットして」
構わねェとか面倒臭ェとかの意見は全て却下。
一体何なんだよと渋る守に構わずわたしは薬局に向かう。
―――だって、守のその無造作な髪を見れるのはわたしだけの特権だから
そんな本音、守には絶対言わない。
END
2011/06/18 UP
+++++atogaki+++++
まともに鷹村さん書くのは初めてなんですが
だ れ で す か こ の ひ と (爆)
過去最高にキャラ掴めてない感満載でございます(泣)全国津々浦々にいらっしゃる鷹村ファンの方ホントすんません(土下座)
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