「うーん、これはどうするのが正解なんでしょうね」
男は、困惑しつつ、考える素振りをする。
そして、男は多少の羞恥心に襲われていた。
理由は明白であり、それは明らかに目の前の子犬のような存在が原因であろう。
その目の前の子犬は、気持ちよさそうに寝息をあげながら、己の胸にもたれかかっている。
さて、どうやったらこれを回避出来るのか考えを巡らせる必要があるだろう。
そして恐らく、ここでいう回避とは、いかに彼女を起こさないかということである。
「ン〜、ユメミクン〜」
この幸せそうな顔を見ると、力が吸い取られるように、動きたく無くなる。

そうして、1時間経った頃………
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ。
呼び鈴が1つ鳴った。
しかし、彼はそれを無視した。
なんせ、この目の前にいる子犬を起こすわけにはいかないからである。
そして、次の瞬間、男は後悔する事となる。
「夢見〜！！」
その呼び鈴を鳴らした者は、家に上がり込んだ挙句、彼の名前を読んだ。
ﾊﾞｯ、
その瞬間、彼女は飛び起き、明らかに機嫌が悪そうな顔と声で、
「ユメミクン、、、、、
ソノ女性、、、、ダレ…………」
彼は明らかに、怒ってるな、と思いながら、彼は彼女に向き直り、
こう告げる。
「えっと、誰ですか」……と
そうして、目の前の彼女は告げる。
「私は、夢見の彼女だ！」………と
男は目の前がまっくらになった気がした。